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魔法学園と鬼氣使い(ヤンキー)  作者: みっしゅう
第1章『全てはここから始まった! 最強の日本人ヤンキー 異世界の魔法学園に転移!』
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第14話『ヒロト大ピンチ』

 ガンダーはコウとキサクを連れて、西階段を通って北校舎へと走っていた。

「危険な目に()うかもしれないんだぞ…」

 ガンダーに(きび)しい眼差(まなざ)しをむけられ(ひる)むも、二人は強く言う。

「あいつは、俺たちの友人なんです!」

「見捨てることはできへんのです!」

 真摯(しんし)(ひとみ)断言(だんげん)するコウとキサクに、ガンダーは止める気も()せてしまった。


 そして10分後…──3人は西階段を通り、北校舎につなぐ(はし)()()かったはずだった。

「「「!?」」」

 目の前には、衝撃(しょうげき)の光景があった。

 橋は(くず)れ、このままでは向こうにいけない。あちらまでの距離は12m、飛び()えることも不可能だ。

「くっ…あの場所は(とお)いが仕方ない。10分はかかるが、遠回(とおまわ)りだ!」

 3人は二人の無事を祈り、痛む足を(しの)び全速力で走った。



 ラビットは、トカゲがヒロトの(うで)を必死に(むさぼ)っている(すき)を見て、ヒロトとともに何とかその場を(のが)れ、廊下の一番(おく)へと逃げ切った。

 そして、ありったけの魔力をヒロトの腕に注いで回復させた。

「(血は止まった)…うっ」

 ヒロトからの出血を止めると、ラビットは頭痛(ずつう)(おそ)われる。過度(かど)な魔力消費のせいだ。

 もともとここまでの出血を止めるには、高い魔法の才能と大きな消費魔力が必要である。

「(このままやり過ごせば、いずれ応援が…)」

 (しず)かに廊下の(すみ)にうずくまり安堵(あんど)するラビット。


 だがそれもつかの間…──

「…」

 ラビットは廊下を戻ってきたトカゲの巨大な目に(にら)まれる。

 ヒロトの血をたどってきたのだろう。

 やつはこちらに、意気揚々(いきようよう)として突進した。

「くっ…!」

 途絶(とだ)えかける意識のなか、なんとかそれを紙一重(かみひとえ)回避(かいひ)する。

 衝突に少しひるんだトカゲだったが、ラビットは意識が朦朧(もうろう)としていた。

 ラビットの脳裏(のうり)には、これまでの過去が走馬灯(そうまとう)のように()かんできていた。

「…ッ」

 ラビットの(うつ)ろな目が(うる)んだ。


 ──北校舎のこの様子を、(あき)れたように(なが)める(かげ)があった。

案外(あんがい)あっさりと片付いちゃったなぁ…名家の(じょう)も、あの男にまんまと足を引っ()られたか…」

 だが、その(かげ)(ひらめ)いたようだった。

「あの男、魔法も使わずにマッドモンキーを(たお)してた…きっと魔力を与えたら、この学園のみんなぶっ殺してくれるかもなぁー!」

 何とも物騒(ぶっそう)な物言いのそいつは、ヒロトに(ゆび)()し、おぞましい魔力を送ろうとした。

 

 ──そのときのことだった…

 (うつ)ろになる意識(いしき)のなか、ラビットは目の前にあったものに目を見開(みひら)いた。

「…!」

 赤いオーラを(まと)ったヒロトが、そこに立っていた。

 その状況(じょうきょう)を見る影ですら、(おどろ)いていた。

「何…あれ」

 自分の(のぞ)んでいたものと何かが(ちが)ったのだ。


「…何を…して」

 ラビットがヒロトに声をかけると、彼は赤くい瞳孔どうこうの目で()り返っていた。

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