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どうして陛下が無能なのか、娘の私は頭が痛いですわ。

作者: リュルク

 お父様はこの国の王なのですが、娘の私から見ても明らかに王失格!


 これはお父様が暴君だからならばある意味簡単だった、貴族か何なら平民の中から次期王になる存在によって討伐されて滅んでいただろうから。


 または嫌だけど外国の侵略で滅亡していたと思う。



 だが別に暴君というわけでは無い、でもひたすら無能なのである。




 私はこの先祖代々からの王家の色々を食いつぶすお父様を見ていられずに注意をするも


 子供であることと、女であることから、話を聞いてもらえないのであった……



 うん二重苦である!



 お父様の欠点は自分はちゃんとやれていると思い込めることなのだから……





 ではお父様の何が無能なのか、簡単に言うと貴族の揉め事に対する対処が本気でいい加減過ぎるのである。



 お父様は貴族の当事者間の解決をできるだけ禁止にして、自分が決裁するようにしている。



 先代の頃はそこまで締め付けていなかったらしいので(私もお爺様の代は詳しくはない)


 お父様になってから、国の雰囲気が変わったってことだ。



 もっと以前は王家に仇をなすか、著しい国の有害にならない限り、貴族同士の揉め事は両家でやれってスタンスだったのに……




 だったらちゃんと常に公平な裁きをしないといけないと思うのだが、当然お父様が一手に引き受けているので、1人ではとても対処できない。明らかなのにどうして予測できなかったのか。




 だからお父様が適当にやるか、部下に適当に任せるかの二択になってしまい、その結果こんな現象になるのである……






 ハッキリ言えば最初に言ったもの勝ち選手権になっているのである。



 つまり最初に相手が悪いってことを長くたくさん訴えれば、ほとんど勝ち。


 あとから相手が反論をしても、その調査をするだけの能力が無いので(だって訴え多いし)

 つまり言われたらそのまま鵜呑みに応じてしまう。


 こんな現象が起きているのである。ごくまれに明らかに捏造とかが発覚したら流石に挽回されるけど、絶対にこれは氷山の一角に過ぎず、きっと反論できずに涙の処罰をされた人たちがいるに違いない。


 お父様達は、ちゃんと間違っていたら訂正しているから完璧であると豪語しているけど。




 そしてそんな無茶苦茶な裁定をくらった貴族達がどう思うのか?

 当然王家への侮蔑しか思わないと思うんですよね。


 だって理不尽な判定なのだから……





 さらにすぐに訴えてくる貴族について、ちゃんと王家を尊重しており忠誠心が厚いなどとお父様は解釈しているのだ。



 馬鹿馬鹿しい!


 そりゃあ先に言ったほうが勝てるのだから、できるだけ速やかに言うに決まっている。


 ようは利権になっているのだ。それを忠誠心って……



 きっとこういう貴族は外国が強かったら秒で寝返りますよ……




 ってことで私も当然こんなことは許されないし、仮にも王女としてもあって、

 お父様に何度も繰り返し言うのだが、




「問題が無い、ほらみんな不満何て言ってこないだろう!」というだけである。



 そりゃ得をしてる連中は不満を言うわけが無いし、それでクソな裁定をくらったものは、もう王家を見限っているから言ってこないだけですよ!



 こういったところで、しまいには「お前はまだ若いから分からないだけ、こうやって世間は丸く収めるのだ」


 などと戯言を言い、さらに私が論理的におかしさを追求すると「女子供が政治に口を出すな!」である。


 まさか大人の知恵とやらが、レッテルを張って黙らすこととは知らなかったよ!



 今のところまだ王家が崩壊していないのは、長くに渡る王家の歴史の遺産のおかげであって、お父様の功績でも何でも無く、食いつぶしの極潰しでしか無いのだ!



 でもこれが分かってもらえない。




 そしてある日私はこの国を見限りたくなることが起きたのであった!




 私がお父様に今日も反論をしていると、お父様から特に気に入られている貴族同士の揉め事の裁定をかなり任されている貴族がこのようなことを言って来たのであった!




「王女様、貴女は仮に王女でしょう?ならば陛下のことを否定するなんてのは自己否定に等しい!」





「……王女だからこそ国の害を指摘しているのですが、貴方のような害物にはそれが分からないようですね!」



 私が怒りの余り述べたらお父様の発言が終わっていた!



