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メイドごーれむと異世界転生  作者: じゃこさぶろう
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島の住人とこの世界

旧魔王国の中央北部の湿地帯

この辺りは何故か気候が亜熱帯特有の蒸し暑い

ジャングルになっている


高さ五十メートルほどの椰子の木のような木に

手作りのハンモックを地上三十メートルくらいの

高さに張り横たわっている男


手下の猿の魔物が集める様々な果物を

齧りながら気怠そうに

訪ねてきた男の話を聞いていた


「将軍!魔王様が居なくなった今、将軍のお力が

我が軍の最期の砦なのです!何卒参軍願います」


聞いていた男は齧っていた果物を地上に捨て

気怠そうに「やだ」と一言


顔色を赤く変化させて

「今の状況を救えるのは将軍しかいません

何卒何卒お願いします」

と怒りながら縋るように繰り返す


将軍と呼ばれた男は新しい寝床はもっと高いところに作ろうと心に刻み

「魔王様が負けた以上俺は4天王ではない

つまり、参軍する意味がない。しかも将軍じゃない」と新しい果物を食べ始めた


あ〜ぁ雲になりたいなぁなどと考えつつ

耳障りな男の言葉を聞き流す


これ以上の説得は無駄だと知り

渋々帰っていく男その後ろ姿を眺めながら

この場所も潮時だなと移住を思案する


寒い所は嫌だしなぁ〜

ドラは苦手だし、砂漠は面白くも無いし

連合国に行くかな〜


里に帰ったら殺されるだろうしなぁ


目を釣り上げて怒る綺麗な水色の長い髪をした

愛娘を思い出す


「あ〜〜めんどくさっ」


呟きながら部下の猿の魔物に指示を下し

旅の支度を始める


じゃぁ!お前らも元気で暮らせよ

男はそう言い残し密林を出る


水色の長い髪を1つに纏めて

何かを隠すように深く帽子を被り

学校生活にも慣れてきて

それなりに読み書きも出来るようになってきた


友達(男)も出来行動範囲も広がって来る


相変わらず母ちゃんのストーカー行為は

続いているがそれなりに学校を満喫している


前世の記憶があるとしても

そこは割り切って子供時代を楽しんでいる


友達と山に虫を捕まえにいくと

とてもおおきなクワガタが!


木の上から母ちゃんとポチが...


川に魚釣りに出かけると

竿が折れる位の引き!巨大魚か!!


川の中から母ちゃんとポチが...


友達も慣れてきて

見た目が小さく俺たちと変わらないので

自然に蹴球に参加する母ちゃん


しかも、子供っぽくとても負けず嫌いな

母ちゃんはこっそり「強化魔法」を

自分に掛けて審判に注意を受けていたりする


うちの母ちゃんは変わっているが

大人気である。


ポチも母ちゃんと一緒に行動しているので

人気がある。初めて見た時は「豆柴」位の

大きさだったが今はライオン位大きい


魔法で自身の大きさを変化させる事が出来るようで普段は豆柴の大きさ見た目は昔テレビで見た

「サモエド」にソックリである

真っ白でふわっふわ!、頭と尻尾を触ると怒るが

とても可愛い


母ちゃんが何か遊んでいる時は

「ボス ガンバ」と片言で応援している

仲が良い


そんな二人(一人と一匹)から隠れながら登校するのが日課になっている。


町に住む人々はとても優しく笑顔に溢れている

子供を見かけると誰彼なく声を掛けて

「気を付けて行くんだよ」「勉強しなよ」


とてもフレンドリーである。


そんな中、町で稀に見かけるエルフは

俺を見かけると

「アレックス元気か?」

「良い母ちゃんだなアレックス!」

「しっかり勉強しろよアレックス」


などと何故か名前を呼ばれる。名札など付けて

いないのになぜ?母ちゃんは有名人なのか?

