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崩壊

俺が相崎のことを嫌いだと公言した後公衆は俺に対して罵倒の言葉を浴びせた。生意気だと、身分の差をわきまえろと。そんな言葉を浴びせられている俺を見て優しく誠実であろうとする相崎が何とも思わないはずがない。とても辛かったであろう。でも彼女も人間だから俺を貶める空気に真正面から抗う勇気はなかった。俺一人が貶められる形でその場は収まった。


告白があったその日は誰もが俺をちらちら見ては蔑みの目で見てきた。一方的に相崎を罵倒した俺にはふさわしい仕打ちだ。そう思って納得しようと思ってただひたすらに俯く。少しでも蔑みの目から逃れたくて、人の目なんて気にすることはないそう思ってる。でもそんなに俺のメンタルは強くないからどうしても人からの悪意には傷つく。蔑みの目で見られて平然としているなんて無理だ。


「ねぇ相崎くん。」

「何だよ?」


蔑みの目から逃れるためにただ下を俯いている俺に藤野が話しかけてきた。


「私はあなたがしたことを正解だとは思わない。」

「だろうな。でもあれが最善策だった。もとから全員が幸せに平和に解決できるような問題じゃなかったんだ。そして俺という犠牲を出して今はその問題が解決した。ならそれは最善策だったと言えないのか?」


本心ではそんな事思っていない。俺は自分が犠牲になりたいと思うほど自虐癖はない。だから今の状況に不満がある。でも俺が間違った選択をして今この状況になっていると、今蔑みの目を向けられているのは自分のせいだとそう思いたくはない。だから嘘をつく。


「こんなの最善策とは言えない。でもあなたが悪いところは一つもない。あなたがあそこで相崎さんを罵倒したのは相崎さんが迫われている選択から解放するため。ならそれは相崎さんのためにしたことであって、そこにはあなたなりの優しさがある。そう思ってる。だから本当はあなたが悪者にされる必要なんてないの。でも人間は弱いから共通の敵は叩きたくなるものよ。それが今の現状。でもね私はそんな馬鹿とは違うから、だから私はあなたの味方よ。今回あなたは間違ってなんかいないわ。」


この言葉は心底嬉しかった。自分がした行為を理解してくれている人がいるそう思えるようになるのがどれだけ今の状況の救いになったか。


「お前からそんな言葉が聞けるとはな。驚きだよ。」

「あらそうかしら、私は馬鹿が嫌いなだけで性格は案外いいのよ。それに私は友達という足枷がないもの。あなたの味方をしたところでクラスでの立ち位置は大して変わらないわ。」

「それでも助かる。」


今回相崎と友達に成りかけていたがもう多分友達になるのは無理だ。でもそれでも一から始めればいい。最初に作った友達藤野美佐と一緒にまた友達作りをしていけばいい。


焦る必要などないのだから。

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