暗殺者、暗殺される
新連載です。
「おい・・・なぜここに、お前がいる?誰に雇われた?俺の護衛はどうした?」
「おしゃべりは、嫌いだ」
俺は、音すらもださず近づく。
「まってくれ・・・ほんとにまって・・・金・・・そうだ。金だ。依頼主の三倍、いや五倍は出す。だから私の命は、とらないでくれ。」
俺は、わざと最後まで言わせてから持っているナイフでそいつの、喉をきった。そいつは膝から前に崩れ落ちた。血の海がほんの数秒で、できる。
だから、付近は、血の生臭いにおいが漂う。
さて、依頼は、ここまでだ。あとは、依頼主が勝手に処理をしてくれるらしい。
「依頼達成だ。あとの報告頼むぞ」
俺は、スマホで情報屋に連絡をいれた。
俺は、一般人が俗にいう「暗殺者」だ。
この仕事は、誇れる仕事じゃない。暗殺者という仕事の多くは、汚れ仕事だ。
汚職政治家の暗殺、復讐相手への拷問、上の役職のただの娯楽、など色々だ。
俺は、物心ついたころから人を殺す術。「暗術」を教え込まれた。
家族はいない。名前もない。俺は、組織によって育てられた。
組織とは、この国の暗殺集団のことで、依頼という仕事を請け負う大きな会社のようなものだ。
社会の闇だ。
もう俺は、気づけば組織内では、暗術を教える、上の立場になっていた。
ナイフ、銃、刀、なた、弓、槍、鞭、斧、ヌンチャク、鉄拳、手裏剣、スタンガン、トンファー、鎌、などの暗器は、完璧といっていいほどに使える。
これは、俺が暗殺に必要だと考え自ら、学んだ。
だが、まだまだ俺は、強くなれる。そう思っている。
依頼達成後、俺は服を着替え、次の依頼のところへ向かった。
今月、最後の依頼だ。
確か、郊外の廃ビルだったか、
ターゲットは、一人、
護衛は、八人らしい。
情報が少なく不透明だ。
依頼主に情報提供を求めても、無理らしい。
そのため今回は、組織から俺以外に腕のたつ、四人後輩が配属された。
前に俺が「暗術」を教えた後輩たちだ。
これで最悪の事態は、避けられるだろう。
それでも油断は、危険だ。だから暗器は、動きを邪魔しない程度の使い慣れているナイフ、小銃などを持っていこう。
廃ビルに着くと異様な雰囲気があった。不気味だ。人の気配が全くない。ターゲットは、ここにいるのだろうか?
「お前たちは、ツーマンセルで動け。何かあったらトランシーバーで位置と何が起こったかを伝えろ。わかったな」
「はい」
何だろう。こいつらにも違和感がある。
会話をしていて、不審な動きというか、何というか、
本能的に、「背中を任せられない」と思っている自分がいる。
廃ビルの中に入ると、砂ぼこりのようなものがちらちらと見えた。
一階、二階、と、虱潰しでしらべた。が、ターゲットはいない。
三階にいくと何か大きな扉を見つけた。
中から微かに、音がする。
いるとしたら、ここか。
「おい。全員聞こえてるか。ターゲットがいると思われる部屋を発見。銃撃戦も考えられる。念のため、一旦お前らは、その場で待機しろ。」
「了解。だけど、五分経って、連絡がなかったら行動します。いいですね」
「了解した」
こんな、会話が少し不安をいだかせる。
扉をピッキングして、小銃を構えて、開いた。
なんだこれ、
俺の目の前には、信じられない光景が広がっていた。
死体の山が既にできている。しかもその上にスマホがある。
なんだ・・・
その瞬間、後ろから銃声がした。
「まじですか(笑)今の避けますか」
俺は、とっさに部屋の壁に張り付いた。だが肩と手のひらと肺のあたりを撃たれた。
この声は・・・
「おい、誰の差し金だ。組織への裏切りか」
俺は、声を出した。
あの四人のやつらか。
「先輩、そろそろ世代交代ですよ(笑)あと、組織への裏切りなんかじゃないですよ。組織からの依頼なんですよ(笑)先輩は、強くなりすぎたんです。先輩一人で組織の脅威なりかねません。だから私たちで処理するんです。もちろん、ツーマンセルで(笑)先輩は、おしゃべりが嫌いでしたっけ?」
コンクリートの壁越しで銃弾を撃ってくる。
「厳しいな」
窓から出ることもできるがここは、三階だ。しかも違う廃ビルからの狙撃が見える。
銃撃戦は、この怪我で無理だ。
流血がひどい。意識が朦朧としてきた。
急所は、避けたものの致命傷だな。
哀れだ。
過信しすぎたんだ。自分の力を。そして、甘く見ていた。仲間を。組織を。
「油断したな俺」
この言葉で、スッと力が抜け、銃声という騒音が、聞こえなくなった。
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