ー19ー
何故かは分からないけれど、1つの部署の偉い人がいなくなったというのに、天界は何も慌てる者もおらず、疑問を持つ者もおらず、今日も昨日と変わらぬ様子だった。
「あの…………なんか、大丈夫なんでしょうか?」
「なにがです?」
私は、今日もパソコンをカタカタしているソルトさんに話しかけた。
「こないだの大柄の上官、亡くなってしまったんですよね?」
「ああ、それだったら初めから上司が、この部署から書類が盗まれた事の届け出をしてあって、その犯人を特定した僕達は表彰されるらしいですよ」
「へ?!そうなんですか??(有休だったのに?!」
あの日、とくに何かをしたという感覚はなかったのに、表彰だなんてすごい。
表彰という栄誉ある出来事の前に、私の頭の中からは大柄の人の事が、頭の中からどこかへいってしまった。
「たぶんですけど、リリナさんを別の部署に移すための配慮じゃないですかね」
「え?」
「この部署に入る時に言っていたじゃないですが、栄誉ある事でもしなければ、別のところへはいけないって」
それは、そうですけど、ようやくこの部署にも上司にも慣れてきたと思っていた所だったのに、なんだか悲しいような。
「(まー上司からしたら、リリナさんにしたセクハラを揉み消したいだけかもだけど」
「あ!でも、制服まだ新しいの届いてない!」
「今日の格好でも全然大丈夫だと思いますけど」
寮には、前に使っていたシャツがあり、それを着ているけれど、表彰されるというならちゃんとした格好をしたい。
「おはよー」
そこへ、気だるげな上司がやってきた。
「あ、あの!私たちが表彰されるって本当ですか??」
「あ、そうそう。よかったね。俺、その日いないんだけど」
いままで展開で仕事をしてきて、表彰されるなんて初めてのことだ。
ほぼソルトさんのおかげといっても過言ではない。
「えと、上官はその日はどちらへ?」
「俺は、人間界に出張が入ってる」
「そうですか…」
自分の上司からも当日に褒めてもらいたかったわけではないが、その日1日姿が見られないのは残念だなと思った。




