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第1話 ラビット族とウサギのお守り

 「―それで、経緯は大体分かった。しばらく集落で過ごしても良いが、儂らは自然を愛し、土と共に生きる種族。強欲な人とは相容れぬことまずは理解下され」


 「寛大な処置、ありがとうございました」


 助かった、長老に誠意を込めてこれまでの経緯を説明したところ滞在の許可を貰えた。


 「タダで集落の居候も悪いので何かお手伝いがしたいのですが…」


 「短弓を持っているしミーファ、ミーティアと共にホロロ鳥の狩りはどうじゃ?ホロロ鳥は魔物だが弱くこの周辺に湧き場がある。2人に案内してもらうのだ」


 レベルアップのチャンス、これは是非参加せねば。


 「喜んでお供致します」


 「それからこのお守りを持っていけ。ウサギのお守りで魔石を落とさなくなる」


 魔石は神様の話では売れるのらしいが…人間の話で無欲なラビット族には関係ないのか。金も稼ぎたかったが、郷に入っては郷に従うべきか。


 「分かりました」


 「言い忘れておった。そのお守りは魔石の代わりにアイテムドロップ率が2倍になるぞ」


 「ウサギのお守りは、ミーファとミーティアも持っているのでしょうか?」


 「もちろん、儂らに魔石は必要無い。ホロロ鳥の羽と肉、種で十分」


 チートアイテム出ました。ヤバい、3人がお守りを装備したのなら2の3乗、素材、アイテムドロップ率8倍じゃないか…。


 2人に案内されて森を歩き狩場に着いた。


 「ここでホロロ鳥は湧きます」

 

 息を潜めしばらく待つと黒い瘴気が段々と濃くなり一体の鳥の魔物が誕生した。


 「今です!」


  弓を構えたミーファが矢を放ち魔物ホロロ鳥討伐した。


 「今のがホロロ鳥を倒すコツです。飛ばれると面倒なので」


 「ありがとう。俺もやってみるよ」


 じっと待つと黒い瘴気が濃くなってゆく。


 瘴気が濃くなり、今!弓をギィーっと引き絞り矢を放つと見事に突き刺さった。

 

 「やったぞ!」


◇◇◇◇◇


弓で魔物討伐を確認、

スキル弓技を覚えた。


◇◇◇◇◇


 突然ステータス画面が表示された。


 なるほど魔物を討伐で弓技も覚えたか、これならどんどんやれるぞ。

 3人交代でホロロ鳥を狩り続けているが、7匹目を討伐した後に種を落とした。


 「今日は早かったね」


 「その種は?」


 「ホロロ鳥の種です。持って帰りますが、味気無くて長老のお酒のお摘みになるの。アレスさん、よかったらどうですか?」


 クルミみたいだけど…物は試しだ。一気に口に入れ齧るが味気無い。食べ終えると、


◇◇◇◇◇


スキルポイント1ポイント上昇しました


◇◇◇◇◇


 ステータス画面が反応している…えー!?どういうこと!?まさかあの種、スキルの種!


 「あの種、いつもどれくらい拾える?」


 「50匹狩って大体2~3個です。今日はアレスさんもいるので早かったのかな」


 ホロロ鳥落としすぎだろ。これ、世界のスキルシステム壊れるよ。いや、ウサギのお守り効果がチート過ぎるのか。


 「お守り以外でドロップ率上げる装備もあるの?」


 「ウサギの尻尾とウサ耳で、どちらも2倍上昇です」


 まだあるのか…尻尾と耳のあるラビット族はお守り無しでも4倍のドロップ率。ということは、今の俺達2の7乗、128倍ドロップ率アップしていることになる。もしや俺もウサギの尻尾とウサ耳装備したら更に4倍上昇で512倍になるのか。


 「ウサ耳と尻尾持っていますけど…アレスさんも付けてみます?」


 「付けます、付けます、スキル種ガンガン落とさせましょう!」


 「ふふ、可愛いウサアレスです。アレスさん似合っていますよ」


 ウサギセットを装備した俺はもうヤケクソでホロロ鳥を狩り続けた。ラビット族の掟は50匹以上狩らないらしい。ただ512倍のドロップ率は凄まじく、あれからスキルの種を22個落としテンション上がりまくりだった。


