エピローグ~入学式~
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本作最終話です。
「あぁぁ、腰が痛かった」
学園長の長い長~い、20分を超えるスピーチを含めた入学式が終わり、大講堂から出たクロスは、凝った体をほぐすために大きく伸びをした。
「お、クロス・ソリテアー男爵じゃないっすか~」
ピラットが楽しそうにクロスへ声をかけてくる。
「あー、こりゃどうも、ディヴァイアス"伯爵"家のピラット嬢、ご機嫌麗しゅう」
いい加減な仕草で華族の礼を取るクロス。
卒業記念パーティーの事件後、シャニシシャラ公爵家に対し治安省の捜査が入った。
結果、シャニシシャラ公爵家は長年にわたり"虚空"に牛耳られており、シャニシシャラ公爵家は500年前の皇国建国以降、常に"虚空"の傀儡であったと結論された。
操られていたとはいえ、現シャニシシャラ公爵家も無罪放免とはいかず、二段階降爵で"伯爵"となり、領地の一部は皇国へと返還され、皇家の直轄地となった。
その直轄地となった場所には、"虚空"が"魔獣"の研究をしていたと考えられる施設も含まれ、研究内容や"鉄機獣を発射していた装置"なども、全て国に接収された。
"虚空"による騒乱を鎮めた褒賞として、クロスは叙爵を受け男爵となった。
なお、クロスとして非常に解せないのは、ピラットも同じく褒賞を受け、ディヴァイアス子爵家が"伯爵"に陞爵となったことだ。
この褒賞に対してのピラットのコメントは、「いやぁ、やっぱり見てる人は見てるっすね!」とのことで、危うくクロス男爵の最初の行いが"伯爵令嬢殺し"になるところであった。
クロスは爵位を得たことで華族となったが、これまでド平民であったクロスは華族としての様々を学ぶ必要があるとのことで、新年度から学園の1年生として入学したのだ。
「入学おめでとうっす! クロス男爵、後輩っすね。ピラット先輩って呼んでいいっすよ!」
死体が残らなきゃ殺人にならないよな、重力刃ならコイツ粉々にできるかな、などとクロスが完全犯罪を計画しているところへ、ヴィラが現れる。
「ソリテアー男爵、入学おめでとう」
ヴィラはこれまでの固い雰囲気が少し減り、柔らかな笑みでクロスに祝いの言葉をかけた。
結局、レクスリーとヴィラの婚約破棄は成立し、二人は婚約者ではなくなった。レクスリーはアトラを婚約者にすべく追いかけまわしているのだが、アトラは逃げ回っている。
ヴィラは「婚約を破棄されるような令嬢は、なかなか貰い手が無い」と本人は言っているが、ラクティ曰く「自分には先約がある」といって断っているとのことだった。
「ありがとうございます、ヴィライナ様」
ヴィラに対しては、クロスはしっかりと腰を折り頭を下げた。
頭を下げたクロスの耳元へ、ヴィラが口を寄せる。
ふわりとヴィラの匂いが香る。先日抱き寄せたことを思い出してしまい、クロスは顔に火照りを覚える。
「迎えに来てくれるんでしょ? 待ってるから」
ヴィラはそれだけ耳打ちすると、踵を返し去っていく。
横では、ピラットがニヤニヤとクロスを見ていた。
「なんだよ」
「公爵令嬢を娶るなら、もうちっと出世が要るっすね~」
面白そうに茶化すピラットに、スミシーまで乗っかる。
『俺たちの戦いは、まだまだこれからだーってか?』
(打ち切りみたいな言い方すんなよ)
こうして、終末エンドは無事回避され、"ラブレス・オブリージュ"は、ハッピーエンドを迎えた。
その後、クロスがヴィライナを娶るまでには、さまざまな試練が訪れるのだが、それはまた別の話……っす。
「いい感じのナレーション風に、不吉なフラグ立てるな!」
ここまで御覧いただき、ありがとうございます。
これにて、クロスとヴィライナ(とピラット?)の物語は完結です。
ピラットさんあたりは、まだまだ暴れたりないようですが、これ以上アイツの好きなようにさせると、どんどん話が発散するので、このくらいで……。
また、次回作などございましたら、その時にお会いできたら、と思います。
あ、最後なんで、とりあえず書いときます。
ブラウザ閉じる前に、下にある☆に色を付けておくと、何かと具合がいいらしいですよ。
いや、何とは言いませんけど。