まぁエルフ独特の絆だろうと納得する


何故か皆微笑ましい顔をしているのが気になるが


学校の中を友達とうろうろする事にも慣れ

役所の中に冒険者ギルドの出張所がある事に

気づいた。


さすがは、異世界だななどと思いながら

ギルドで暇そうにしているお姉さんに様々な

話を聞く。この島の事、世界地図、色んな魔物

秘境と呼ばれる島、神様が住む大塔など


皆授業よりも盛り上がりキラキラした目で

お姉さんの話を聞いていた。

俺も未来の冒険に心躍らせて


母ちゃんに「俺!冒険者になりたい!」と

嬉しそうに宣言した


母ちゃんは涙目になりながら

「駄目!絶対に駄目!危ないよ!アー君は

母ちゃんとポチと一緒にここにいるの!!!」

と、大きな声で怒られた

そう言えば、母ちゃんに怒られたのは初めてかも


でも、ここは曲げられない!

「俺は、色んな物や人をこの目で見たいんだ!

だから!冒険者になる!」と初めて反抗してみる


すると、はっとした様な顔で

「あなたは、やっぱりお父さんの子供ね、

そういう所がソックリよ、でも!あなたが成人するまでは母ちゃんは許しません、良いわね!!」


父ちゃんは家出をしたんだろうか、

などと考えながら

「当然今すぐに旅なんて出来ないよ!母ちゃんの言う通り成人になるまでしっかりと親孝行するよ」と口にすると泣きながら母ちゃんは


「絶対だよ?」と聞いてきた

もちろん、今すぐに行けるわけないので

「うん、安心して」と答えて部屋に戻る


後8年で成人するんだから今のうちに

準備をしておかないと

色々妄想しながら明るい未来を思い浮かべる


それからは、勉強の合間にギルドに通い

冒険に必要な物や心構え

ピンチの対処法などを学び

バイトをしながらお金を貯めてこの世界を

旅する準備を進めていくうちに


あっと、言う間に年を重ねて14歳も終わろうかとしていた。


友達は増えたが浮いた話などなく彼女居ない歴

がもうすぐ40年と悲しくなる現実を他所に

異世界のケモミミ少女との恋に心を馳せ

未だ見ることのないメイドを求めて

いざ!旅に行かんと心躍らせていた


冒険者ギルドの登録は成人していることが

条件で親の承諾書などが見た目が若いと必要とされる。


書類を手に家に帰って母ちゃんに

「母ちゃん!冒険者ギルド登録するために承諾書にサインして!」と目をキラキラしながら言うと



「え??何を言ってるの?アー君はまだ14歳じゃない!まだ成人してないでしょ!!」と


「いや、わかってるよ!ここのギルドは主張所だから登録には時間が掛かるんだよ!来週の誕生日に登録するには明日で提出ギリギリなんだよ!」


「だから!何を言ってるのよ?!」


「え?いや、だから来週には15歳になるんだから成人するじゃん!成人したら旅して良いって約束したじゃんか!!」


「15歳で成人って!人間でもあるまいし!!」


え?


「アー君はエルフだよ?!!」


何故か嫌な予感がする


「エルフは300歳を越えて初めて成人でしょ!!」


え!、えぇぇーーー!


「そんな事聞いてないよ!」と反論する


「だって聞かなかったじゃない!」


やばい、マジでやばい

あと285年家でニートなんて耐えられない

そんな事を考えていると


「まさか、母ちゃんとの約束を破らないよね」

と、笑顔だか目が笑ってない母ちゃんが

問い詰めてくる。


く...どうする?逃げるか?でもそれは申し訳ない

ここまで大きくしてくれたのに

などと何も言えないでいると


「仕方ないわね、人間として成人になったと承諾書を書いてもいいよ」と母ちゃんが


「か、母ちゃん!」泣きそうになりながら


「ただし、1つ条件があります!」

「母ちゃんも一緒行くこと!エルフとしてはまだまだ赤ちゃんだから保護者同伴は基本よね」


その時おれの家出が決定する




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