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保土ヶ谷ゾンビ
「ねえ、何をやっているの?」と声をかけた。
一瞬、看護師の手が止まる。
分かっているが確認するかのように目が動き、2人の視線が合う。
そこからは大変だった。
悲鳴を上げ尻もちをつく看護師。
体を動かそうとしたが失敗し、ベッドから転がり落ちるゾンビ。
起き上がるのを手伝ってほしく床に這いながら手を伸ばすゾンビ。
腰が抜けたのか立ち上がれず後ずさる看護師。
嗚咽する看護師の足にゾンビの手が届きそうと言う時に、部屋の明かりが付き
ゾンビは天井の電灯の明るさで視界を失った。
また同時にチクッとした痛みと急激な眠気がゾンビの体を支配した。