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20/37

ー20ー

「そそそ…ソルトさん…私、変なところないですか??」

「大丈夫です」

 表彰される日になった。私は、表彰をする場所を聞いて驚いてしまった。

 天界第十階層。上級天使様しかいないような場所で表彰式がされると聞いて、ビックリを通り越してビビリ倒していた。

 今日までに破かれた制服も新しいものが届いていた。ホコリの1つがついていても怒られそうで怖かった。

 表彰されるのが1人ではなくてよかった。と内心ではホッとしていた。

「あ、エレベーターきましたよ」

 私達は、上層階へ行くためのエレベーターに乗り込んだ。

 いつもパスを使って上の階層へ書類の届け物をしているが、第十階層に入るのは初めてだ。

「緊張しすぎでは?」

「ソルトさんは、緊張しないんですか?」

「まー?(これが初めてでもないし」

 エレベーターの扉が開き、その向こう側からの眩しすぎる光に私は目を細めた。

 雲の上のような真っ白い空間に、ルシフェル様とベアリエル様が立っていた。

「…………!!」

「あら、この間の新人さんじゃない」

 この部屋は表彰をするためだけの部屋なのか、4人だけしか存在していなかった。

 また、会えるとは思っていなかった人に出会えて、私は足が動かなくなってしまった。

「今日は、天界の不正を未然に防いだアナタ方に感謝を込めて表彰をいたしますので、コチラへ」

 ベアリエル様が、私とソルトさんに近くに寄るようにと言っている。

 ド緊張してしまって、ソルトさんの後ろを付いていく事ができないでいると、ルシフェル様が私の後ろにやってきて、背中を押してくれる。

「ほらほら、私達にそんな緊張しないの」

 そんなこと言われても無理がある。

 ずっと憧れていた人が私の目の前にいるんだもの。それにしても、二人とも眩しい。私もいつかこんな輝きを纏う日がくるのだろうか?

 私がソルトさんの隣へたどり着くと、ベアリエル様が優しく微笑んだ。

「今回の事を神に代わって感謝いたします。アナタ方のような方々に天界の未来を背負って欲しいものです」

「ありがとうございますっ……っ」

「え、リリナさん泣いてる?!」

 嬉しすぎて思わず涙が出てきてしまった。

「私、これからも頑張りますっ(そして、私は貴方みたいになりたい」

 褒められて、明日からも頑張ろうという気持ちになる。賞状とかなかったものの、胸にバッチのようなものを付けていただいた。なんだか、とても誇らしい日だ。

 ソルトさんが寄る所があるというので、1人で部署に帰って来ると、出張から帰ってきた上司が窓の外を見つめていた。

「おかえり」

「いえ、上官こそ出張おつかれさまです」

 私は、上司へ頭を下げた。…なんだか、いつもと雰囲気が違うような気がするのは私の気のせいだろうか?

「よかったね。憧れの人に会えて、他の部署への異動も決まって」

「その事なんですけど、私はこの部署に残る事にしようと思います」

「え?!なんで」

 ソルトさんは始めからこの部署に残るつもりだったみたい。そんなソルトさんにつられたわけじゃないんだけど。

「だって、私がいなかったら、上官はちゃんと仕事しないですし、他の部署に言っても上官のこと気になって仕事にならなそうなんですもん」

「ふっ……なにそれ(告白か?」

 もしかして、今日の上司が少しだけナーバスに見えるのは、私達2人が他部署へ行ってしまうかもって思ったから、だったりするのかしら。

 そんな上司が、私の目の前にやってきた。ポケットから何かを取り出すと、私の髪の毛に何かを付ける。

「コレ、こないだのお詫び」

「(こないだの?」

 私がなんのことだろう?と思っていると

「セクハラのお詫びでも、表彰のお祝いでも、この部署に残ってくれた事でも…出張のお土産でも、なんでもいいや」

 上司から髪留めをいただいてしまった。

「べっ甲って言って、ニホンという所のお土産。りーにゃんの綺麗な髪色によく似合うね」

 上司の紫色の瞳が私を見つめて笑った。

「…あ、ありがとうございます」

 なんだか、胸が熱くなってしまう。それは、お土産をもらったからとかではなく、きっと上司が私の憧れの人と同じ瞳の色だからだ。

 上司が笑うと今日のベアリエル様の事を思い出してしまって、ドキドキしてしまう。


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