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魔法学園と鬼氣使い(ヤンキー)  作者: みっしゅう
第1章『全てはここから始まった! 最強の日本人ヤンキー 異世界の魔法学園に転移!』
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第16話『赤い鬼神のオーラ』

 ラビットは、ヒロトの赤い目を見て驚いていた。

「あなたの身に、いったい何が…!」

 ラビットのようなエキスパートでさえ驚くということは、この現象(げんしょう)には魔法は関与(かんよ)していないのだろう。

 もしかすると、ヒロトの中にあった何かが、覚醒したのかもしれない。


 北校舎の様子を(なが)める(かげ)も、またそれに驚愕(きょうがく)していた。

「どうなっている…こんな筈じゃ…」

 本来の彼の目的は、ヒロトが魔物のように我を失い、この学園を破壊してくれることであった。

 だが、その(ひとみ)は明らかに自我を(たも)っていた。


 ──ヒロトの背中から、何かが現れた。

「…!!」

 廊下の壁に手をついてトカゲを(にら)む、廊下を(ふさ)ぐほどに巨大な鬼神。

 恐ろしい姿であったが、ラビットの恐れからの震えは止まった。

「アァ…ギャァ」

 トカゲの体表から汗が吹き出るとともに、ヤツの体はぴくりとも動かなくなった。

「トカゲが…あのオーラを恐れている!?」

 そのとき、ヒロトは左腕で自分の制服に手をかける。

 するとヒロトの背中が(あらわ)になると、ラビットは目を見開いた。

刺青(イレズミ)…!?」

 ヒロトの鍛えられた背中には、赤い鬼神の刺青があった。


「ああっ…ぐっ…ぐぉお…──」

 そしてヒロトは、ない右腕に力をこめる。

 するとそこに、赤いオーラが濃くまとわりついた。そのオーラが右腕の形になると、その腕は再生した。

「何…腕がっ…」

 ラビットはその現象に何の理解も追い付いていなかった。

 ヒロトがトカゲの方に闊歩(かっぽ)すると、鬼神もそれに続いて歩いた。

 トカゲの肌から汗が、ボタボタと(あふ)れ出る。(つつ)ましく鬼神から頭を下げ、黙っていた。

 外の稲妻がゴロゴロと音をたてる中で、立ったまま絶命(ぜつめい)…──オニオオトカゲの最期(さいご)は、(しず)かに(むか)えられた。


「…」

 ──ドサッ…

 ヒロトがそこに倒れ、鬼神のオーラは消えた。だが鬼神は消えるとき、ニヤリと笑んだ気がした。

「…!ちょっ…」

 ラビットが地面を()って様子を見にくる。

 呼吸はしっかりしているようで、ラビットは安心していた。

「…よかっ…た」

 ラビットも、そこで意識が途絶(とだ)え、(たお)れた。

 その様子を見る影の表情は、悔しそうではあったが興味深そうであった。

「失敗か…ふっ…まあいい。いい収穫があったな…」

 (かげ)はそのとき、ふっと姿をくらました。



 その後、ガンダーら3人によって2人は発見された。

「大丈夫か…!?」

 倒れる2人に驚いて()()ると、彼らは呼吸もしていた。

「よかった…」

「…じゃあ、この2人を保健室へ──」

 3人が2人を背負っていこうとすると、(だれ)かがそれを止めた。


「ちょっと待った!」

「「「…?」」」

 後ろを振り返り、そこにいたのは…

「あなたは…」

「その2人は(あず)かろう☆」

 学園長──リズレ=I·クラクソンであった。

「この2人…実に興味(きょうみ)(ぶか)い♡」

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