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魔法学園と鬼氣使い(ヤンキー)  作者: みっしゅう
第1章『全てはここから始まった! 最強の日本人ヤンキー 異世界の魔法学園に転移!』
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第06話『アクシデント』

 ヒロトは、目の前のラビットになんと言えばいいか、かんがえに考えていた。

 ラビットはふくて、目の前のヒロトをキッとみ付けていた。

 ここで説得せっとくに失敗すれば、ヒロトの今後の名声めいせいはなきものとなる。


 ヒロトは落ち着いて、まずは自分のポケットにあるキーを見せた。

「まず言っておくが、俺はこの部屋のキーをもらった身なんだ。文句を言われる筋合すじあいは一切いっさいない。管理のミスなんだろ」

 ラビットはその睨みをいて質問した。

「なぜシャワーを?」

あせを流したかったんだ」

「…つまり、わたくしへの如何いかがわしい行為をはたらくつもりはなかったと」

「当たり前だろ」

 ラビットは納得なっとくしたようで、ヒロトも胸をろす。


「──見たんですか」

「え?」

 ラビットの質問に、ヒロトはポカンとする。

「わたくしの…ハダカを見たんですかと聞いているんです」

 頬を染めてつつましく説明するラビット。

 当然、ヒロトは彼女のハダカをあますことなく目にした。

「…まあ、見た」

「…」

 落ち込んだ様子のラビットに、なんとも言えずヒロトは頭をかいた。


 そこで、ヒロトは精一杯のフォローをかける。

「…まあ、俺はどうでもよかったけどな」

「…?」

「言ってペッタンコだったし。ほぼ見てないと言ってもいいくらいで──」

「…ッ!」


 ラビットの表情が豹変ひょうへんする。

「…言い残すことはありませんね」

 そう言って彼女は、ヒロトに手をかざした。

「…え」

「インパクトッ!!」

 ラビットがそうさけぶとともに、彼女の手に集中した透明とうめいなエネルギーが爆発ばくはつし、ヒロトを吹き飛ばした。

「おわァーっ!!」

 ヒロトはその強い衝撃しょうげきに押され廊下ろうかまでぶっ飛ばされた。

 それをいいことにラビットは、ドアをバァン!とかぎをかけた。


「おい女ァ!何しやがる!」

 倒れたところから体制を立て直して、閉め出されたドアをバンバンと叩く。ヒロトのパワーによって、ドアは叩かれるたびに恐ろしい音を立てていた。彼がナマハゲなら子供はもうイタズラはしなくなるだろう。

「おらァ!!開けろアマァ!!」

「イヤですよ!というか、どうして今のを受けてピンピンしてるんですか!」

 ラビットはあせりながらドアを押さえていた。

「開けたら何をするんですか!」

「男女平等主義で有名な俺だが、今回だけは特別に雪崩なだれ奈落ならく落とし40回だけで許してやるよ!開けろぉーッ!」

「絶対にイヤですッ!!」


 ヒロトはなぜこうも必死なのか──その理由は他でもなく、この部屋以外にまれる場所がないからである。

 廊下ろうかわたる生徒たちはその様子を見て、注意より先に逃げるのが早かった。おそらくそれが、何よりも賢明けんめい判断はんだんだったろう。


「──くそっ…」

 ヒロトはドアを叩くのをあきらめ、コウのところに向かう。きっと泊めてくれるだろう。

 ラビットは命拾いしたようにほっと一息ついた。

 ヒロトはその部屋に背を向け、おびえるような廊下の一同のあいだを何食わぬかおで通りけていった。

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