 確率でいえばおそらくホロロ鳥のドロップ率は1000分の1じゃないか。長老には2個渡せば良いだろう。俺は夢中で20個の種を食べ尽くした。


◇◇◇◇◇


スキルポイント20ポイント上昇しました


◇◇◇◇◇


これから凄いことになるぞと感激し、そのままステータス画面を開く。


◇◇◇◇◇


アレス 17歳 レベル 2

HP :   30 →34

MP :   2 → 4

力  :  8 →10

素早さ:  6 → 8

魔力 :  2 → 3

幸運 :  2 → 3

身の守り: 6 → 7

スキル : 剣技 0/100 弓技0/100 気配術 10/50 

常時気配感知1 常時隠蔽1

残りスキルポイント 22


◇◇◇◇◇

 

 レベルアップでステータスの上昇とスキルポイント1を得たが、スキルの種凄すぎでしょ…。

スキルポイントを迷わず弓技に全振りすると弓技(22/100)弓戦士になり、弓装備時攻撃力+10、命中率、飛距離10%UP、連射(常時発動)が出来るようになった。


「よーし!」


全身で喜びを噛み締める。その後集落に帰り、狩ったホロロ鳥を捌く、森を散策して野草集めや羽細工のお手伝いと1日忙しく動き回った。


 「ラビット族の生活どうであった?」


 その日の終わりに長老が俺に質問を投げかける。


 「興味深い一日でした。明日も狩りに行って宜しいでしょうか?」


 「掟を守れば儂らは咎めぬ。2人と遊んでやってくれ」


 「それからあの種ですが私達人間にはもの凄く効果ある物です」


 「知っとるよ、ラビット族の儂らにはスキルの種の効果は無い。種がいるなら好きなだけ食べればよい。言い忘れておったがウサギのお守りで得たものは売り捌くと大いなる災いを受けることになる」


 「ありがたく種を頂きます。……さらっと言いましたがお守りが一転し災いですか!?」


 「自然を愛する我等にお金は不要。金儲けをしようと売り捌き災いを受けると魔物を倒しても経験値、魔石、素材、アイテムが二度とドロップしなくなる」


 長老大事なこと先に言って下さいよ、此畜生!拙い、既にウサギのお守りの恩恵を受けた俺はこの先、ドロップ素材やアイテムを売れないってことか。チート装備かと思っていたが呪いの装備だぞ…。


 災いに怯える俺をラビット族は、好物のホロロ鳥と野草の塩コショウ炒めを作り、その日の晩は盛大に振舞われた。


※※※※※


 それから毎日ウサギセットを装備してヤケクソでホロロ鳥を狩り、無心でスキルの種を食べ続ける生活を送った。11日目、ステータス画面の全てのスキルがカンストし振れなくなった。


◇◇◇◇◇

アレス 17歳 レベル 5

HP :  34 → 50

MP :  4 →  10

力  : 10 → 16

素早さ:  8 → 14

魔力 :  3 →  6

幸運 :  3 →  6

身の守り: 7 → 10

スキル : 剣技 100/100 弓技100/100 気配術 50/50 

常時気配感知2 常時隠蔽2  鑑定感知

残りスキルポイント 3

◇◇◇◇◇


◇◇◇◇◇

剣聖 剣神の加護

剣装備時攻撃力+50 回避率、クリティカル率大幅アップ

◇◇◇◇◇


◇◇◇◇◇

弓聖 アルテミスの加護

弓装備時攻撃力+50 命中率、飛距離 50%UP

◇◇◇◇◇


剣技、弓技が100になり、剣聖と弓聖の称号を貰ったが加護がヤバい…。数々の剣技や弓技を覚えたが、目立つ攻撃スキルがチート過ぎる…ただレベルが低いのでMPが少ない為1回しか使えない。


◇◇◇◇◇

剣王の舞 消費MP8

剣装備時1体を何度も切りつける剣の奥義

◇◇◇◇◇


◇◇◇◇◇

乱れ打ち 消費MP6

弓装備時無差別に6本矢を連射する弓の奥義

◇◇◇◇◇


気配術50になったがステータス画面に、


◇◇◇◇◇

気配の達人

レベル30以上の職業で解放される

◇◇◇◇◇


と表示されている。気配感知や隠蔽も2なのでレベル30まで来れば新たなスキルが解放され、上級スキルになるのだろうか?



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