特別階級の魔法使い~第三話~
先生が僕たちが並び終わらないうちに先に実技場というところに行ってしまったらしい。これってもしかしてクラスの団結力を調べているのか?先生が先に行ってしまうという…………。
??「実技担当だ。お前ら、並べ」
あ、そっか。担当とかいるのか。てっきりあの先生が実技の授業もやってくれるのかと思ったのだが……。っていうか、教科が一つしかないなら担任と担当教諭を分けるよりも一つの教科を教えられる担任を雇った方が効果的なのではないかと考えた。でもそんなこと考えたって仕方がないと考え、僕は周りに合わせて列に加わる。すると、誰かが僕の肩を叩く。
友達「あの、実技の授業って何するのかな?」
声をかけてきたのは僕の唯一の友達だった。な~んだ。陽キャが僕に声をかけてきて、お前みたいのが何でいるんだよ!みたいに言われてわからせるという展開かと思ったのに。はあ。やっぱり、真の陰キャは誰にも触れられないのか。で、実技の授業?そんなの指定魔法の段階ランクアップを狙った対人戦とかだろう。
「指定魔法の段階ランクアップを狙った対人戦とかじゃない?」
友達「ああ、確かにあるかもしれない。ちなみに君は何段階目?」
そう聞かれた時に、どう答えようか少し考える。何故なら、俺のランクはゴールドの6段階目だったからだ。これは、魔法使い駆除数トップ100の人でも珍しいほどだ。だからこいつが同じ学生なのに、と自分に自信が無くなって登校拒否とかになられると困るしな。あ、そうだ!ランクを隠して段階だけ言えばよいのか!こいつ、俺のランクをブルーだとか思ってるんだろうからな。
「6段階目の終盤だと思う」
友達「凄いじゃん!僕の10個下じゃん!シルバーランク?」
「は?」
一瞬、言葉が出なかった。え?シルバーランク?この年齢で?おかしくない?僕のせいで薄く見えるけど、鉱石の名前が入っているランクに入れる時点で相当鍛えてるって事が分かるんだけど、その中でも上位層がシルバーとかゴールドとかプラチナとか。ちなみにプラチナっていうランクは本来作られる予定がなかったんだけど、他のゴールドランクになった人を超越する指定魔法を持っていた人が居たせいで作られた。だからプラチナランクは今までで二人しかいないんだ。僕もなれるかな~。
友達「あ、そっか。何でもない!ブルーランクとか?」
「あ、ああ。うん。多分そうだと思う」
友達「突然ごめん、何でもない。あのさ、君はなんでこの学校に入学してきたの?」
「それは、そうだな。素質があると思ったからかな?」
友達「じゃあ、鉱石の名前が入っているランク帯になれるとよいね!」
あ、こいつ完全に調子に乗ってる。多分こいつ、シルバーランクで、僕のランクをブルーだと誤認したから見下しているのかな?
「うん。あ、前動いてる」
友達「実技場ってどんなところなんだろう?」
「分からないけど多分……」
『群れの特別階級魔法使いが校内に侵入してきました。実力のあるものは直ちに校門へ増援に向かってください!!!!!繰り返します!!!!群れの特別階級魔法使いが校内に侵入してきました。実力のある者は直ちに校門へ増援にに向かってください!!!!』
僕たちがリラックスをしながら会話をしていると、急にそんな事が校内放送で流れた。これに対して皆は結構驚いていた。まあ、それも無理はないと僕はそう思う事にした。
友達「俺、ちょっと行ってくる」
「俺も行くよ」
友達「いや、君は強い?」
「うん。もちろん。僕がなんでこの学校に入って来たか忘れたの?」
友達「ああ、そういえば素質があると言われたからだよね」
「いや、勝手にそう思ってるだけ。それよりも、速く校門に行こう!」
案外、僕たち以外はほとんどパニック状態になっていた。それこそ、高2の先輩も含めて。だからこそ、人員が足りないと思ったからこそ僕たちは魔法を足に装填し、窓から飛び降りる。そして装填しておいた魔力で風魔法を放つ。そうすることによって落下ダメージを無効化できる、という事を友達も知っているらしい。
友達「良い動きだね!この時代、体を鍛えない人が多いからね。3階から飛び降りても平気な人が今は少ないんだよな」
いや、知らなかったらしい。筋肉でごりおすな。そして、僕たちは筋肉で走る。そこで、校門に続く道を見つけた。だからそこの道に入り校門付近に行く。僕たちがそこで見たのは予想とは反して、一方的な戦いだった。それは、こちら側が有利という訳ではなく、戦況は魔法使い側に傾いていた。いや、傾きすぎていた。いち早く駆け付けた教師が2人しかいないのに、特別階級の魔法使いを約10体相手にしているのだから当たり前だといえば当たり前だ。
「先生、下がっててください!!」
先生1「え?新入生の子⁉危ないから下がってなさい!」
「良いから早く下がってください!僕の魔法、広範囲なんです!」
先生2「先生、ここは従いましょう。このまま戦っていても状況は悪くなるばかりです。ここは引きましょう」
先生1「分かりました。では、あの魔法使い達は殺さないようにしてくださいね?」
先生2「何言ってるんですか⁉そんな調節できないでしょう!っていうかそもそもあの新入生が強いとも決まった訳じゃ……!!」
なにやらごちゃごちゃ話し合っているがそんな時でも魔法使いの攻撃は止まらない。だけど、教師二人はどいたと。
友達「じゃあまずは先生を治癒しなきゃだね」
友達はそう言い、先生の傷を次々と直していった。まあ、そんなことはさておき、殺さない程度にって言ってたし、このくらいで勘弁してやるよ。僕はそう考え、そいつらに天罰を下した。するとそいつらのいた場所には『運が悪く』パニック状態の生徒が5回くらいから落としたのであろうバケツが落ちてきていた。しかもそのバケツは全員にあたり、しかも全員当たり所が悪かったみたいだ。
「おおっと、僕が何もせずとも自爆してくれましたね。じゃあこれで僕たちはこれで」
僕はこれで魔法使い達が動けなくなっているのを知っていたので、魔法使い達に背中を見せた。すると友達も背中を向けた。すると後ろから何やら声が聞こえるが、どうせどうやったのか?とかの質問だと思ったので僕と友達は無視している。すると突然、横に居た友達が居なくなった。それに気づいた僕は脊髄反射で後ろを向く。するとそこには。さっきの魔法使い達とは比べ物にならない程の禍々しい力を持った魔法使いが単独できた。まさか、さっきの魔法使い達はおとり……⁉
友達「お。。おおい!!はなせせ!離すんだ!!やめてくれ、離してくれ!!!!!!」
そう、叫び声が響き渡る。そしてその叫び替えが突然止まる。そして、さっきまで叫び声をあげていたであろう俺の友達は、そいつの右手の中に居る。でも、頭が見当たらないな。そこらへんに落ちてもいないしな。多分こいつの使う魔法は、触れたものを消滅させるとかそういう感じなのだろう。
「おいおい、勘弁してくれよ。俺も。こんなのには勝てない……。」
先生1「早く逃げなきゃ!!」
先生2「国からの増援をまとう!!逃げるぞ!!」
「な~んてね。こんなの、赤子の手をひねるのと変わりないですよ」
僕はそう言い、先生の反応を楽しむ。おおww。結構良い反応してくれてるな。目を真ん丸にしている。結局、この教員も弱いっていう事か。
「最強は、僕だ。詠唱。」
僕は小声で魔法の詠唱をし、そいつに向けてその魔法を放つとうとする。だけど、魔法使いは僕に話しかけてきた。