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保土ヶ谷ゾンビ
横浜駅から数駅の保土ヶ谷区に住むゾンビの話。
「スーパーに行くか……」
缶コーヒーしかない冷蔵庫を開け、久しぶりに口を開き言葉を発した。
10年以上前のライブTシャツとハーフパンツに着替え、財布とエコバックを持ち家を出る。
猛暑の中、日陰を探す様にゆっくりと移動し駅前のスーパーに向かう。
自動ドアを通り「涼しい……」と聞こえるか聞こえないかの声でつぶやく。
青果、鮮魚、精肉と進み惣菜コーナーに着いた時には買い物かごはパンパン。
最後にアイスと缶コーヒーを買い物かごに詰め込み、列に並ぶ。
会話を最小限にする為、ポイントカードとクレジットカードを用意する。
店員の「ポイントカードはお持ちですか？」の問い合わせの前にポイントカードを提示し
「お会計は？」の時にはクレジットカードを機械に差し込む準備をしている。
最後に会釈をし人との関わりを終わりにして店を出る。
家に戻り、人との関わりを流す様にシャワーを浴びる。
「今日は何をするか……」
保土ヶ谷区に住むゾンビは今日の予定を1人全裸で考える。
