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苦手な人種

春野先生から柏木と一緒に見舞いに行けと言われた後俺は柏木を探した。放課後だったため帰った可能性もあり得るが一応教室を見ておく。


なぜだろう。あまり会いたくない時はその人にあってしまうものだ。柏木は友達の女の子と団欒していた。とても割り込めない空気感の中躊躇ってしまうが、少し悩んだあと勇気を出して声をかけることにした。


「あの…柏木。」


まるでいきなり気温が下がったように空気が凍りついた。冷たい目線に釘付けにされながらもせっかく声をかけたのだと思い直し次の言葉を探す。


「少しいいか?」

「何?ここで話してよ。」


柏木は霧間グループに属しているわけではない。だからクラスの中でのヒエラルキーは特別高いわけではない。でもさすがに友達と一緒にいるときは態度がでかくなるのだろう。だがここで話せるほど俺のメンタルは強くない。


「いいだろ。とにかくあまり人に聞かれたくない話なんだ。来てくれ。」

「告白だったらお断りだよ。」

「誰がお前なんかに告るか。自意識過剰かよ。」


ついつい強く言ってしまった。でも仲間がいるところでは態度がでかくなる奴は俺の嫌いな人種だ。感情的になってしまっても仕方がない。でも流石に言いすぎたのか柏木が無言でこちらを見つめてくる。それは軽蔑の視線に近い。さっきいっしょに話してた二人は二人で内緒話をしている。多分俺の悪口だろう。


「まあいいか。仕方ないな。話すよ。

最近水野学校来てないだろ。そこでお見舞いに行くことにしたんだが、家の場所がわからなくてな。それで先生に聞きに行ったら柏木と一緒に行ってくれって頼まれてな。」


柏木は少し驚いた顔をした。そのあと少し悩んでいる表情を見せたあとこう返してきた。


「あなた彼氏なのに家の場所も知らないの?あと私が今愛菜と喧嘩中なことあなたでもわかるよね。行くと思う?」


完全にカレカノ設定だったことを忘れていた。別に今更嘘でしたと言ってもいいのだが、そうすると水野の弱みを渡したことになってしまう。この女のために何かをするのはごめんだ。


「まだ家の場所までは知らないんだ。あとお前は別に水野と会わなくてもいい。家の場所さえ教えてくれればそれでいいんだ。」

「だからさ。私があなたのために何かをすると思う?」


俺と柏木は決して仲良くない。だとしたら手を貸してくれなくても当然だろう。どうする…


何かこいつらが食いつく条件を提示するしかない。


「お前好きな人とかはいないのか?俺は常人より頭の出来が違うんだ。模試は八回連続全国一位。だからさ昔から作戦を立てるのがうまくてさ、もしお前が家まで案内してくれるのなら好きな人と恋の成就のサポートをしてあげてもいい。」


俺は柏木の情報をいまいち持っていない。だとしたら女子高生の共通の話題であろう恋バナに関連させるしかない。水野は提案された後も不機嫌そうな顔をしていた。水野はプライドが高いタイプだ。だから成就しない恋だと思ったものは諦める人だろう。そういう奴にこの作戦は効きにくいと思ったが仕方ない。


「そんなの信用できるわけないし、あなたがどれほど頭がいいのかも分からない。全国模試と人関係は違うしね。」


結構など正論で返された。だがそんなんで怯むような雑魚みたいな作戦ではない。


「俺は転校数日で霧間を言い負かしたんだぜ。大した情報もないのにピラミッドのトップに勝ったんだ。少しは信用してくれてもいいと思うんだが。」


柏木は悩みだした。


どんな決断をする⁉︎



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