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魔法学園と鬼氣使い(ヤンキー)  作者: みっしゅう
第1章『全てはここから始まった! 最強の日本人ヤンキー 異世界の魔法学園に転移!』
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第62話『トレーニングへ』

 ヒロト、ラビット、クレアの3人は、生徒会らの待つジムに進むのだった。

 ラビットとクレアは、まるでヒロトを囲うように並んでおり、彼はどこか窮屈そうにしていた。

「なんか距離近くね?俺ら」

「「気のせいですよ?」」

 その2つの声は、お互いに別々のニュアンスがあるように思えた。

 左隣のクレアからは、まるで天使のような愛を感じるが、左隣からは…──

「やはり…真の愛には勝てないのですね…フフッ」

 自嘲のような笑い声とともに、鋭い視線がヒロトとクレアを睨んでいた。

「どうしたの?ヒロト君」

「いや…何も」


「な…なあ、ラビット」

「…何です?」

 ヒロトに呼ばれ、振り向いてくるラビット。

「バーギラはどうした…?」

「…」

「…え?」

 謎の沈黙がやって来る。

「はぁーっ…」

「えっ?」

「あなたの10組の仲良しの部屋に送りましたよ」

「よ…よかった」



「来たわね…──ん?」

 やってきた3人に、生徒会らの中からカリンが反応する。

 だが、クレアを目にして首を傾げる。

「クレアさん…でしたよね、どうしてこちらに?」

 その質問には、ヒロトがクレアの肩に手を置いて答える。

「俺の修行をひと目見たいんだと。アンタの許可さえ下りればいいだろ?」

「ええ…まあ」

 カリンはヒロトとクレアから目を逸らし、ラビットを見る。

「え?」

 ヒロトもそれにつられ、ラビットを見る。

 なんだかご立腹のように見えるが…。

「…はぁ…」

 ため息をつくカリン。

 何の意を込めたため息なのかわからないが、今見た感じのこの3人の関係性に、何かアクを感じたらしい。

「ちょっと面倒な局面ね…」

「え?」

「いいえ、何でもないわ」


「や…やっぱり、私ここにいちゃダメですか?」

 そのようなわからない様子のカリンに、クレアは心配そうに言う。

「いいえ?大丈夫ですよ」

「…?」

 カリンは微笑んでいたが、クレアは彼女の本心にどこか意味不明瞭そうであった。

「まあええやろ、このクレアっちゅうんはいたほうが都合がええかも知らんしな」

「俺らも反対はしないッスけど」

 メイプルにピースが続いて言う。

 他も反対意見はない。

「君も、ヒロト君の師匠として頑張ってもらうわね」

「え…?」

 含みのある言い方にクレアは首をかしげつつ、ここに残ることになるのだった。


「──じゃあ、これを」

 カリンは、ヒロトに小さな鉱石を渡す。

 見覚えのある代物だ。

「これって…」

「そう、魔力に反応する石です」

 ヒロトが以前これを触ったときは、反応など一切無かった。

「なぜ、今更これを…?」

「いいからいいから!」

 ラビットが質問するが、カリンはそのままヒロトに押し切って石を渡す。


「何でわざわざ…こんなことして──」

 …何になるのか、そう思っていた。

 だが、その時変化が訪れる。

「…!ヒロトさん!」

 ラビットとクレアが驚いたように言う。

「ど…どうした!」

「石が!」

 驚く二人と対象的に、カリンの表情には笑みが見えていた。

 ヒロトは手に握られる石をひと目見る。

「!?何だこれ…!」

 石は、緑色の光を放っていた。

「計算どおりね…」

 カリンは、その笑みにさらに楽しみをたたえるのだった。

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