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魔法学園と鬼氣使い(ヤンキー)  作者: みっしゅう
第1章『全てはここから始まった! 最強の日本人ヤンキー 異世界の魔法学園に転移!』
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第07話『コウの部屋に』

 ヒロトはコウの部屋のドアをノックした。

「コウ、ヒロトだ。いるかー?」

「ちょっと待ってろー。俺も呼びにいくつもりだった」

 中に入れてもらうと、コウだけではなくキサクもいる。制服からラフなジャージに着替きがえているらしい。

「どうしたんだヒロト」

「いや、俺の部屋が別のやつと同じになってて」

「え?何でそんなことが…──で、誰と一緒なんだ?」

「ラビットとかいうお嬢様じょうさまだ。生憎あいにく、シャワー中に押しかけて大いにうらみを買った」

 コウとキサクは、驚きに目を見合わせた。

「いやヒロト、ムーン家の嬢さんのハダカなんて見たら大問題やろ!」

「そうだぞヒロト!何てうらやm──けしからん事を!」

「今、なんと言った!」

 何やら口をすべらせたコウにキサクが食い付く。

 だがヒロトは、いつかの少女も言っていた『ムーン家』という言葉が何を意味するか、さっぱりわからなかった。


「なあ、ムーン家って何だ?」

 二人はそういうヒロトをめずらしそうに見る。

「ムーン家を知らんって…結構けっこう世間せけん知らずやな…」

「エリート魔術師を代々だいだい配属してきた、世界で4番目に有名な家名かめいなんだぞ」

「…うーん。この世界に来たばかりだから、聞いたことねえな…」

「「この世界…?」」

「いや、忘れてくれ」

 ヒロトは前言撤回てっかいしつつ、ゆかに寝転んだ。

「…ったく、何で俺はこんな学校に…」

 ヒロトはため息をついた。

「え?入りたくて来たんやないん?」

「…生憎な。二人はどういう目的でここに?」

 まずはキサクが答え、次にコウが答える。

「うちも目的はあってな…」

「俺もだ」

 ヒロトにはわからないことが多すぎたが、聞けば聞くほどキリがないと自重した。


「大体、ここはどういうやつなら来れるんだ?」

「そりゃあ、魔法さえ使えりゃあ誰でも来れるだろ」

 ヒロトはコウのその答えに、肩を大きくふるわせコウに顔を近付けた。

「い…今何つったよ!?」

「え!誰でも来れるだろうって…」

「その前だよ!」

「魔法さえ使えりゃ──」

 そこまで聞いて、ヒロトは大声をあげた。

「俺、魔法使えねえんだよぉおおおッ!!」

「「はぁああーっ!?」」

 信じられないという様子に、二人は驚いた。マンガならきっと目が飛び出るだろう。


「変じゃねえか!?お前のやってることは、男子が女子便所に入ってるみたいなことなんだぞ!」

たとえが生々しいんだよ!」

 二人がやり取りをするなか、キサクがヒロトにいう。

「光なら出せるやろ?ほら、指先ゆびさきにピって」

 キサクが魔法を実践じっせんしてみせる。指先に小さく光がとぉされた。

 ヒロトも試してみる。指先に意識を集中させ、うめきながらりきんだ。

「ぐっ…──うぉおおおーっ!!」

 ヒロトの様子に、二人は「もしかしたら…」と注目する。

 すると、ついに何かが出た。

「はぁああーっ!!」

 ──ブッ

 その場の二人は、鼻をつまんでズコーッとたおれた。


※夕食へ


 夕食のバイキングコースを食べるヒロトを見て、コウとキサクら10組は言葉をうしなった。

「ど…どんだけ食うんだお前」

 恐ろしく盛られたキャベツのクリームパスタ、シーフードパエリア、丸焼きチキン。

 ギャル◯根も驚愕するほどの食いっぷりに、コウは困惑して声をらした。少食なキサクは、すでに開いた口がふさがらない様子だった。

「ヒロトめぇー!負けてられんぞ!」

 自己紹介の一件のこともあってか、マーニはなぜか対抗心たいこうしんやしてパエリアをかきこんだ。

 サルマは何やらいやな予感がしたが、それはぴったりと的中てきちゅうし、彼女はのどにパエリアをまらせてしまった。

「んんーっ!んんーっ!」

「マーニ!水やっ!」

 キサクから水を受け取って、マーニはようやく落ち着いた。

 一方、アシュはつつましくパスタを口にはこんでいた。

 落ち着いたマーニは、周囲をみて言った。

「そう言えば、先生は?」



 一方、097号室では──

 ガチャ…ガチャガチャガチャガチャ

 ラビットは食事に向かうときでさえ、厳重げんじゅうにも部屋のかぎを閉めていた。

 だが、そのかぎを開けようとするものがいた。

「ちっ…」

 きょうめたのか、それは舌打ちをしてドアをはなれた。

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