悪夢
「つまらないだけ?それがお前が部活をサボっている理由なのか?」
「そうだよ。ていうか立花には関係ないでしょ。そんなにしつこいとモテないよ。」
何で陽キャってやつはすぐモテるモテないの話に繋がるんだ?恋愛脳どもめ。
「忠告感謝するよ。俺はモテるより友達が欲しいんでね。」
「立花絶対童貞でしょ?」
水野は半笑いで聞いて来た。女の子とは思えないようなセリフに驚くが陽キャというものにとって童貞なんてワード対して下ネタなどではないのかもしれない。まあもちろん俺は童貞ですけど…
「童貞の何が悪いんだよ。俺は何年も誰も奪おうとしてこない『童貞』を一人で守り続けてるんだ。もっと褒めてほしいものだね。」
「立花って面白いね。安心しなよ高校生で童貞なんて珍しいことじゃないから。第一私も処女だしね。」
目の前の女は何を言いだしているのだろう。口を開けばポンポンと下ネタが飛び出す。下品だ。でも地味に高校生で童貞は珍しくないという言葉には少し安心感を与えてもらった。そうだ焦る必要はない。高校生で童貞でもおかしいことなんてないんだ。
「ちょっと水野さん言葉が下品だよ。せっかく可愛いんだからそんな言葉遣いしないほうがいいって。」
「なに相崎さん、別に私の勝手でしょ。」
「そうだけどさ。」
女子二人がミニ喧嘩を始めた。なんだ?相崎は嫉妬してくれてたのか?いやいやないない。そんな発想ザ童貞の発想だよ。自意識過剰すぎ。
「まあ私のことは気にしなくていいから。だからもういい?ゲーム再開したいんだけど。」
「あっ…ごめんね。変な話につき合わせちゃって、ねえ友喜私たちはもうここから出ようか。」
「そうだな。」
俺は相崎の提案通りゲームセンターを出た。出る間際に見えたのはゲームをやっているのに全然楽しそうに見えない水野の姿だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー「じゃあカフェ行こうか。」
「ああ。」
俺たちは当初の目的地だったカフェに向かった。水野の部活を休んでいた理由はさっぱりわからない。本人が話したくないと言っているのだからそれを追求するのは野暮というものだ。だから気になるけど知らないふりをしておこう。
「ねぇ、友喜は水野さんのことどう思う?」
「ん?俺はもう追求しないほうがいいと思うぞ。本人が休んでいる理由を詳しく言いたくなくて詳しく聞かれるのを望んでいないなら外野の俺たちにできることはないだろ?」
「それはそうなんだけどさ。水野さん水泳部の高橋さんと仲良いんだよね。二人同じクラスでしかも同じ部活だからさいつも一緒にいるの。でもね最近水野さんと高橋さんは一緒にいないで高橋さんはよく私達の所に遊びに来るようになった。その時いつも水野さんは一人。私はそのことに気づいていたんだけど話しかけたこともないからって躊躇ってたの。でも何か悩んでるなら力になってあげたいってそう思ってる。」
多分水野と高橋の仲が少し悪化している理由は二人の部活に対する価値観の違いだろう。俺は二人のうちどちらが上手いのかなんて分からないが予想だと多分水野の方がうまい。高橋も水野が部活を最近よく休んでいることは知っているだろう。なら自分よりも上手い人が練習をサボっていると知って普通に接することができるだろうか?いやできない。嫉妬でいっぱいになった心のせいで友達であろうと普通には接せなくなる。
「女子は本当に色々大変だな。俺も転校当初は友達いっぱい作ってやるって意気込んでたけど何か最近少しの大切な友達がいればいいと思うようになってきた。」
「それが理想なのかもしれないね。でもみんな人から嫌われるのが怖いから誰しもにいい顔を見せようとする。それが空回りして本当に仲良くしたい友達との仲が悪化する。そういうものなのかもね。」
相崎は色々考えているんだな。こういうしっかりとした価値観を持っているのは生きていく上で大切なことだ。
「ついたよ。」
話し込んでいるうちに目的地のカフェについた。相変わらず俺は注文に手間取り相崎は呪文のように長い名前をすんなりと唱え注文を終えた。
相崎が唱えた長いメニューも俺が手間取った注文も懐かしくて本当に仲直りしたのだと思った。だから今度こそはこの仲を壊さないように慎重に関係を築きたいと意志を固めた。
相崎と別れた後俺はすぐに家に帰り近い模試の勉強をしてそのまま寝落ちした。模試ではいつものように一位でありたいというプレッシャーがかかるがそれも慣れてきた。
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「ねえ、とも。あんたが俺が何とかするって言ったんだよ。だから私はこういう行動に出たの。」
「学校くんなよ。」
「なにあのクズ。どんな面して学校来てんだよ。」
「うわっ、あいつの机に落書きしたの誰だよ。まあよくやった。あんなクズそんな対応で十分なんだよ。」
「何でお前はこんなことしたんだ!この恥さらしめ。俺の評価に関わるだろ。」
「何でこんな風に育っちゃったの!私の育て方が間違えてのかしら!あなたなんて産まなきゃよかった。」
「おいバカ息子。お前のせいで母さんが悲しんでんだろ。どうすんだよ?あ?」
「あんたみたいなのの姉とか最悪。てか同じ家族ってのが最悪。」
「なあ立花、黙ってないと村上をま…」
「黙れ黙れ黙れー!夢か…久しぶりに最悪な夢を見たな。」
最悪な起きかたをした。まるで過去の記憶が今の幸福な生活を壊そうとそうしているようだった。
自分がクズだと忘れさせないために…




