歪な顔
歪な顔
ファミレスを追い出された僕たち2人は近くの喫茶店に懲りずに乗り込んだ。
「進ちゃんが悪いんですよ、あんな大声出すからぁ」
まぁ、こんな子供の嘘にと言うか、紛らわしいツッコミをされでかい声を出したのは僕だった。それも、ただむきになったからだ。
「お前いつまでその呼び方で通す気だ?」
「未来永劫だじぇ!」
だじぇ?聞き間違いだろうか?今こいつだじぇって言った?
「今のはスルーだ、本題に入るぞ」
「えっ?今のどこにスルーする箇所があったのでしょうか?詳細な説明を述べてください」
「今のもスルーだ、本題のその顔について聞きたいんだが」
「まぁ、後でじっくり聞きますねっ」
そんな笑顔で言われても、全然うれしくない。
「それにしても、私のこのかわいいロリ顔が気に入ったんですか?進ちゃん」
「自分で何の躊躇もなくロリ顔なんて言ってんじゃねぇ!!何かそう見えなくもなくなってくるだろ!いやそれよりそんな馬鹿げた話じゃなくてもっと深刻なものだ!」
「と言うことは、進ちゃんもロリ顔だと思って接してくれるんですか」
またも綺麗なくらい純粋な笑顔だった。埃ひとつ付いていないような、ついてはいないのだが。
「僕はロリ顔との接し方なんてわかんねぇよ!そんなことよりも僕にそんな趣味は無い!」
と言うか、接し方って?と言うか『進ちゃんも』、て言ったか?他に誰がそんな奇妙な接し方をしてんだよ!
心の中での精一杯の叫びだった。
そんな時、僕らの近くに誰かが近づいてきた、それに複数の視線も感じる。まずい、直感でそう思った。そしてそれは僕たちの座っているテーブルで止まった、勇気を出して僕はそいつらを見た、そこにいたのは・・・
「周りのお客様に迷惑ですのでそのような卑猥な言動をやめ、即刻当店からお引取り願います」
店員だった、そしてまたしてもレッドカードを出されてしまった。本日2件目。しかも今度は、店長らしき人に、ランクアップしていた。
「今度はどこで強制退場くらいましょうか?」
また黯がムカツク発言をした。
「勝手に食らってろ、何か馬鹿馬鹿しくなったから僕はお前を助けない」
勝手なのは僕だった、勝手に黒を助け、勝手に黯を見捨てた。
「それも嫌なので、この顔について真剣に話しましょうか?」
「あぁ、そうしてくれ」