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その刹那景色に舞う

作者: 八神雅

__今年やり残したことはなんですか?と、アナウンサーが言った。

「そうですねぇ、僕は勉強不足だったかなぁ、、」

「もっといっぱい本を読んだらよかったなぁ」

「親孝行ですかね。」


今年やり残したこと。すぐにはパッと浮かばず、1人ベランダで悩んでいた。

「今年かぁ、…後1日だしなぁ。なんだろ」

大学受験に合格し、晴れて大学生にもなれた。親にも会えてるし、私にはやり残したことなんてないんだろう思う。

でも、小さいことならもっと楽しめばよかったとか、バイトしたらよかったとか、しょうもないことなら沢山あるのかもしれない。

12月30日。世の中は帰省ラッシュや、仕事納めなどで大忙しの中1人ベランダで火をつける。

空はもう青暗く染まり、月が顔を見せている。なんて思っていると煙はすぅっと消えていってしまっていた。

煙草を灰皿に押し付け、ベランダの手すりに寄りかかる。

マンションの6階。冷たい風が私の体を通り抜け、部屋へと流れる。レースのカーテンは静かに揺れ、机に置いてあった書類類も部屋を舞っている。

いつもなら「寒い」とすぐにドアを閉めてしまうが、今日はまだこの景色を見ていたい気分。


2022年、やり残したことはある?

どこかの誰かが誰かに言った。


『やり残した事は』



"今生にさよならを言うこと"


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