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ー36ー

「えぇええ??」

 ソルトさんに腕を引っ張られて部署を出た。

「なにがどうしたんですか?」

「リリナさんは4大エレメントの事は、どれくらいご存知ですか?」

 突然、質問された私は、自分が知っている範囲の知識をソルトさんに答えた。

「地上に与える基本元素の神。炎、風、水、大地のことでしょうか?」

「そう。天界では、天使とは別の枠組みで、元素の神のような存在を飼っている」

 まるで動物を飼っているような言い方にビックリしてしまう。

「彼らは神というには未熟で、感情の気分次第で仕事をしているような輩です」

 ソルトさんが言いたいのは唯一神よりも神としての志が低いって事が言いたいのかしら。ともすれ、私は誰一人として会ったことがないから、どんな性格なのかもよく分からない。

「神というより、精霊といったほうがイメージしやすいかもしれません。それぞれに性格の差があり、相反している存在がカチ合って、お互いの相談のすえに人間の世界の空気感を作り上げている偉い方々ではあるですが…」

「なにか問題でも?」

「最近、分かり合えないようで、4人の調和をもって世界が保たれているのに、『自分さえいれば他のエレメントはいらない。』と、お互いの気持ちがバラバラになってしまったんです」

 4つが綺麗に噛み合うことで美しい世界が作られているのに、個人の主張が強くなってしまっているってことなのかしら?

「その中でも、水の精霊の方がとくに自分の意見をあまり言える方ではなく、そのために一度殺されかけたんです」

「えぇ?!天界内で殺人事件?!」

 これは、また聞いてはいけない天界の闇なのでわ…。

「エレメントの皆さんは、疲れると個々人で酸素カプセルのようなものが用意されていて、そこで睡眠をとられるんですが…ある日、その酸素カプセルの外側から鍵をかけられて水の精霊が出られなくなる事件が起こったんです」

「それは大事件ですね!」

 それぞれの酸素カプセルが用意されているなんて、やはり特別待遇な方々なんだわ。

「水のエレメントが居ないということは、人間界に雨が降らず土地が干上がってしまいます」

「わわ」

 それは、甚大な被害じゃないですか。

「それにイチ早く気がついて、それを救ったのが、うちの上司なんですけど」

「(あいかわらず、すごいな」

「その事件以降、水のエレメントの偉い人は酸素カプセルで睡眠を取るという事が怖くてできなくなってしまったんです」

 そりゃそうよね。つまり同僚に裏切られてしまったんですものね。

「それが、さっきうちの部署にやってきた青い方です」

「えぇ?!さっきの青髪の人が水のエレメント神ですか??」

「そうです」

 身長は私より小柄なロングにウェーブのかかった青い髪に、それと同じ色のドレスをきたキレイな人が水のエレメント様だったみたいだ。

「でも、なんでうちの部署に?」

「睡眠を取るためです。彼らは眠る事で回復されるんです」

 神様も睡眠ってなさるものなのね。

「どうも、うちの上司の傍でしか安心して眠れなくなってしまったようなんです。エレメント神の機嫌は、人間界の自然現象に直結しますので、どの仕事よりも最優先事項となっていて、エレメント神がやってきた日は、他の仕事はできないと思っておいたほうがいい」

 なるほど、それで休業とソルトさんは言ったのね。

「よろしくお願いしますね」

 そういうと、ソルトさんは私の前を去った。


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