「お前は2つも過ちをしている!まずは貴族を侮辱したこと!次に父であり王である私を再三王女でありながら否定したからだ!」



 ……はぁ?私は王女だからこそ国を思って言いましたけどね、それが逆賊だって言うのならもういいです。

 もちろん私の意見が正しいかは知りませんよ、でも私は正しいと思って言っている。

 それを論破されて理解できないのであれば、私が論外だが、お父様はまともにいつも返せていなくて、


 若いだ女子供が関わるなしか最終的に言えないでは無いか!




 それがお父様に従順であることだけが忠義であり、王女だっていうのなら、こんな国もうどうでもいいです。



 私にできることはない。だって()()らしいからね。




 でも私は孤独である。何故ならこの意見を理解するもの何てこの国にいない。



 何故なら貴族達は媚びるクソ共は論外としても、被害者達も、私と立場は近くても、被害者からしたら私も王族側の人間に過ぎない扱いだからだ。


 そして王族は他の姉妹も他の兄弟達も、私ほどお父様を問題視していない以上、本当に誰とも意見が合うことが無い……




 そんなまでしてこの国にいる意味があるのだろうか?そこまで思いつめているのであった……




 ある時隣国の王太子がこの国に外交でやってきた。それなりに友好国ではあるのだが、そこまでではないみたいな関係性である。戦ったらお互いただで済まないことが予想されるから、表立って争いになる雰囲気が無いのが救いではあるが……





 私は王太子にひねくれたとは言え王女なのでちゃんと挨拶をする。




 すると笑顔で対応してくるので、私も孤独にきっとうんざりしていたのだろう、政治談議をしたい振りをしているが、実際はきっと誰かと話したかったのだと思う。


 国の制度について議論を仕掛けたのであった!




「王太子様のお国についてお聞きしたいのですがよろしいでしょうか?」




「構いませんよ、姫君……」




「ありがとうございます!王太子様のお国では、貴族同士の争いはどうされていますか?」





「うん、それは当事者解決が基本だね、よほどのことが無い限りは、他は介入しないよ」




「何故なのですか?」




「何故?言われて見れば何故なのだろうか……昔からそうなっていたから……」




「そうですよね!」



 私がやっぱお父様だけ悪い意味で保守に反して自滅しているのでは!ってより思ったからである。



 すると王太子は考えだした……



「……うーんでもよく考えると、何で昔からそれで良かったのだろうか……」




「多分王1人だけでは裁ききれないからではないでしょうか?」




「ああそうだよね!言われて見ればその通り、何でそんな単純なことに気づかなかったのだろう、昔からってことで頭が回ってなかったよ、貴女は素晴らしいね!」




 なるほど、私はお父様が問題だから気づいたが、確かに盲点なのかと思うのであった……



 そしてちゃんと疑問に思うこの隣国の王太子様に私は好印象を持ったのであった……




「うーんいきなりだけど、姫君、いいかな?」



「はい何でしょうか?」




「貴女は確か特定の婚約者はいなかったと思うのですが……」




「そうですね」




「では私と結婚するというのはどうだろうか?」



 ええ……


 突然このように言われて私は内心パニックになる……




「ああいきなり驚かせて済まないが、私は父上の陛下から言われているのだ、女は考えて選べと、先代であるお爺様が、女に迷って政治を乱したからそう言う事を言うらしい。だがこうも政治の話をできる女ならば、一緒に国を考えることができるんじゃって思ったからね、どうだろうか?」




 ……私はパニくっていたがよく考えるとこれほど素晴らしいことはないのでは?



 きっとお父様は私が国を出ることを反対しないだろう。場合によってはうっとうしいのが消えたくらいにしか思わないはず。


 さらに隣国の王太子との結婚ならば、むしろメリットの方が大きいと見なすはず。


 ようは厄介払いで追い払える上に婚姻関係になれるとか最高では無いか。


 そして私からしても、国を裏切る形じゃないのに、国を出ることができる!



 さようなら、私は隣国で生きていくことにします。


 この国は好きだったけど、お父様は大嫌いでした。

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― 新着の感想 ―
最初の一行「お父様はこの国の王なのですが、娘の私から見ても明らかに王失格!」の時点で一気に掴まれました。 暴君じゃなくて「とにかく無能」という方向性と、「貴族同士の揉め事を王が全部さばこうとした結果『…
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