保土ヶ谷ゾンビ
ゾンビからの意外な問いにハッとし頭を触る。
慌ててネコ耳を取り外すのは恥ずかしく、いつも通りの口調で「趣味だ」と答える。
「そうですか、可愛いですね……」
「他には?」
「いえ……」と短い会話をし数秒の沈黙の後「では次回もお願いします……」とゾンビは部屋を出た。
ゾンビが部屋を出てドアが閉まると1人残った医師、ゾンビの担当医の猫谷梅子は顔を真っ赤にして机に伏せた。
ゾンビは1人、無人の受付へ向かうと犬山さん達は既に待っていた。
「おかえりぃ! どうだった?」
「もう終わりで良いですか?」と2人からの問いに「いつも通りです……終わりました」と答えると
「では帰りましょう」と犬塚さんが歩き出す。
また3時間のドライブか。と思いつつゾンビは施設を後にする。
帰りは食事無しのドライブだが2人は「何を食べるか」話し合っている。
1度どうして帰りは食事をしないのか?この送迎は大変では無いか?ゾンビは聞いてみた。
そもそも犬山さんの趣味はドライブで、自分の車を使用してこの送迎は楽しいらしい。
またゾンビを送り届けた後は2人は有給扱いになるらしく、そのまま旅行に行ったりもするらしい。
そんな会話を聞いていると今日はラーメンに決まった。
会話の中でゾンビの家とは反対方向の地名が出るが、もう2人の中では決定したようだ。
「若いな……」と思いつつゾンビはうつらうつらと寝てしまう。
犬山さんの「着いたよぉ!」の声でゾンビは起こされる。
目を覚ますと行きと同じ駐車場だった。
車から降りると助手席の犬塚さんが「では、また次回も遅れずに。」と声をかけてくる。
「はい、よろしくお願いします……」とゾンビが答える。
その声に被せるように犬山さんが「バイバイ!」と手を振り、車を発進させる。
彼女の頭の中はもうラーメン一色なんだろう。と思い遠ざかる車を見つつゾンビは自宅のある安アパートに向かう。




