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11/37

ー11ー

「奴の見張りはちゃんとしていますか?」

 ソルトさんにいきなり話しかけられ、びっくりして顔を上げる。

「え?あ…」

 今日もいつもの部署の部屋で、少し目を離したすきに、私は上司を見失ってしまっていた。

 さっきまでちゃんとデスクに座っていたはずのに…。

「どこに行ってしまったのかしら」

 探しに行くといっても、天国という場所が広すぎて簡単に追いかけるということも出来ない。

「(GPSがあればいいのに……」

「今日は、めずらしく中庭にいるようで

す」

 ソルトさんに言われて部署の窓から見てみると、中庭にしゃがみ込んだ上司の姿が見えた。

「なにしてんだ…アイツ」

「ふふっ」

 あいかわらず、口が悪いソルトさんに笑ってしまった。

 たまに、上司とソルトさんの仲良しさが羨ましいと思えてしまう。

 かといって、上司をアイツと呼びたいわけではないのだけれど。

「私、行ってきます!」

「(勤勉な人だな」

 ソルトさんに見送られて部署を出た。


 中庭まで来ると、上司は木を切って何かを作っているみたいだ。

「森林の伐採は怒られないのでしょうか?」

「ん?まー理由があるならいいんじゃない?」

 基本的にダメな事を平気でしている上司にも、行動の理由というものは一応あるらしい。

「無駄な事ばかりしていないで、仕事してくださいね?」

「全ての行動において無駄なことなんてないんだけどね」

 分かったよ。と言わんばかりの顔でどうにか部署には帰ってくれそうだ。

「そういえば、りーにゃんは空を飛ぶのが苦手なの?」

「苦手というほど苦手ではないと思いますが」

 私が飛んでいる姿をどこかで見ていたのだろうか?

「そう、かな?もし、よかったら教えようか。と思っただけなんだけど」

「これ以上、仕事がおされてしまっては困ります」

「……まーそれもそうよな」

 なぜ上司が私を構おうと思ったのかは分からないけれど、私なんかに割く時間を前向きに仕事に取り組む時間に変えてほしかった。

 今日は、デスクでめずらしくメガネをかけた上司が書類とにらめっこしていた。

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