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魔法学園と鬼氣使い(ヤンキー)  作者: みっしゅう
第1章『全てはここから始まった! 最強の日本人ヤンキー 異世界の魔法学園に転移!』
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第28話『トーナメントの真相』

 5人は、学園長室で話していた。


 ヒロトが、リズレのある一言に呆れて声をあげる。

「俺とラビットの実力を測っただぁ~?」

「ああその通りさ。北校舎から生還した君たちの実力が知りたかったんだ」

 ヒロトは今回のそれの真相を知って、ますます呆れた様子だった。

「じゃあ言葉で伝えることもできたはずだろ!こんな戦闘狂クソ女にボコされる身にもなってみろ!」

「おいクソ女とか言うなや!」

「黙れェ!」

「おうおう言うやないか!表でろや!しがらみを切ったお前と全力で戦ったるわ」

「まあまあ…落ち着いてくださいよ」

 抗議する二人を何とかなだめるカリン。

 そこで落ち着いたと思われたが、メイプルだけはそれを止めず、ヒロトはアッカンベーといった様子だった。


 リズレは二人に向けて頭を下げる。

「その件については、私も本当に悪かったと思っている。君の意見も無視して、私の自分勝手が、君の秘密を全生徒に明かしてしまった」

「わかったならいいがな…つうか、あの夜のことを盗み聞きとは趣味が悪いなぁ」

 それを聞いて、ラビットの表情も少し陰った。

 リズレはそのラビットの様子に罪悪感を覚えた。

「悪かった…ではお詫びとして、君たち二人の要望を聞き入れようと思う」

「学園長…」


 そこでヒロトがお願いした要望は、鬼の力の判別と解析であった。

「…なぜそんなものを?」

「それは…俺が魔法を…えーっと」

 ヒロトは自分が日本人だということは、メイプルとカリンのいるこの状況下では言いづらかった。

 ラビットもそれを感じ取っていた。

 だが、カリンは予想外の一言を放つ。

「日本という国の人なんでしょ?魔法という文化のない別次元の世界の…」

「なっ…何で知ってるんだよ!」

 驚くヒロトに、メイプルは笑いながら言う。

「今回のトーナメントは、リズレからお前の詳細を知らされてから行われとるけぇのお」

「…どこまでも勝手だなぁリズレ」

「いやぁー、すまないすまない」

 笑って言うリズレにヒロトは呆れつつ、その要望についての説明を続ける。


「俺に、魔法を教えてくれないか?」

 その言葉に、ラビットは驚く。

「ひ…ヒロトさん!それって、カリンさんやメイプルさんにも手を借りるということですか…?」

 ラビットの予感は的中していた。

 だが、ヒロトは悪びれない様子だった。

「何か問題でもあるのかぁ?」

「はぁ…?」

 ヒロトは笑いながら言う。

「こんだけ迷惑かけられたんだし、てめえら二人にもこっちから迷惑かけさせてもらうぜ」

 ヒロトのその表情を見て、メイプルとカリンは目配せをする。

 そして、カリンの方から答えが返ってきた。


「いいですよ。手取り足取り教えてあげます」

「…っしゃあッ」

 ヒロトは嬉しさでガッツポーズをとる。

「どれだけ無謀なお願いをしてくるのかヒヤヒヤしましたよ」

「よかったわー。スケベーな依頼とかするやつかと」

「俺をどんな変態だと思ってるんだよ!っていうか、今回のお願いはまんざらでもないって感じか?」

「ああ、大歓迎やで」

 すると、二人はラビットにも目を向けた。

「ラビットはどうするんや?」

「えっ!わたくしですか!」

「魔法のレクチャー、お前も受けるんかって聞いちょるんやないかぁ」

「!?──はっ…はい!」

 学園屈指の実力者のレクチャーだ。喉から手が出るほどに欲しいに決まっている。


 リズレはそのやりとりを面白そうに見つめながら、この場を終わらせた。

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