ー24ー
私は、小さな天使達の間をキョロキョロと歩きながら、紫色の瞳の天使を探していた。
めずらしい目の色だし、すぐに見つかるものかと思ったけれど、5万も6万もいる天使の中から探し出すことが出来ない。
「(ソルトさんが言うように、全然簡単な作業じゃないわ」
ふと、顔をあげると、サボっている人だけが目について、自分の上司の見た目をした姿の他人なら、簡単に見つけることができた。
「こんなところにいたんですね」
「あ…………」
声をかられた相手は、私に見つかってしまった!みたいな顔をした。
「どうしてこちらに?」
「あの人も同じ気持ちだったのかなって思って」
あの人というのは、うちの上司のことだろうか?
「こないだボク達が集まって作業している所に、この見た目をした人が黄昏ていたんです」
上司の顔をしたもどきさんが自分を指さしながら、つぶやいた。
「(…おそらく、サボっていたに違いない」
うちの上司に黄昏ほど似合わないものはないだろう。
「こんなに毎日精神的ダメージの大きな仕事をしていたら、心がふさいでしまいますよね」
心がふさぐもなにも、うちの上司に心があるのかも怪しい…。
小さな天使達が精一杯仕事をしている姿を眺めながら、私は疑問をぶつけることにした。
「ザーッと見渡す限り、元の自分に似てる人を見つけることは出来ませんか?」
「そうですね。いつも一緒に行っているチームみたいなものもありませんし、あれです!と、はっきり言える見た目も見当たりません」
「……そうですか」
本人にそう言われてしまっては、この場所から探すのは無理かもしれない。
「あの、やっぱり部署に戻ってきてはいただけませんか?」
「それは、無理ですよ」
「サイン以外の仕事もあるので!というか、明日会議に参加しないといけなくて…」
書類は普段から滞納していることを思えば、少しくらい遅れてもと思えなくもないが、会議にはさすがに本人が出席しなくてはならないだろう。
「こ、こないだも、ただ座ってただけって言ってましたし!そこまで大変な仕事でもないかと」
「そうですか?」
どうにか初めての人でも参加できそうな内容をまくしたてた。…座っていればいいだけのポディションなんてあるわけもないが、上司の意見は必要とされることが少ないと本人も言っていたし、逆にいまの現状ならただ会議に参加するだけの代打は務まりそうな気もする。
「会議には一緒に参加することは出来ませんが、ソルトさんと私で出来る限りのサポートはします!」
「心強いです」
ようやく上司の中の人が安心したのか、笑顔を見せてくれた。




