第5話 呪い代行の掲示板を見る
《《呪い代行》》
クスリと売りで金を貯め込んで、将来はネイルサロンでもやりゃあいい。バカな男を騙して、家庭を持つのもいいさ。おっと、その前に、美久と順子とやつらの女の子どもをギタギタにしないとな。腹の虫が収まらないぜ。
どうしてやろうか?誰か雇って輪姦させて、不具にしてやるか?それとも?
そういやあ、「オーちゃんねる」で、「呪い代行・呪術代行」って掲示があったな?それなら足がつかない。調べてみるか?
母親のマンションに戻ってパソコンを開いた。「オーちゃんねる」の「呪い代行・呪術代行」という掲示からレスが来ていた。明日だったら、渋谷で待合せできるという。話が早いじゃん?向こうの「呪い代行・呪術代行」の内容を聞いて決めようと思った。
《《分銅屋の順子》》
出所から一ヶ月、順子は毎日分銅屋にきて、女将さんが大学に行って、節子が高校の授業を受けている間、分銅屋の店番をして料理を作っていた。女将さんのお古の和服も板についてきた。今日明日は、女将さんが高エネルギー加速器研究機構の東海キャンパスに打合せで行っているので、節子と順子が店を切り盛りしている。節子も和服だ。
美少女の美久は、長髪の茶髪で身長は160センチくらい。昔の後藤久美子にちょっと似ている。可愛い顔をしている。順子は、身長165センチ、ダークカラーのボブのヘアスタイルだったが今は黒髪に戻して、前髪を額に垂らし切り下げ、後髪を襟足辺りで真っ直ぐに切りそろえている。黒木メイサのようなハーフっぽい顔立ちをしている。美久より一才年下だが、美久より大人っぽい雰囲気だ。
節子も順子と同じくらいの背丈で、色気のある大人っぽさがあるが、順子はクールで近寄りがたい雰囲気があった。しかし、分銅屋に勤めだしてから、笑顔を絶やさず、愛嬌を振りまいていた。客の評判も上々で、千住近辺の若い男性客が格段に増えて、常連の高年齢の客たちがブツブツ言っている。
《《化粧》》
その日は、時間も早く、店には順子と節子と紗栄子しかいなかった。
「順子ネエさんよぉ、前はドラゴンボールの18号みたいに高飛車でツンツンしていたのが、今じゃあ愛嬌振りまいちまって、調子狂うぜ。おかげで節子は全然もてなくなっちまうし、千住中の若いのが押しかけて大繁盛だよ。その内、クリリンみたいなチビと結婚しちゃうんじゃないか?」と紗栄子が言う。
「なに言ってんだい、紗栄子。もう、しばらくは男なんてコリゴリだよ。分銅屋が繁盛してくれればいいさね。女将さんに借金も返さないといけないしね」とつっけんどんに答えた。順子は、クスリと売春で幾人かの被害女性から民事訴訟を起こされて、慰謝料を女将さんに借りて支払ったのだ。女将さんは返済はいつでもいいと言ってくれたが、彼女にとってはそうも言っていられないのだ。
「紗栄子の言うとおりだよ、順子ネエさん。あんたが美久ネエさんの次に美人だから、私が目をつけていた客もあんたに取られる始末だよ。ブスの化粧でもしてもらって、オカメヅラにでもしてもらわないと、私の出番がないよ。女将さんだって、最近人気が落ちたよ、アラフォーはもてないよ、と言ってたよ」と節子も憎まれ口をニコニコして言った。
「あら?私、スッピンだけど・・・ダメかな?」と順子が肩をすくめる。
「あんた、スッピンでそうなんだから、化粧なんてしたら男ども総なめになっちまうぜ。ファンデをベタベタに塗って、頬紅を真っ赤につけて、カッペの化粧にでもしてもらわないと、節子も私もハンデもらえないよ。美人は得だぜ。スッピンでもこちとらにハンデつけられるんだからね」と紗栄子。
「節子、紗栄子、お褒めいただいてありがとう。しかしね、そんなもの、今の私には無用の長物さ。分銅屋が儲かればそれでいいのさ」と順子。
《《悪い予感》》
そんな話をしていると、紗栄子は急に寒気を覚えた。背筋がゾクゾクした。なんだ?いったい?風邪かな?いや、そんなものじゃないな?黒い気が、邪気が通り過ぎたみたいな・・・
板場の中でツマミの下準備をしていた順子も体をブルッと震わせた。「なんだ、順子ネエさん、あんたも寒気がしたのか?腹出して寝たんじゃないのか?」と紗栄子が言うと「何いってんだい、紗栄子。なんか、イヤなものが通り過ぎたみたいでさ・・・」と答えた。「ああ、順子ネエさん、私も黒い気が、邪気が通り過ぎたみたいな気がしたんだよ」と紗栄子。
「おいおい、二人して、何を言っているんだい。気持ちの悪い。私は何も感じないけどね。塩でもまくかね?」と節子。
《《神社さんにお祓い》》
「節子はそういうのを感じない体質なんだよ。う~ん、何か悪いことでも起こらなければいいけどなあ・・・」と紗栄子が言うと、順子が「紗栄子、神社さんにお祓いにでも行くか?私は悪いことをいっぱいしてきたから、反省の意味でも神社さんにお祓いでもしてもらおうかな?」と順子が言う。
「それ、いいかもしれないな。順子ネエさん、あんたと漢字は違うが、純粋の純の時任純子ってのが、私たちと同じ高校の同期で、私の親友でさ、神社の娘なんだよ。氷川神社の。二人でお参りに行ってみるか?」と紗栄子。
「そうだな、明日、女将さんが戻ってきたら、明後日でもお参りに行ってみようか?」と順子。「じゃあ、純子に言って明後日の夕方お参りに行くと伝えておくよ。
「お二人さん、神社にお参りに行くなら、私の良縁もお願いしてきておくれな」と節子。




