プロローグ
こんなくだらないやり取りを見ていただきありがとうございます。
プロローグ
「私の名前は伊瀬南 黯世の中の酸いも甘いも噛み分けた立派な立派な子供です。子供と書いて大人です。エッヘン」
そんな声が聞こえた。まだ大人と子供の微妙な境にいることは見て分かったし、声もそれほど大人びてはいない子供の声だ。まぁ、全てそれは僕の主観だが、これだけは誰もが疑問だったろう、『世の中の酸いも甘いも噛み分けた』突っ込んでも良いだろうか、酸いも甘いも噛み分けるだけお前は成熟した頭も体もしてないだろう!、と僕の人生で初めての、と言っても心の中だけの突っ込みセンスは良いのか、突っ込みは成功なのか失敗なのか突っ込みをしたことの無い僕にはまるで分からなかった。がこれからはこんなことが頻繁に起こるような気がして僕は内心ウンザリだった。僕に、平穏は許されないのかと思ってしまうほどのハードスケジュールが僕、扇 進来には詰まっていた。詰まらせられていた。ん?・・・・・・・すいません、日本語が訳分からなくなりました。まぁともあれ、言わずとも分かることだが今日僕はこいつと知り合った。伊瀬南 黯、僕はこんなとても暗そうな名前の、見た目高1女子を助けてしまった。助けなければ良かったと思う自分が7割まぁ後の3割はただの自己満足だった。
「それで、私を助けてくれるって本当ですか?進ちゃん」
「待て待て、僕はいつからそんな親しげな呼び方をされるようになったんだ?」
「私に名前を教えてしまった時からです」
「僕はお前に名前を教えてはいけなかったのか!?」
「はい、別に教えて欲しいとは頼んでいませんし」
こいつは、初対面のくせに言いたい放題傷つくこと言いやがる。
「あぁ、間違えたホントは僕の名前、 God's chilrdrenって言うんだった」
仕返しに人生初めてボケてみた。
「そうなんですか、でもchilrdrenのrはいりませんよ、とはいえこの名前からすると外人さんだったんですね」
撃沈、訂正された上に納得されてしまった。馬鹿なのかどうか全然分からん、素直に謝るか。
「悪い、嘘でした」
「あぁ、そうなんですか、何か進ちゃんの言うことは信用したくなっちゃいます」
何で僕こんなに信用されてんだ?もしかして遊ばれてる??
「お前、そんなに人を安易に信用するなよ」
「勝手に人を何の見返りも無く助ける偽善者にそんなこと言われたくねぇよ!!」
・・・・・・・えっ?この子早くもキャラ崩壊か?
「いやそれはそうだけど」
偽善者・・・それは否めなかった。確かに僕は偽善者なのかもしれない。
「でもあのままだったらお前は死んでたんだぞ!死んでも良かったのかよ!」
「何を熱く語られてるんですか?今のは私なりの突っ込みですよ」
爽やかな笑顔で言われた。あんな紛らわしい突込みを聞いたのは人類初だったろう。小学生でももっとましな突込みを用意してることだろうに。
「はっきり言って、お前絡みにくいよ!」
そんなことを、大声を張り上げファミレスを強制退場させられたのは言うまでも無かった。