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魔法学園と鬼氣使い(ヤンキー)  作者: みっしゅう
第1章『全てはここから始まった! 最強の日本人ヤンキー 異世界の魔法学園に転移!』
37/96

第36話『ヒロトにとってのラビット』

 10分後…──

「その…落ち着いたか?ラビット」

「…はい」

 あの後からこれまでの間、ラビットはありとあらゆる怒りを言葉にのせてリズレにぶつけた。

 ブルーになるラビットを(もう)(わけ)なく思いつつ、リズレはヒロトにひとつ質問をかける。

率直(そっちょく)な疑問なんだけど…、君にとってのラビット君は…いったいどんな?」

「えっ…──うーん…」

 ヒロトは、一度返答(へんとう)に時間をおいた。

「なんかわかんねぇけど、すげえやつだなぁって思う」

「え?」

 ラビットもヒロトを見る。

「魔法の実力もカリンが一目(いちもく)置いてるくらいだし、1組だからな」

「がくっ」

 ラビットはがっかりしたが、ヒロトはさらに付け(くわ)える。

「でも…──」

「…?」

「あんま言っちゃいけねぇんだろうけど、2年前のあの辛い出来事を乗り()えて、ここまで強く生きれてるのって、マジでスゴくね?俺ひそかに尊敬(そんけい)してんだ。ラビットのこと」

「(…ヒロトさん)」

 他の人間から、こういうことは()きるほどに聞いたはずだった。その時はラビットは何も受けることはなかったのに、なぜかヒロトからの言葉は、こうも浅いのにラビットの心に届くものがあった。

「学園長はさっきさ、親密(しんみつ)な関係がどうこうとか言ってたけど、俺はただ…ラビットを(ガールフレンド)としてじゃなくって、すげえ強いやつだってライバルとして尊敬してんだよな…」

「…」

 ラビットはヒロトから目をそらす。

 彼女の表情は、ヒロトが言ってくれたそれが(うれ)しそうだった。

 ──女としてじゃなくって…

 だが、ある1つの言葉が引っ()かっていることなど、彼女は信じたくなどなかった。


 その後話し合って、その依頼は明日(あす)に決行すると決定した。

 そして、その(かえ)り…──

「ったく、もう(よる)じゃねえか…」

「…」

「…じゃあなラビット。また明日だ」

 だが、彼をラビットは呼び止める。

「あ…あのっ」

「──?どした」

 ()り返ったヒロトに、ラビットは質問(しつもん)を投げかける。

「…さっきのって、その…本心なんですか?」

「ぁ?」

「わたくしの話ですよ!」

 ラビットのいうそれに気づいてから、ヒロトは(まよ)わずに答えた。

「あれは本心だけど」

「ええっ!」


 ラビットはその後、背中をむけて(ふたた)び歩きだすヒロトを見つめながら、その()に5分ほど立ち尽くしていた。

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