彼女は水を嫌う
部活は義務だろうか?学生は学校で勉学に励み六限まであるスケジュールをこなして行く。その後に各々の部活において部活仲間とともに活動をする。部活は決められておらず自分の好きな部活を選ぶことができる。サッカー部や、野球部、将棋部など多彩な部活がある。帰宅部を選び部活動をしないこともできる。なら部活は義務ではないと言える。だがもし一つの部活を選んだなら練習はサボれない。まるで部活をサボることが学校をサボることと同じなように顧問からは叱られる。部活は義務ではないはずなのに部活に入ったものはまるで強制な様な対応をされる。
部活をやらないことは悪なのか?
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「水野さん今日部活サボってるのかな?」
「俺に聞かれても分からん。てか別に誰だって一日くらい部活サボったことあるだろ。俺は今転校してきたばかりだから部活には入ってないけど。中学の頃は最後らへん結構サボってたし…そういや相崎は何部なんだ?」
「私?家庭科部だよ。そうだよね。私もサボったことくらいあるし珍しいことじゃないのかも。でも水野さん部活すごい真面目にやって、結構いい成績も残してるし珍しいなって思って。」
家庭科部とか何その女子力を形にさせたやつ。クッキーとか作って好きな子にあげちゃうわけ?いやいやそんな漫画展開あるのか?でも陽キャのほとんどは少女漫画読んでるし。あり得るのか?
いや高校生にもなれば陽キャなんて性行為のことしか考えてないだろ。何言ってるの俺!下品!
「気になるなら直接聞いてみればいいんじゃないか?」
「それはそうなんだけど私あまり話したことないんだよね。そうだ友喜さ話しかけに言ってくれない?会話が始まったら私もそれに参戦するから。」
「やだよめんどくさい。まあ結局どちらかが話しかけに行くわけだしまあいいか。仕方ないな。俺が行ってくるよ。」
今日名前と顔を知った女の子に話しかける。これはナンパと何が違うんだ?まあ俺は水野に気がないわけだし、ナンパじゃないし!
俺は熱心にゲームに励んでいる水野の元に近づいた。水野と声をかけようと思ったがゲームに真剣に挑む顔つきに話しかけるのは少しお邪魔なのではないかと気後れする。そして初対面の人を呼び捨てとはいかがなものかと思い、完全に声をかけるタイミングを失った。声をかけようか迷っている俺は周りから見たら不審者のように見えているに違いない。
「何立花?私に何か用?」
「え⁉︎用ってほどじゃ…ていうか何で俺の名前知ってんだ?」
「そりゃ同じクラスだし。霧間に面と向かって反抗したのあなたが初めてだったから印象に残ってるの。」
俺は同じクラスのやつの顔を忘れていたのか?いや違う。まず覚えていなかったのだ。転校してからは桐谷や相崎のことで手一杯だった。正直言って霧間の下の名前すら覚えていない。いやまず知らん。
「それに相崎さんといるけどデート?」
「違うわ!」
デートとか的外れなこと言われたが何だろう地味に嬉しい。別に好きとかそういうんじゃないんだからね!
「違うよ。水野さん。仲直りの始まりとして一緒にカフェに来たの。藤野さんも誘ったんだけど予定がつかなかったみたいで今回は友喜と二人で来たってわけ。」
「よく分からないけどそうなんだ。友喜?ああ立花のことね。下の前で呼び合うような仲なの?」
「いや俺は呼んでないけどな。」
案外ふつうに喋れるな。水野は霧間グループというわけでもないらしい。中立って感じだろうか?だから俺を毛嫌いしてるわけではないと思う。実にきり間グループのやつらは俺が近づくと顔をひきつらせる。まるで私はあなたが大っ嫌いですと言うように。
「そういやさ。水野は水泳部なんだろ?水泳部って今日部活あるんじゃないの?」
俺は場がまあまあ和んだとそう思ったので核心をついた。正直言って俺にとってはどうでもいいのだが友達の相崎が気になっていることだ友達として手助けしてやりたい。
「私のことは知らなかったのに私の部活は知ってるんだね。」
「つっ…悪かったよ。根に持たないでくれよ?まあ水野のことは全く知らなかったが相崎がゲームセンターにいたお前を不審に思ってな。それで声をかけてみたってわけだ。で、嫌じゃなかったら話してくれるか?まあ俺らは近所の噂話大好きおばさんみたいな感じだろうが。」
「別にいいよ。サボってるのバラすような人達じゃないって思うし。私今日病院って言って部活休んでるから。」
病院って有能だな。病院に行くのは体調の優れない人だろう。だからそんなのいくなと止めることはできない。部活を休み病院に行った証拠として医者から問診証をもらえってこいと言われても家に帰ったらすっかり体調良くなったんで病院には行きませんでしたって言えば何とかなる。とても便利な言い訳だ。
「バラさないよ。ていうか何で俺らがバラさないような奴らだって思ったんだ?」
「それは…別にあなた達を信頼してるとかそういうんじゃないけど、私も霧間が桐谷に酷いことしてるっていうのは分かってたけど勇気がなかったの。なのに転校したばっかりのあなたは桐谷のために立ち向かった。そんな人が私を陥れるようなことしないかなって、まあ私はあなたのことを大して知らないから私なりの意見なんだけどね。」
「全くその通りだ。俺はお前のことをバラすつもりなどない!ところで何で部活に出ないんだ?」
水野はその質問をされた時少し困ったような顔をした。サボっていることがバレたときにはそんな顔しなかったのに、この質問だけは自分なりに何か思うところがあるのだろうか?多分水野は休みたいから休んでいるだけという無責任な理由で休んではいないだろう。だからこそ休んでいる理由をやすやすと人には言えない、だから困った顔をした。そうに違いない。
「単につまらないからだよ。」
そう言い放った水野はとても悲しそうな顔をしていた。




