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ゲーム内で勇者でも、  作者: 新藤広釈
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その6


その6


 山中にあるコテージに、年齢も見た目も違う十数名の男女が呼び出された。

一人はサラリーマン、一人は学生、一人はライダースーツを着た男、主婦であろう姿もあった。

 彼らは和気あいあいとゲームの話をしており、そういう集まりなのだという言事が分かる。彼らの目には知性が宿り、話す内容も重たく物騒なものも多い。

 二階から、和服を着た女性が降りてきた。

「今日はお集り頂き、本当にありがとうございます」

 集まった面々は、その美しさに息を飲んだ。

 学生は赤面しながら、恥ずかし気に頭を掻きながら話しかける。

「まさか、あのコタロがこんなに可愛い女の子だったなんて思いもしませんでした」

「ありがとうございます。嬉しいです。まさかあの『爆走キングダム』のリーダーさんがこんな紳士的な方とは思いませんでしたよ」

「はは」

 彼女は深々と頭を下げ、可憐にほほ笑んだ。

「本日はお忙しい中、懇親会にお集まり頂き本当にありがとうございます。もちろん・・・オレの復讐の手伝いをお願いってのが本音だけどなぁ!」

 親指を突き立てる彼女に、集まった面々は声を上げて笑った。

「お前さん、本当にコタロなんだねぇ」

 すぐにお淑やかな少女に戻ると、くすくすと笑った。

「皆さんも、姿かたちこそ違え不思議と誰が誰なのかわかるものですね」

「ここに集まったのはクランのリーダーばかりだ、癖が強いんだろうよ」

「しかし曲者揃いだな。『ブルーランナー』『武来人』『VVV』のリーダーに、野盗崩れの『ガネーシャ』『ロッフィード』、本当にただの野盗の『ハゲワシタカ』も混じってんじゃねぇか

「・・・その口調はどうでしょうか?」

 優し気な主婦が汚い言葉を吐き、背の高いライダースーツを着た男からは丁寧な言葉が出てきたが、不思議と違和感はなかった。そういう面もあるだろうという、変な納得してしまうオーラがあった。

「まぁいいんじゃない? 西んところと違って本気で潰し合ってるわけじゃなし、懇親会ってのは今後のクラン運営にも役立つし」

「おいおい、ライバ。お前がそれを言うのか?」

「内戦だけで手いっぱいだよ。俺が掲げたのは単なるツーリングクラブだったのに、なんでこんな血の気の多いことになったのか」

 大人しそうな学生は苦笑いを浮かべている。集まった面々も同じような悩みがあるのだろう、うんうんと頷いている。

「皆さんのお役に立てるようで安心しました。今日は懇親会の主催者として接待させていただきます」

「あ、ああ、うん。こんな集まりは必要だったんだ。コタロさんのおかげだよ!」

「ってかさ、嬢ちゃん。旅のしおりをもらったんだけねぇ。これ、あんたの本名だろ? あまりこういうのは見せないほうがいいと思うだけど?」

 主婦は旅のしおりを取り出してひらひらと見せた。中には筆で書かれた懇親会のスケジュールが書かれていた。

「名だたる方々に集まっていただいたのです。そして私の復讐に利用させてもらおうというのです、実名でお願いするのは当然のことです」

 濃紫の髪を持つ娘は深々と頭を下げた。

「コタロこと宮島涼華と言います。今後ともよろしくお願いします」

「涼華さんかぁ」

 彼女の微笑みに、集まった面々は赤面した。


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