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保土ヶ谷ゾンビ
横浜駅から数駅の保土ヶ谷区に住むゾンビの話。
ゾンビの朝は遅い。
元々、夜型人間だったがゾンビになり「ゾンビが早朝から動くのは変では無いか?」と疑問を持ってからは
世間が一仕事を終えた頃に起き出す。
登りきった太陽の光に反応するかの様にスマホのアラームが鳴る。
布団の中から手を伸ばし鳴り続けるスマホに探し出す。
アラームを止めてスマホに表示される日付を確認する。
「今日か……」
普段なら二度寝をするところだが、ゆっくりではあるがゾンビは布団から起き風呂に向かう。
眠気覚ましにシャワーを浴び、人と関わらない為に伸ばし放題だった無精ひげを剃り、身支度を整える。
冷蔵庫から缶コーヒーを取り出し一口飲み「そろそろか?」と思ったところで呼び鈴が鳴る。
「鍵は開いています、どうぞ……」と言い切る前にアパートのドアが勢いよく開けられる。




