1「霊界テーマソング」
ラフマニノフ「今度の霊界テーマソングは誰が担当するのか楽しみだな!!」
ショパン「5年に一度だからね。霊界のテーマソング。みんながそれを聞いて歌うから、音楽家としては最高の栄誉だ。ぜひ、選抜オーディションで合格したいけど、約2000人の中から1人しか選ばれない超難関だ。最終候補10人に入った前回のオーディションは惜しかったなあ」
ラフマニノフ「ショパンはもう曲ができたか??」
ショパン「いや、まだ制作途中だよ」
ラフマニノフ「歌詞もつけなくてはならないからな。ただのピアノ曲とは訳が違うよな」
ショパン「あと提出期限まで1ヶ月切ったからね。のんびりしてられないな」
ラフマニノフ「今回のテーマは『明るさ』と『意外性』だ。聴いていて明るい幸せな気分になれる曲だ。意外性についてはよく分からない。審査委員たちの考え次第だな」
ショパン「難しいな。なんか。明るい曲想と言えば、モーツァルトをイメージしてしまうんだけど」
ショパンとラフマニノフは「霊界テーマソング」の提出期限の3日前に霊界最高責任者のまさに霊界のトップ権力者「シナメルド」に呼び出された。
シナメルド「ショパン、ラフマニノフ、久しぶりだな。霊界テーマソングは作り終えたか??」
ショパン「はい!! 今度こそ、選ばれるように最善を尽くしました!!」
ラフマニノフ「審査委員の選考基準が分からないな」
シナメルド「おい、お前たち、入ってこい!!」
5人がいきなりシナメルドの前に登場した。
シナメルド「君たちは審査委員たちにどのような曲にすれば選ばれるのか質問したのか??」
ショパン「いえ、それは卑怯と思い、特にそのような情報収集はしておりません」
シナメルド「では、審査委員たちが今、目の前にいるのだから、どうすれば選ばれるか聞いてみたらどうだ??」
ラフマニノフ「しかし、それでは不公平ではないですか?? 情報収集したら、それをしてない人たちに顔向けできない」
シナメルド「甘い!!!!」
ショパン「シナメルド様??」
シナメルド「今まで情報収集しに審査委員たちを訪ねてきた奴らは1800人にのぼる。情報収集は選ばれるための必須だ!! 卑怯とか汚い手とか言ってられない。勝負を甘く見るな!! それに情報収集などの選ばれるための努力は決して汚い手とは言わない。お前ら、甘く捉えすぎだ。現に今まで霊界歌のテーマソングに選ばれた奴らはみんな審査委員たちに近づき、情報収集してきたんだ」
ラフマニノフ「そうだったのか……確かに、、勝負を甘く見ていた」
ショパン「しかし、もうテーマソングは提出してしまいました。なので、審査委員たちにゴマをすり、審査基準を聞き出すことはいたしません」
シナメルド「汚いとか言ってられないぞ!! これからはもっと勝つためには、選ばれるためにはどうしたらいいか真剣に考えて行動しろ!!」
そして、、
霊界テーマソング選抜オーディションの結果はなんと「ラフマニノフ」が選ばれた。
ショパン「まさかラフマが選ばれるとは思わなかったよ」
ラフマニノフ「俺は今回のテーマが『明るさ』『意外性』だから、最初の『明るさ』の逆の『暗さ』を前面に押し出し、『意外性』を出したんだ」
ショパン「テーマの真の意味に気づいたからラフマは選ばれたのかな??」
ラフマニノフ「それは分からないな。俺の勝手な憶測だから。だが、審査委員に情報収集をしたくなかった。自分たちの力で結果を出したかった。シナメルドには甘いと怒られたがな」
ショパン「難しい条件のほうがゲーム性があって面白いし、燃えるよね」