異世界人の手も借りたい。

　何事も、自分よりも相応しい誰かがやってくれる――。

　そんな、他人よりもちょっぴり引っ込み思案な性格の普通の大学生・黒木翔太。

　彼の平穏な日常に変転が訪れたのは、ある日のことだった。

　帰宅途中、ひょんなことから人殺しを目撃してしまった翔太は、犯人らしき二人組に追われる羽目に。
　勢いでトンネルの中へと逃げ込むのだが……不運なことに、今度はそこで突然吹いた暴風に巻き上げられて気を失ってしまう。

　――目覚め一番、翔太は混乱に陥った。

　なぜなら目が覚めるとそこは――厳めしい雰囲気を漂わす部屋の中だったのだから。

　状況の理解に頭を悩ませる翔太。

　しかし、そんな彼の前に、一人の男が突如として現れる。

「――俺はディアス・アルベール。この世界の一国を治める者だ。今回、訳あって君は『召喚』された」

　そう、なんと翔太は異世界に召喚されてしまっていたのである！

　では、なぜ召喚されたのか。
　ディアスの話を端的にまとめると、どうやらそれは、「この世界を守ることに協力してもらうため」であるらしい。

　……さて、そんな超重の責任と選択を翔太に与えたこの男、ディアスの本心とは一体何なのか？
　そして、その責任と選択を前に、ただの大学生である翔太が出した答えとは――？

　国王＆大学生という異色のコンビが、互いの手を借りながら異世界で起こる数々の事件や問題を解決してゆく！
　
　さあ、行く先々に待ち受ける困難や葛藤は、彼らの『心』に何をもたらすのだろうか。