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魔法学園と鬼氣使い(ヤンキー)  作者: みっしゅう
第1章『全てはここから始まった! 最強の日本人ヤンキー 異世界の魔法学園に転移!』
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プロローグ『その男、弥上ヒロト』

 人気《ひとけ》のない路地裏《ろじうら》の奥《おく》では、密《ひそ》かに暴動が起きていた。

「おわっ…!」

「あ…兄貴!?」

 ガラの悪い男2人を追い詰《つ》めていたのは、そこにいた一人の青年…──彼の戦《たたか》いのセンスは、男に反撃の余地《よち》すら与えなかった。

「とっとと消えろ。そのツラ天道《テントー》の下《もと》に二度《にど》と晒《さら》すな」

 青年は息《いき》を切らさずに冷《ひ》ややかに対応していた。

 戦《たたか》った相手の実力もかなりのものだが、この青年の前ではまるで相手にならない。

 しかし、狡猾《こうかつ》な手など何一つなく、一対一(ステゴロ)での圧倒的勝利に終わった。


「このガキ!俺達の組に手ェ出して、ただで済《す》むと思うなよ!」

「そうだそうだ!」

 青年は、声を荒《あら》げる二人に鬱陶《うっとう》しそうに舌打ちした。

「…そっちの組の悪事は、既《すで》にサツにチクってやった」

「「何ィッ!?」」

「実はそっちの組のヤツとは戦ったことがある、1対60でな。初めてちょっとだけ呼吸《こきゅう》乱《みだ》したわ」

「バッ…バケモノ…ッ」

 なかなか消えない二人に、青年はいよいよ表情を変えた。

「…とっとと消えねぇか…──…殺すぞ…?」

「「ひ…っ!」」

 静《しず》かに威圧《いあつ》する青年に恐《おそ》れおののき、二人は一目散《いちもくさん》に逃《に》げ出した。


 ──男たちが見えなくなったのを確認して、青年は後ろを見る。

「おいババア。もういいぞ」

 そう言うと青年の後ろからは、5歳《さい》ほどの子供を連れた老婆《ろうば》が出た。

「ああ…ありがとうございます!」

「お兄ちゃんありがとう!」

 青年は子供に感謝されたが表情を緩《ゆる》めず、舌打ちして睨みを解《と》かなかった。

「ふざけんな…てめえがアイスクリームをズボンにひっかけたんだろうが…」

「ご…ごめんなさいっ!」

 子供は表情を暗くして頭《あたま》を下げた。

 ヒロトはその様子をしばらく見て、睨みを和《やわ》らげたような気がした。

「おい…次からはねえと思え?」

「…うん」

 子供が頷《うなず》くと、青年は背を向け歩きだした。

「お兄ちゃん、名前は?」

 歩く彼の名前を子供は尋《たず》ねる。

 もうきっと会うことはないと思い、青年は名を名乗《なの》る。

「弥上《やがみ》ヒロトだ…──じゃあな」

 そしてそこから、ヒロトは見えなくなった。


※


「はぁ…」

 ヒロトは、公園のベンチで溜め息をついた。

 彼は先程《さきほど》の暴動から、どこか不機嫌《ふきげん》そうである。

「(…ったく、何で俺がババアとガキなんて…》」

 だが、あそこでヒロトが駆けつけなければどうなっていたか。

 ヒロトは木漏《こも》れ日《び》に照《て》らされながら、二人の笑顔《えがお》を思い出すのだった。


※


 横断歩道…

 ヒロトの隣《となり》には、ランドセルを背負《せお》った少女が立っていた。

「あっ!」

 彼女は信号の向こう側《がわ》の少女に手を振《ふ》って、走り出す。

 ──赤信号だと知らずに…

「なっ…!バカがっ!」

 大型トラックが少女に接近する。

 運転手は急ブレーキを踏《ふ》むが、簡単には止まらない。

 少女2人の表情も、絶望に染《そ》まった。

「うぉああーっ!!」

 ヒロトは本能的に、走った。

 ランドセルに腕《うで》が届き強く押すと、少女は横断歩道の奥へと転《ころ》がった。

「ヤバ…っ!?」

 ドンッ──という鈍《にぶ》い音と共に、ヒロトの意識は消えた。


※


 自分は死んだのだろうか…いや死んだ筈だ…なぜなら頭からぶつかったから──ヒロトは、無い筈《はず》の意識下で考えていると──…

 ざわざわ…

「…?」

 …違和感。

 周りが急に賑《にぎ》やかになった。

 ヒロトが目を開くと、目の前には…──

「…学校?」

 だが学校と思われるその施設《しせつ》は、マンション9つ分くらいの大きさだ。

 そして周《まわ》りには、見たこともないデザインの制服を着た生徒らしい若者も多くいる。

「あれ…?」

 ヒロトは、いつの間にか自分もその制服を着ていたことに気づく…──当然だが着替《きが》えた覚えはない。

 さらに見渡《みわた》してみると、そこには目を疑《うたが》う光景があった。

「…!」

 周りの人間は、ゲームで見るような魔法を使っていた。

 目の前のことを全く信じられない。

「何だこれ…──」

 ヒロトはパニックの胸の内《うち》を、一気に叫《さけ》びとともに開放する。

「何なんだこれはああーっ!!」

 大絶叫が響《ひび》き渡るのに、周囲は耳を塞《ふさ》ぐのだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 読みやすかったです。 これからの主人公の活躍に期待しています。 [気になる点] 読みは付けなくても良いと思います。 [一言] これからも更新頑張ってください。 陰ながら応援しています。
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