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メイドごーれむと異世界転生  作者: じゃこさぶろう
8/86

幼児期から少年期へ

龍王国の南

たくさんの島々が浮かぶ

緑豊かな楽園


レインクロー諸島

林業と加工木材が島の主な収入


貧しくは無く

ある程度裕福な人々が穏やかに暮らす島々


様々な種族が終の住処として選ぶため

多種多様な人々が暮らす


そこには、差別や偏見など存在の理由を持たず

只々穏やかさを求めるために

笑顔と笑い声が溢れる。そんな楽園


レインクロー諸島のなかでも

一番大きな島、レイン島

そんな、楽園からこの物語は始まる

6歳になった俺は

町の学校に通う事になった。


俺が住む場所は

町から少し離れた森の側

森の木々に寄り添うように家が建っている


自宅から学校までは

体感で5キロほどだろうか?

町を抜けた先にある大きな建物が校舎らしい


学校が始まる前の日は

母ちゃんが夜遅くまで何かしら用意に

明け暮れていた

何かを夜なべして作っていたようだ


異世界の学校は私服で通うらしい

私服と言ってもほぼ、母ちゃんの手作り

愛情が痛いほど詰まってる、うん詰まってる


翌朝支度を始めると、その日着ていく物を

母ちゃんが準備して並べていた


帽子に靴下にズボン

母ちゃんの手編みのセーター


前面には母ちゃんの顔が編んである

裏面には「母ちゃん大好き」と文字が


うん、痛い...痛過ぎる

愛が詰まり過ぎて溢れてる


少しげんなりしながら他の服を着る

母ちゃんがショックを受けて顎が外れそうなのは

放置して


おいっ!ポチ!お前なにしてんだ?


それは、母ちゃん手作りのよそ行き用の首輪!!


ピンクのヒラヒラがついたお前のお気に入り!


いやっ!連れてかないよ??


オレ ドロ二 ツイテク!尻尾フリフリ♩♩


ポチは最近片言で喋る事が出来る様になった


じゃっ!じゃぁ母ちゃんも行こっかなぁ〜?♩


いやいや

二人とも連れてかないから


まるで、コントの様に暗転し

二人にスポットライトが当たる

白いハンカチを口に咥えて泣き真似をする


最近母ちゃんの使う魔法が特にウザい


じゃぁ行ってくる、相手にしないで

そう告げて家を出る、その背中に二人の

大袈裟な泣き声「ひどぃ!ひどぃわぁぁぁ」

「あぉぉぉぉぉぉぅぅぅぉぅぉぅぉぅ」


登校初日から母ちゃんと犬コロ連れたPTとか

なんの拷問だよそれ


そんな考えも町に着く頃には忘れて

さぁ!今日から勉学に励むぞ!と意気込みながら

学校の門をくぐる


校舎はその昔、砦として使われていたとても

重厚感のある石造りの建物で

建物の半分を学校として残りを役所的な施設として運用されている


教師も役所の人が兼任しているらしい

まぁ学校といっても塾のように

学びたい者だけが通うシステムになっていて

教えるのも低学年には基本的な事だけだと言う


高学年になると、逆に特殊技術的な科目になるらしく難しいとの事


教室は一応学ぶ為に改造してあり勉強

し易い構造になっている。窓からは狭いながらも校庭が見え運動する為の器具や校庭の端には

とても大きなこの砦よりも背の高い大木が

いい雰囲気を醸し出している。


クラスが決まり各自自己紹介する。

俺のクラスA組は男12女8計20人

1年は他に3クラスCまであり人数はほぼ同じ

遠い村からも子供達は通ってくるみたいだ


学年は8年生まで

上に行くほど学ぶことが特殊になる為

8年生は数人しかいないらしい


小中の一貫校のような感じかな?

どこか、気の抜けた思いで教師の説明を聞いて


席順の発表、俺は後ろの窓側

隣には可愛い金髪の女の子「よろしくね♩」と

可愛く首を傾げて挨拶してくる


あ、あぁよ、よろしく

少し緊張しながらも挨拶する


不意に手を差し出してくる


ん?と考え、あ!握手か!と気づき

手を握る。「くそがっ!」


ん?何か遠くで聞こえた気がしたが?

女の子は笑顔なので勘違いだろう。


私は、アンナあなたは?

女の子は笑顔で問いかけてくる。


あ!俺はアレッサンドロ

アレックスって呼んでよと笑顔で返すと


アー君って呼んでもい〜い?

と無邪気な笑顔で言うので


ああ!良いよ!と答えようと思っていたら


「あたしのアー君なんだからね!」

「あぉぉうぉうぉぅ」と、紛れもなく聞こえた!


えっ?、と驚くと


駄目??と悲しそうに上目遣いでこちらを見上げてくる。可愛いがそれは後だ!


辺りを見渡すと校庭の大木に

黄緑の花?と白いフワフワが.....


なにしてんの?

ねぇ?なにしてんのよ??

紛れもなく母ちゃんが手を振って飛び跳ねてる

「あっ!アー君〜♩!」

「あぉおぉぅぅぅ♩♩」


俺は急いで窓のカーテンを閉める

そして、「恥ずかしいけど君なら良いよ!」と

イケメンスマイルをお見舞いする


遠くで

「うわーんひどぃわぁ」

「きゃいんきゃいん」

と、聞こえた。


また母ちゃんがポチの毛を毟りながら

泣き真似をしているのだろう。


目がハートマークの少女をよそに

母ちゃんと駄犬への抗議を授業中考えていた


その後は特になにも無く

進むかと思われたのだが


役所と間違えた!と明らかな嘘を吐きながら

駄犬に乗り教室に乱入して来たり


何か、気配を感じて上を見ると天井の隙間から

二人仲良く忍者のように覗いていたりと


薄々気づいていたけれど

完璧だと思っていた母ちゃんは

度を越した子離れが出来ていない

駄目エルフでした


授業が終わりアンナと共に門を一歩出た所で

母ちゃんと駄犬に拉致され


背中に

「アー君また、明日ね〜!」と

俺も、また明日!と答えた


次の日から、何故かアンナは

病気療養として学校を長期休む事になった


どうしたのだろう?と母ちゃんに

話したところ、勝手に、とかアー君に、とか

許可もなくだとか呟いていて


え?何かしってるの?と尋ねても

シーラナーイとそっぽを向いて答えてくれない


授業中に相手をしなかったので

かなり拗ねているようだ


その時はまぁいいやなんて考えていたのだが

その後仲良くなった女の子が

みんな何故か

次の日には病気に罹り

四人目の時から

あいつと関わると病気になる!なんて噂に


男塗れの小中時代を過ごす羽目になった

前世から女運は皆無だったようだ


イケメンって何それ?美味しいの?


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