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バッドエンドの序章

模試がついに明日に迫った。俺にとっては連続一位がかかった大事な試験だ。昨日は夜遅くまで勉強をやったため歩きながら寝られるのではないかと思うくらい眠かった。眠い目をこすりながらもう歩き慣れた通学路を進む。


前に見慣れた後ろ姿が見受けられた。


「おはよう藤野。」

「おはよう立花くん。目のくまが目立つけど明日の模試のために頑張ってるみたいね。」


藤野はそんなことを言っているがうっすら藤野の目の下にはくまが見られる。こいつも多分勉強を頑張っているのだろう。本人も何度か万年二位だって自虐ネタも使ってたしな、多分結構気にしてるんだろう。


「まあ疲れてるのは模試だけじゃないんだけどな。」

「水野さんのこと?」

「知ってたのか?」

「分かりやすすぎ。何度か水野さんに話しかけて面倒な顔されてるのも見てるしね。」


こいつはいちいち俺の心を傷つけることを言わないと気がすまないのか。まあこいつは口は悪いが周りのことは色々見ているのだろう。


「水野さん。最近一人でいることが多いわよね。あまり話したことないから何故かとかはわからないけど。」


水野が今クラスで一人になっているのは部活関連だろう。


「なんで人は仲間外れをやりたがるんだろうな。そんなことで団結したって何の意味もないのに。」

「簡単だわ。それが一番です団結しやすいからよ。何か凄いことを成し遂げようとするには努力をしなくてはならない。そうなった時に集団で行動すると皆の不満が溜まって団結がしにくい。でも人をいじめるのは簡単なの。靴を隠したりすればいいし、みんなで悪口を言い合えば団結して仲良くなれる。だから人は簡単に団結するために人をいじめるのだと私は思う。」


やはりいつも藤野は正しい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ねえ、友喜。結局昨日水野さんとどうだったの?」


教室に入りクラスメイトが自分たちのグループで固まって会話をしている中桐谷と話していた俺はトイレに行きたくなり席を立った。それを見計らったかのように俺に相崎が近づいてきた。


「結局相談はしないって言われた。二度もそう言われたらな、流石にあっちが迷惑してるってことが伝わってきたよ。」


二度あることは三度あるというのだ。次悩みはないかと聞いても話してくれないのがオチだ。


「そっか…」


歯切れの悪い返事をした相崎は分かったとただそう言い霧間達の方へ戻って行った。相崎は霧間のことがあったがまだグループから外されてはいない。まあ好感度は落ちたと思うけど。


トイレを済ました俺は席に戻りすぐにホームルームが始まった。


「おーい、席につけ。」


男の人のような口調で担任の春野先生が皆に着席を促した。そのまま出席番号一番から欠席者を確認して行く。大きな声でふざけた返事をして笑いを取ろうとするものや、ギリギリ聞こえる声で返事をするものなど様々である。大きな声をここで出していいのはスクールカーストのトップだけだろう。それが暗黙の了解だ。飲食店の席に荷物が置いてあったらそこはもう席取りされているみたいなもんだ。別にルールがあるわけではない。


俺の名前が呼ばれ俺は普通の声で返事をした。そしてそのままどんどんと名前が呼ばれ終わりに近づいて行く。


「水野。ん?水野は来てないのか。」


水野の番になり聞こえる声はふざけた大きな声でもギリギリ聞こえる小さな声でもない。


ただ沈黙だった。


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