彼の過去
いつも通りに学校へ着いた。俺と幼馴染と結衣は同じクラスだ。席も近い。
そして結衣の彼氏の桜田裕也も同じクラスだ。
桜田は所謂クラスの中の陽キャだ。
授業中は先生の話なんか聞かずにうるさい。
俺は勉強に集中したい方だ、だから邪魔でしょうがない。
いや単にそれだけならそこまであいつを嫌っていない。
やはりあいつが結衣の彼氏だというのが気に入らないのだろう。まあ別に結衣のことが好きというわけではないが。
まあ複雑な心境なのだ。
だからあいつが何かをすると少しのことでも目につく。
あいつの笑い声を聞くと気分は悪くなる。
俺の中では笑い声でさえ気分を悪くさせる存在なのだ。
居るだけで気分を悪くする。もうゴキブリレベル。
「ねえ、友喜?どうしたの?」
「ん?いやなんでもねぇーよ。」
「おお、ゆいっぺ!おっはー」
気分が悪くなった。
ゴキブリが現れたのだ。人の形をしたゴキブリって言い過ぎだろ…
まあ簡単に言えば桜田が現れたのだ。
ゆいっぺってなんか仲良しカップルかよ。
まあ学生なんてそんなものか。
「お、お前もいたのか。お前は毎朝ゆいっぺと登校できて幸せものだな。」
「いや全然。まるで俺にとっては商店街で要らないティッシュを押し付けられた気分だよ。」
「よくわからない例えだな。まあお前なんてどうだっていいんだ、そこ通りたいから退いてくれ。」
「横を通ればいいだろ、それともお前は通れないほどのデブなのか?昔ピラメキーノに出てた人並みか?」
「あ?お前調子乗ってない?あ、そっかー、ゆいっぺと幼馴染なのに彼氏にならなくて悲しいのかー」
犬猿の仲だな、やはり。いや犬猿の仲はなんか少しは仲良い気がする。なんかツンデレそう。
「ただの腐れ縁だよ。それに俺は彼氏になりたいと思ったことはない。まあでもそんなこと抜きでもお前は嫌いだな。」
「朝からうざったるいやつだな。邪魔っつってんだろ!」
桜田は俺の肩を思いっきり押した。その反動で少し揺らめくがすぐに態勢は立て直せた。
「なんだよ暴力でしか語れないのかよ。」
「なんか、猿がこいてんな。行こうぜゆいっぺ」
「え…いや、やりすぎじゃ…」
「あ?なんだよゆいっぺ、あいつの肩を持つのかよ。」
「そういうわけじゃ…」
あんな強引なやつのどこがいいんだ。まあ人それぞれの感性はあるからな。
あまり深く関わらない方が良さそうだなとは思う。
俺の心を自分で傷つけるだけだろうしな。
俺と桜田の中は最悪だ。
ここまでの流れでももう決定づけられている。
中学時代を黒く染めるストーリーの始まりだ




