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保土ヶ谷ゾンビ
ゾンビの目が覚めた時、そこは研究施設だった。
白を基調にした部屋で寝ていたベッドと簡易な机と椅子。
壁に埋め込められたディスプレイと部屋の四隅に監視カメラ。
トイレとシャワールームはあったがどちらもガラス張りで丸見えだった。
「映画で見たことがある」とゾンビは1人ここが研究施設であることを納得した。
ドアの近くに受話器があることを見つけ、ゾンビは通話してみた。
「もしもし……」
通じている様だが、相手は返事をしない。
「もしもし……」
「……あの、ここはどこですか?家に帰りたいのですが……」
相手は返事をしない。
再度「もしもし……」と問いかけたが返事が無いのでゾンビは時間が経ってからもう一度と
通話を諦め、ベッドに横になった。