表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法学園と鬼氣使い(ヤンキー)  作者: みっしゅう
第1章『全てはここから始まった! 最強の日本人ヤンキー 異世界の魔法学園に転移!』
63/96

第62話『ヒロトからの魔力』

「今頃、ヒロトくんは魔法の才能の開花に気づいているだろうね☆」

 職員会議に場面は転化され、リズレはそう言う。

「医師によれば、鬼神のオーラの無くなった彼からは、魔力の反応があったらしくてね。カリン君には伝えておいたので、それを彼女がヒロト君に伝えて、今頃彼は驚いてるだろう」

 そこにいる、リズレを除く一同は驚く。

 そして、解消されない疑問に頭を悩ますのだった。

「とは言っても、どうして急に…」

 ミラードは腕を組み、熟考する。

「以前学園長は、弥上ヒロトは魔法の無い世界で生まれ育った人間だと…」

「もし仮にそれが本当だとして、それはクレアさんとも同じ事象だと考えられるが…」

 ワンターマがそう呟くと、シキヤズもそう応答した。

 そして、それに不機嫌そうな顔をする者が一人。

 一同の視線が()に集まる。

「…チッ」

 一人不機嫌そうな彼──テンカは、舌打ちをして目を閉じるのだった。

「弥上ヒロト…っつたかソイツ」

「…気になるのかい?」

「ああ…俺にとっては、気になって仕方がねぇんだよ…」



「これは…魔力の反応だってのか…」

 ヒロトは、驚きを堪えながらカリンに質問する。

「ええ…間違いなく、あなたから感知された魔力ですよ」

「なぜ…今頃になってこんなことが…」

 ヒロトは脳漿を絞って考える。

 だが、そんなヒロトにも真っ先に嬉しそうに言うのが、クレアであった。


「でも良かったですね!ヒロト君!」

「えっ?」

「魔力の反応があったってことは、魔法が使えるってことですよっ?」

「…!確かにそうだ…」

 ヒロトはそれに頷く。

 そして、その現象に目を見張る者がいた。

「…緑色の発光ですか」

 ラビットである。

「すごいのか!緑色は」

「ええ、魔力の素質でなら、15段階で上から10のクラスです!」

「お前は何色?」

「薄紫です」

「どれくらいのクラスだ?」

「上から6番目です」

「俺よりすげえ優秀じゃねえかイヤミかお前」

「急にキレないでくださいよ…──といっても、魔力の素質は一応上げれますから安心してください」

「おお!」

 ヒロトの表情に期待が現れる。

「半年くらいきっちり修行すれば、一つ上の黄緑に通達するはずですよ」

「…」

 …浅はかな期待だったようだ。


「私ら生徒会も全くわからんことや」

 メイプルもそう言うが、ヒロトは笑って言う。

「…まあいい。これから魔法の才能を極めれば、オーラに取って代えられるしな」

「…確かにそうやが…」

 メイプルがそう言いかけ、ヒロトはそこで少し眉根をひそめる。

「お前と極めてきたオーラを失うってのは…当然イヤだけどさ…それでも、いつかは力は戻るって信じてんだよ」

「ヒロト…」

 メイプルは、そこで初めてヒロトに少し穏やかな笑みを見せた。

「その間は、俺の魔法のコーチになってくれや」

「もちろんや。鬼神のオーラの扱いがうまくできるんやから、きっと大丈夫やで」

 珍しく優しいメイプルを意外に思いつつ、ヒロトはここにいる一同とともに、魔法の修行に励むのだった。


※コウの部屋にて…


「「「…」」」

「?」

 コウ、キサク、マーニ、サルマ、アシュは、一人どこか浮いている様子のバーギラを見ていた。

「えっと…名前は何ていうんや?」

「バーギラ」

 マーニの質問に、バーギラは答える。

「何で、この学園に?」

「わからない…」

「魔法の才能は…?」

「わからない…」

「「「なんなんだ…」」」

 まるで生まれたての子供のような少女に、一同は首を傾げて顔を合わせあった。


「好きなことはあるの?」

 サルマの質問に、バーギラははじめてちゃんとした返答をする。

「…たたかうこと」

「「戦う…?」」

 不思議そうなキサクとアシュは、顔を見合わせた。

 アシュはさらに質問する。

「どんなヤツと?」

「…魔物」

「「「!」」」

 一同は驚く。

 こんなに穏やかな少女が魔物と戦うなど、想像もできない。

「ヒロトが連れている女の子とはわかってたけど、お前まじでヒロトみたいだな」

「ヒロトはおんじん…ラビットも…」

「ラビットさんとも関係もってたのかーっ」

 コウはでこを押さえ驚く。


「そう…ヒロトはおんじん…わたしをまもってくれた」

 バーギラは、ヒロトの話をすると、目の色が変わる。

「わたしのかあさんが、つよいてきにころされたとわかった、ヒロトはおこって…てきにたちむかった」

 語彙が少なくとも、ヒトの言葉を絞り出し、真摯に口を動かすバーギラに、一同は思わず聞き入ってしまう。


「ヒロトは…つよくて…やさしい…」

 バーギラの表情に、笑みが顕れる。

「それと…──」

「「「…?」」」

 付け加えて言おうとするバーギラに、一同は耳を傾ける。

「チン○が大きい…」

 一同はすっかり反応が別れた。

 笑いを堪える者、堪えきれず笑う者、目頭を押さえるもの。

 だが、脳が活動を停止したかのように、反応が無くなった者は1人だけであった。

「え…?」

 マーニは困惑した様子を強く顕すでもなく、もはや「え?」を連発するロボットになっていた。

「そ…それってどんくらいデカいんww」

「私の顔より大きい」

「アハハハッww」

「もうやめろってホンマに!?」


※会議室


 リズレは全てを知っていたように一同に語り終えてみせた。

「と…ヒロトくんには、再び戦うための力が与えられているわけだね☆」

「…でも腑に落ちないですよ」

「ん?」

 異を唱えるのは、ニュイェール。

「オーラが消えたことが、彼が魔法に目覚めた理由になるとは考えられませんが…」

「まあそうだろうね…──だけど、僕が思うには…」

 リズレは人差し指を立てて、自分の推測を語る。

「あちらの世界からこちらに引っ張られたという時点で、ヒロト君には魔力はあったんだろうね」

「クレアさんとも同じように?」

「ああそうだとも」

 途中から割ってきたグンメティも、それで納得がいったらしい。

 納得がいったと言っても、理解の及ばない事象の中で、はじめて筋の通った意見が出たことに驚いただけであったが…。

「ここから考えたところで、結局はダメかもですね」

 ガンダーが笑いながら言い、一同もそれに同意するのだった。

「まあ、過程はどうでもいい…ヒロト君は魔法を使える見込みが立ったというだけだからね」

 シキヤズとルキャミスも、それに頷く。

 テンカもその通りの反応をするが、それをさらに変えるのが、次のリズレの発言であった。


「それでは、最後の議題だ…──一昨日の事件についてね」

「「「…」」」

 会議室の空気が、突如重たくなった。

「ヒロト君と戦った末に逃げた敵、マーシーの魔力の反応を辿ると、その魔力は他にもう一つの反応と接触したんだ。今までに見たこともない程に、強く、邪悪な魔力にね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