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母と息子

俺は水野に協力いらないと拒否された後大人しく家に帰った。一人だけの通学路で何度かあそこで粘らなくても良かったのかと後悔したが、これでいいのだと自分に言い聞かせて家に着いた。家には鍵がかかっており俺は鞄から鍵を探す。


何でだ⁉︎鍵がない…どこかで落としたのか?いや普通に忘れていった可能性もある。とりあえず今は家に誰かがいるのを信じでインターホンを鳴らすしかない。


俺は躊躇いなくインターホンを鳴らしたのを少し後悔している。俺は今家族のほとんどに距離を置かれている。唯一妹の美来だけには普通に接してもらっているが今家に美来がいるとはわからない。家に姉しかいない状況になんかなってみろ、インターホンに気づかなかったとか言って鍵を開けない可能性もある。


俺は家の外にまで聞こえるインターホンのベルの音を聞きながら内心ヒヤヒヤしていた。家の中から少し物音がした。開けに来てくれたのだろうか。


ドアが勢いよく開く。俺は多分美来がいてくれたのだろうと思い安心する。開くドアの先に立っていたのは母だった。


「母さん…?」

「何?」


乱暴に言い放たれた言葉は俺と母親との距離感を示している。中学生の頃に起こしたある事件以来ずっとこの調子だ。俺は成績は好成績を残しているので普段は口うるさく言ってこないが母が俺のことを嫌いだということくらい感覚的にわかる。


「いやいつも母さん仕事だろ?だからこんな時間にいるのはおかしいと思ったんだよ。」

「今日は仕事が片付いたから帰ってきたの。別におかしいことなんかじゃないわ。」


母から放たれる言葉は実の息子に向けている口調なのだろうかと疑うほどだ。母の口癖は「春香みたいに性格の良い子になりなさい。」だ。あの姉の性格がいい?どこに目をつけたらそうなるんだ。俺は自分を性格がいいとは思っていない。それでもあの姉が性格がいいとは断じて思えない。


「そっか…」


とてもぎこちない形で会話は終わった。母がリビングに戻っていったため俺は自分の部屋に駆け込んだ。俺は嫌なことを考えてしまうならと模試の勉強に励んだ。


俺への態度が一番悪いのは姉だ。その次に母、父という順番だ。父はあまり家に帰って来ないためそこまで支障はないが母に嫌われるということは子供なら誰しも心にくるものだ。俺はその生活を一年半ほど続けているのだ、常人では耐えられないだろう。


これも償いだと思えばいいと自分に言い聞かせ寝床についた。

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