表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/13

第10話 ゴスロリ好きのリーマンと再会

 リーマンとの撮影会から二週間経ったっけ。


 コミケのシティーホテルの撮影会で悟からもらった渋沢七枚、すぐ散財しちゃった。ママの雑誌見て流行りのY2K服とかゴスロリアイテムとかポチポチ買いまくって、ネイルサロン行って、友達とカラオケ行って、アイスもちょっと仕入れて……って、気づいたらお小遣いゼロじゃん!


(クソォ、私ってほんとバカだわ。金銭感覚ないんだから。でも、悟の渋沢、また巻き上げればいいだけだよね?あいつ、私のこと『女神』って言ってたし、会いたがってるはずだよ)


 スマホ取り出して、悟のLINE開く。まだブロックされてない。よしよし。


「ねぇ、ねぇ、悟、二週間ぶりじゃない?恭子だよぉ~。お小遣いがなくなっちゃってさ、また、撮影会して、渋沢をカンパしてくれない?今ならちょっとサービスしちゃうかも♥」


 送信。既読がつくまでドキドキしたけど、すぐに返信がきた。


「恭子……また会えるの?うん、いいよ。いつ?」


(ビンゴ!やっぱり会いたいんだ。あいつ、私にメロメロじゃん)


 約束は週末の午後。前回と同じシティーホテル。悟が部屋取って待ってるってさ。


《《再びのホテル》》


 部屋に入ったら、悟がソファーに座ってカメラいじってた。相変わらず真面目そうなネイビーのボタンダウン。モッコリはまだしてないけど、目がキラキラしてる。


「悟ぃ~、待たせちゃった?恭子、来ちゃったよぉ~」

「恭子……可愛い。今日もゴスロリ?」

「うん、特注の新作だよ」さすがにこのゴスロリで電車に乗れない。だから、私はコートを羽織っていたのだ。コートを服を脱いだり着たりする時は微妙にエロいテクニックでゆっくりと脱いだ。「見て見て、フリル盛り盛りでしょ?」


 私はくるっと回ってみせた。黒のレースアップコルセット、ミニスカートはこの前よりさらに短めだ。網タイツにプラットフォームブーツ。頭には大きめのリボンとヴェール。赤リップ濃いめで、流し目を悟に決めてやった。フフフ。


「じゃあ、条件は前と同じね。ちょっとセクシーなポーズをしてやってもいいから、拘束45分で、渋沢五枚、ちょうだい」


 悟が生唾飲む音が聞こえた。コクコク頷いて、渋沢五枚をテーブルに置く。


(よしよし、イチコロだよ。今日は前より攻めちゃおうかな)


 撮影開始。窓際の椅子に座って、脚を組んでスカートチラ見せポーズ。シャッター音がバシャバシャ響く。


「どう?恭子の脚、細いでしょ?」バシャバシャバシャバシャ


 次はベッドに横になって、枕抱きしめて腰くねらせポーズ。スカート捲れてパンツ見えそうで見えないギリギリ。


「撮られてるの、気持ちいい……見て、私を見て……」バシャバシャバシャバシャ


 悟の股間、モッコリしてきた。ギンギンじゃん!でも手は止まらない。シャッター音だけ。


 うつ伏せになってお尻突き出しポーズ。網タイツのクロス柄がエロいって前も言ってたっけ。


「これはどう?」バシャバシャ。悟の息が荒くなってきた。


(クソォ、今日こそ押し倒すでしょ?タダだって言ってるようなもんだよ?)


 でも、バシャバシャされてあっという間に45分過ぎた。ほんっとに撮影だけかよ!腕時計を見た。


「ねえねえ、どぉ?時間延長する?延長したら、もっとサービスしちゃうよ?この前、悟、止めちゃったじゃん!私のアソコ、バッチリみたくない?ね?ね?M字開脚なんてどうよ?」と仰向けになって膝を曲げながら両足を開こうとしたら、悟が膝をつかんで閉じてしまった。ベッドのブランケットを身体にかけられた。


「だ、だめだ……恭子は女神なんだ……」悟が激しく首を振った。顔が真っ赤だ。


(またそれ!?チェッ!ガマンしすぎだろ、この変態リーマン!)


 撮影会終了。


 この前の流れで、私はベッドから飛び起きて悟の隣にピッタリ座る。


「お腹空いちゃった!ルームサービスでなんか食べて良い?ね?ね?」

「それは別に構わないけど……」

「やった!じゃあ、シュリンプカクテルとコールスローとクラブハウスサンドイッチ!それと、赤と白ワイン!瓶で!」

「赤と白ワイン……未成年なんだけどなあ……」

「舐めるだけだよ!それとも悟、ワインじゃなくって、別の所を舐めて欲しい?」

「……」


 悟が内線でルームサービスを頼んだ……20分で届くって。待ってる間、太腿を彼にベッタリ密着させる。悟ビクビクしてる。


「ねえねえ、悟の大学時代のガールフレンドのこと、もっと教えてよ。前回、ちょっとだけ話したじゃん?どんな子だったの?」


 悟がちょっと逡巡した顔をした。「えっと……真中真理子っていう子で……ゴスロリ好きで、ちょっと不思議な子だった。霊視ができるって言ってて……」

「霊視!?え~、何それ、超能力?面白そぉー!で、どんな感じの子?」

「美人で……恭子みたいに可愛いっていうか……」


(『美人で』恭子みたいに『可愛い』、って何よ!美人は美人!可愛いは可愛い!同じ子にそれは同居しないじゃん!)


 料理が届いて、テーブルに並べる。ワイン開けて、グラスに注ぐ。私は未成年だけど、舐めるだけってことにしとく。サンドイッチかじりながら、続ける。


「でさ、その真理子って子、私と似てるの?」

「似てるっていうか……ゴスロリが好きで……」

「え~、悟、私ってさぁ、その彼女の代わりなの?」私が拗ねてみせると、悟が慌てて首振る。

「違う!真理子は真理子だ。恭子とは違う。ぼくが好きなのは今の恭子なんだ!」


(理屈っぽいなあ、悟。でも、ちょっと嬉しいかも……って、んなわけないじゃん。私、金のためだもん)


 腑に落ちない。私はグラス置いて、「その真中真理子の写真、見せてよ!」とおねだりした。

「え……それは……」

「見せて見せて!M字開脚を途中までみたんだから、いいでしょ?」


 悟が渋々スマホ出して、写真アプリ開く。一枚の写真を見せてきた。


 ……えええ?この人!


 写真の中の女の子って、超絶美少女じゃん!黒のゴスロリ衣装で、長い黒髪、透き通るような白い肌、大きな瞳で悟をジッと見つめてる。微笑み方が神秘的っていうか、霊視できるってのも納得の雰囲気。橋本環奈よりも美少女って感じ。完璧すぎる。


(クソォォォ!何この子!美しすぎだろ!)


「私は、小賢しい小娘で、身長153センチのチビでBとCカップの間の貧乳よ!で、ロリの小顔よ!可愛いわよ!美人じゃないわよ!……橋本環奈並とは言わないけどさ。だけど、この子、真中真理子?この子は、橋本環奈よりも美少女じゃない!悟、この子の身長は何センチなの?」

「165センチぐらいかな……」

「く、悔しい!背、高いじゃん!胸は何カップ?」

「Dかな……Eかな……」

「く、悔しい!これじゃあ、ゴスロリ衣装が同じってだけで、私、ぜんっぜん、勝てないじゃん!悟!私、この子の代わりにすらなれないわ!く、悔しい!」


 私はワインゴクゴク飲んで、テーブル叩いた。悟が慌ててなだめる。


「恭子、そんなことないよ。キミはキミで……女神だよ」


(女神って……バカみたい。でも、ちょっとだけ、胸がチクッとした。クソォ、何この気持ち!私、本気で嫉妬してる?んなわけないじゃん!)


 なんか、頭から離れなくなっちゃった。あの真理子の写真と、悟の『今の恭子が好き』って言葉。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