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メイドごーれむと異世界転生  作者: じゃこさぶろう
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絶望との出会い

風に揺れる木の葉の音しか

聞こえない森の中を

一頭の魔物は駆ける


自由を始めて手に入れたように


どこか、誇らしげで

少し寂しそうに


その瞳には、未来の姿を

想像しその口元には

どこか、傲慢さが漂う


目に入るもの全てが己の糧であり


全ての生き物が自分に恐れ慄く


この森の頂点に位置する種族の矜持を胸に


魔物は駆ける

まるで何かに追われるように


何かを探すように

ふふ

ふははは

ふぁーっはっはっは


一頭の魔物が

静かな森の中悲しそうに笑う


迷った....


遠くに聞こえる一定のリズム

甲高い音を忌々しげに思い呟く


あれは、親父殿が

話していた「人間」とか言う

弱いくせに群れをなす

厄介な存在だな


名もなき一頭の魔物は

この森を支配する一族の後継として

自身の牙を磨くため

武者修行の旅へと出された


決して居心地の良い実家暮らしで

引きこもっていたから

親父に放り出された訳では無いはずだ


親父殿の最後の言葉

「二度と帰って来るな!!」も

まだ一度も帰っていないから

一度は帰っても許されるはず!


まぁ、引きこもっていたとは言っても

腐っても魔物!牙が有れば生きていけるさ

などと......考えていた時期が俺にもありました

はい!、すいません!調子に乗ってました!


お母さん、今僕は森の木の一部になろうと

頑張っています。


妄想から覚めたら目の前に真っ黒な

デカすぎる熊がヨダレを垂らしながら

僕を見ています。


僕は木!木の一部なんだ!と自分に言い聞かせて

目を逸らしているのに、この熊は空気の読めない

熊のようです。オシッコが漏れたのは

怖いからじゃ無いです。本当です!


真っ黒な熊が大きな口を開けて

僕に向かってくる、長い舌、鋭く並ぶ牙、

痛いのは嫌だなぁ、あぁ終わった短い狼生だった

と今までの事を走馬灯のように思い出していると


「フォッ!」と言う音とその後を追う風

目の前にあった熊の顔が無くなっていました!



まさか!

まさか!!

絶体絶命で生まれる、秘めたる力が

解放されたのか!最強の狼の誕生か!


などと、自分の前脚を見つめていると


近くから「おぁ!いっ!いぬっ!だぁっ!」

大きな声に驚いていると


両頬を掴まれ持ち上げられました

人間の分際で月狼の自分に何をするんだ!と

力任せに暴れてみたけど


全く顔が抜けません

人間では、無いのかもしれません


その後、少し開けた場所で解放されるも

多分、人間のオスに身体中を弄ばれ

身体中毛が抜けるのなんの


なんの、拷問だよ!と

手当たり次第噛んだのですが

全く歯が立たず、石?石なのか?

石の魔物が人間のふりをしているのか?

と、諦めて抜ける毛を眺めていると


そのオスとその子供が何やら

誇り高き月狼を飼う?はぁ?なに言ってんだ?


どうしても、俺を家に呼びたいなら

三食昼寝付き、身体は触ってもいいが

あたまと尻尾は触るな!散歩は1日2回

夏は涼しくて冬は暖かい部屋と

大きなクッションを並べろ!

あとは、可愛いメスを探して来い


などと、条件を考えていたら

子供の方が「僕、猫派だから」

猫派だからだからだからだからぁぁ

猫派だからだからだからぁぁぁぁ


いや、マジで顎!外れるかと

はぁっ?てめぇの親父が無理矢理!

むぅりぃやぁりぃ!ここまで連れてきたんじゃ

ねーか!!!!

てめぇっ!身体中歯型だらけにしてやろうか!!


身体中の毛が怒髪天だわマジで!

勘弁ならね!もぅ勘弁ならね!噛む!


無理矢理拉致されながら考えていると

こいつらの家に着いた


こいつらにしては中々良い家じゃねぇか

なんて見回してると


はい!出ましたっ

ボスですっ!

めっちゃヤバい!もう、何がヤバいのか

わかんないくらいヤバい!!

髪の毛緑だし!目が青いし!

どっからみてもエルフだし!


尻尾が勝手に急所を隠す

耳、耳が立たない!目を合わすと殺される

本能が最大限に危険信号を発してる


熊が可愛いく思えてくるよ


本能のままに降参のポーズをコンマ数秒で

決める、時間が勝負をわける時もあるよね


ボスは笑顔で俺の腹を撫でながら、大事な相棒を

取ろうと言う、やべっ!オシッコ漏れた

まだ!まだ!僕使った事すら無いんです!!


絶望を味わいながらもなんとか慈悲を乞う


すると、オスが「大人になってからでも」

なんて!おまぇぇおまぇいいやつだぁ

もう、噛んだりしないからな!


ポチと名付けられ、この家に住む許可を

ボスから頂く、だがしかぁし!このガキだけは

許さねえ!


髪の毛の色も違うし親子では無い

狼は基本的に親子は同じ色


多分こいつも拉致されて来たんだろう

ふふふその、立場は俺が貰った!


まるで示し合わしたように

俺VSガキが始まる


ガキのパンチ、くっ!ガキのくせに中々良い物

持ってんじゃねぇかっ!だが甘いっ!

パンチの戻り際に腕に噛み付く


子狼だと侮るなよ!その腕へし折ってやる!

腕に刺さり食い込んでいく俺の牙


その時、俺の急所の1つ鼻にガキが噛み付いた


カミナリに打たれたような痛さが走る!

打たれた事は無いが多分こんな感じだ!!


お互いが離れ強敵と認め合い何故か

笑みが溢れる

ふふふ、オオカミの血が騒ぐぜっ!


その時、ボスがとてつもない殺気でこちらに

向かってくる、俺は意識が遠のきながらも

牙を全て失う事を告げられ


真の絶望を味わう事になる


あれから、どの位経ったのかは忘れたが

今では俺とドロはマブダチだ!


未だにボスの前では震えが止まらないのは

ナイショだ





ポチはアレックスの

本名アレッサンドロの

ドロを呼んでいます


ポチは何気に知能が高く

生活水準の高い暮らしをしていた設定です


物知りです。

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