第42話『野生に産まれた少女』
寝ている最中にフル◯ンになっていたヒロト、それに頬を赤くし目を覆い隠すラビット、そしてヒロトの股間のそれを握り興味深げに見つめる、突然現れた全裸の少女。
見れば見るほどこの状況は謎であり、ラビットにとっては気が狂うようだ。
だが、ウブなラビットは指の間から覗いてみる。
すると、20cmのそれが視界に入ってきた。
「…いやぁっ!」
「わざわざ覗くんじゃねえよ!…──あとお前は何だ!いつまでもチンコ握るんじゃねえよ!」
ヒロトがやっと一喝し、少女の猛攻は止まったかに思われたが、まださらに続くらしい。
「じゃあ、そろそろ…本番?」
「マジでいい加減にしろやもう…」
ヒロトはその手をはらって脱がされた制服を着直す。
服を着てくれて落ち着いたらしいラビットだったが、目に焼き付いた例のブツが頭から離れない様子だ。
「そうだ、お前何モンだ?」
「そうですよ!しかも裸でっ!」
だが、その少女は何も答えない。ただ首をかしげるだけだ。
「(何だコイツ…つうか、何でこの場所に…)」
そう、最も腑に落ちないのはそこだ。このような場所に、こんな無防備な格好でいる人間がいるものか。
「(しかも、コイツの態度も何もかも、どこか子供みてえだ…)」
考えれば考えるほど、コイツへの謎は深まっていった。
「…その、わたくしの替えの体操服をあげるので、そろそろ…──はッ!?」
「…?──ッ!おい咥えてんじゃねェエッ!!」
※
「よし、じゃあバーギラの様子を見に行くか」
二人はテントを片付けて、少女を連れてバーギラの元へ向かう。
「この少女が誰だろうと、ここで見放すわけにはいきませんね」
「ああ、この森を抜けたら、こいつはどこかに引き取ってもらうことになるだろうな」
そういったやり取りに後ろを振り返ると、そこには少女がいなかった。
「はぁ?あいつどこ行った」
「あっ、あそこ!」
ラビットが指を指した先は、まさかの木の上。
なんとさっきの短時間で上ったらしい。いや、跳び乗ったというべきか。
「すごいジャンプ力ですね…」
「でもあいつ、何で木の上に…」
木の上に上った少女は、何やら一点を睨んでいた。
「がルルっ…!」
さながら野生の哺乳獣のような声で喉をならす少女。
二人が驚いていると、その少女が睨む先から何かがやって来る。
「グェエエーッ!」
体長1.3mほどの野鳥が飛んできたのだ。
『魔物化バンドラード:危険レベル6』
かなりのスピードで飛んでくる野鳥の標的は、その少女であった。
「あぶね…ッ!」
ヒロトが助けに入ろうとしたのと、少女がその野鳥に襲いかかるのはほぼ同時であった。
「がぁああーッ!!」
野鳥に飛びかかった少女は腕を降り下ろすと、野鳥は地面に叩き落とされる。脳震盪をおこし死んだらしい。
なお、少女はその後綺麗に着地していた。
「二人とも…あぶなかった…もうだいじょうぶ」
「「…」」
二人は、驚きで何とも言えなかった。
だが、二人はこれだけは確信していた。
この少女はただ者ではないと…。




