船上にて
[イーグノ湖]街道沿いに広がる豊かな森に囲まれた透明度の高い湖
1メートルを超える魚が釣れる事で各地より釣り師達が集まるそこそこ有名なスポットだった.....
最近までは.......
「ねぇ?ミスト、これはどういう事なの?」
「........さ、さぁ???」
湖があった場所に佇む姉妹
目の前には湖底まで見渡せるほど澄んだ透明度の高い湖ではなく
大きな穴が空いていた
あるはずの水は干からびており
湖底の真ん中には塔のような物が佇んでいる
湖の深さは目測で30メートル
塔は湖面より少し高い
35〜40メートルくらいだろう
「貴女、管理はキチンとしてたのよね?」
「離れるまではちゃんと言いつけ通りにしてたわよ??」
「どうしてこんな事に....」
「お母さんに怒られるかな???」
「多分ねものすっっっっごい怒られるわよ」
「だよねー」
どこか遠くを見つめる娘を睨む姉
辺りには静かな湖畔ではなく
ギャーギャーと鳴く怪鳥の様な姿を見て取る事が出来る
沢山いた釣り人の姿は無く静かに佇む姉妹二人
ケビン「骸骨」目線で進みます
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
馬鹿な貴族をドラゴンのブレスから守り再び目覚めて我が身の変貌ぶりに嘆き悲しむ間も無く
あれよあれよと言う間に息子と一緒に義理の姉を探しに行く事になった
相変わらず我妻は忙しなく可愛く甲斐甲斐しく俺の為に頑張っている
息子の友達が出してくれた船に乗り込み連合国を目指す
人目を避ける為に頭からローブを被っているのだが何故か周りを見る事が出来る
多分腹に有るでっかい目玉のおかげだと思うが
怖い....初めて見たとき何故か目が合った
勝手に動いている...生きているのだろうか?
てか、なんなんだこの目玉
こんなの付けてたらまるで魔物じゃないか
そんな事を考えながら与えられた船室でオッサンを助手に何か作業している妻を眺める
「イフ!あと二度温度を上げて!」
「了解です!って!やっぱり覚えてたんですね!!どうしてしらばっくれるんですか!」
「ちょ!イフ温度!いま大事な所なんだから!」
「まったく!ぶつぶつ.....」
大きなすり鉢の中を捏ねまわしながらオッサンに底を温めてさせている
何を作っているんだろう??
「イフ三つ数えたら一気に温度を178度上げるのよ1度でも間違えたら終わりだからね!」
「はいはい」
「1 2 3!今よ!!」
ポフンと言う音と共に紫色の煙が辺りを埋め尽くす
こりゃ失敗したなと思いながら見ていると
「出来た!やったパパ!完成したわよ!」
顔中に紫色の煤を付けたトゥルーが紫色のスライムの様な物を抱えてこちらに笑顔で駆けてくる
喋る事が出来ないのでジェスチャーで何なのか尋ねると
「パパもずっとそんなローブ着てたら窮屈でしょ?だから魔法繊維の身体の代わりになるスライムを作ったのよ!このスライムは使用者の意識に合わせて姿を変えるから早く使って見て!」
紫色のスライムを受け取り恐る恐る自分の足に纏わりつかせる
まるで初めからそこにあったかのように見慣れた足へと変化していく
スライムは形を変えて全身に纏わりつき、あっという間に元の身体へと見た目を変えていく
トゥルーが手鏡を手に持ち
「どう?パパ??」
手鏡に映る自分の姿は見慣れた元の姿へと変化していた
「後は声ね、う〜ん?イフ何か良い案ない?」
「さぁーてトリンシァ様がわからない事が私達に何かわかることがあるのか...!あ!人の声真似をする貝の魔物が居ましたよ!何でしたっけ、えーとえーと?」
「あぁ!ビダル貝ね!街の市場に行けばあるかもね、あれって中々美味しいから」
二人の話を遠くに元の姿に戻れた事に感動する
涙が出そう
そう言えば?ポチはデッキで腹を上に向けて寝転んでいたなあんなに楽しそうに旅するポチは見たことがないな
船好きだったのかな??
短めですが
更新頑張ります




