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メイドごーれむと異世界転生  作者: じゃこさぶろう
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地獄

2匹の矮小な人間に手酷くやられたクラーケン・レジーナはボロボロの身体を引き摺りながら洞窟の下層を目指す


4日も有れば傷も癒え安全を確保出来ると算段しながら


しかし、下層には自分の地位を狙う子供達がチャンスを狙っている上層で傷を癒して下層へと向かうのが賢明だがレジーナの本能がより遠くへと逃げる事を選ばせる


死の恐怖が判断を狂わせた

洞窟中層に生息していた彼女も自分の母親の地位を虎視眈々と狙う一人であった


青く輝くクラーケン、兄弟を食べ続け亜種へと変化した彼女の前に姿を現した母親


その身体はいつもの神々しい金色では無く、脚は二本、頭も傷まみれの酷い姿


当然彼女は絶好の機会を見逃すはずなど無い

普段はその身体に傷を付ける事も出来ない彼女の脚でも傷口を狙う事でボロボロの母親を仕留める事が出来た


母親を仕留めた彼女は母親の身体から大きな金色の魔石を取り出して口へと運ぶ


その青く輝く身体が光り深い青メタリックへと変貌していく亜種だった彼女はより強力な亜種へと変貌を遂げる


200メートル以上の身体は縮み母親と同じように5メートルほどの大きさへと変わる


身体の内側から溢れる力に母親を負かした相手への報復を自分の力の証明に変えるべく上層へと向かう


そこに、この世の地獄が待つとも知らずに





◆◆◆◆



タコの魔物を追い払った俺達は出口へと辺りを伺いながら足首まで水に浸かりながら進む

勿論アンの魔術で水を避けながらだが


イビキをかきながら幸せそうに寝ている呪いが解け大きくなったポチの前脚と顔を背中に抱え後脚をアンとミストが抱えながら一階の階段へ向かう


「坊っちゃま、やはり前脚はわたくしがお持ちいたしますわ。危険ですもの」アンが言うが

「いや、この階の魔物は倒し切ったはずだから安心な筈だよ?」俺が応えると


「ダンジョンは魔物が湧いてくるから安全なんて無いんだよ?」ミストは心配そうに俺の方を見ている


「大丈夫だよ、いざとなったらポチを下ろして戦えば良いさ」女の子に守ってもらうのは気が引けるからな


そう言っていると曲がり角を曲がった所にゴブリンが4匹立っていた俺がポチを降ろす前に

背後から魔術が飛んでくる


焔の矢と氷の塊がゴブリンの頭を撃ち抜き瞬殺してしまう


俺はジト目で後ろの二人を見る

「俺にも攻撃させてよ?」

俺からの抗議を二人は顔を背けながら

「いや、ついです」「今度はきっと」などと言っている。


その後現れた海オークには二人が寝ているポチを投げ攻撃する


「降ろすつもりがつい手が滑って」「ね〜えへへ」などと、テヘペロしている二人にどうやって手が滑り大きなポチを投げるのか問いただしたい所だが洞窟の中なので我慢する


俺のレベルはまだまだ上がらないだろう


一階への階段が見えてきた頃やっと寝ていたポチが目を覚ます



「ドロ、シッコ」

うん?「え?何て言った?」俺は肩越しにポチに聞き返す


「シッコデル」

うん?あれ?ポチがオシッコしてるの記憶に無いぞ??いや、母ちゃんに怒られてちびったの見たか?


「あれ?ポチってオシッコしたっけ?」

その時左耳のピアスから


『あ!!たーいへん!呪いが解けてるからオシッコするんだ!アー君外に出ないと大変な事になるわよ』


「え?母ちゃんどう言う事??」


『いや〜昔ポチの散歩でウンコ持って帰るのめんどくさいからシッコもウンコも出ないように呪いを掛けたのよ多分10年分くらい出るから洞窟糞尿まみれになるわよ急ぎなさい!』


え?この人は何を言っているのだろうか??

「モウダメ、デル」ポチがプルプル震えだす


俺達は急いで階段を駆け上がる

階段の途中でその時はきた

ポチは片足を高々と上げる


悲鳴を上げ逃げるアン


まるでダムの放水のように飛び出すオシッコの直撃を受け吹っ飛ぶミスト


階下へと物凄い勢いで流されるオシッコの滝の中からミストがオシッコまみれで姿を現した


「あったかくて凄く臭い」

ミストは死んだ目をしながら俺たちに抱きつこうとしている


アンに水の魔術でミストを洗い乾燥してもらう

ポチの放尿はまだまだ止まる気配がしない

どれくらい溜まっていたのか?


そうこうしているうちにじわりじわりとオシッコが二階を満たし一階へと続く階段の途中まで来ている


危ないんじゃないか?と考えているとプルプル震えポチの放尿は終了する

あと少しで一階へと到達する所だった


この洞窟は一階しか探索出来なくなったなと一人考えていると


「ドロ、ウンコ」

え?や!やばい!!

俺はポチの顔を持ちアンが右前脚ミストが左前脚を抱えウンコを物凄い勢いで撒き散らすポチを引き摺りながら出口へと向かう


出会敵は放置でとにかく走るポチのウンコの量が凄まじく洞窟は天井まで直ぐに満たされる


出口の途中でポチのウンコは止まるが二度と洞窟へと足を踏み入れる事が出来なくなってしまった


洞窟を糞尿で蓋してしまったのだ

この事が事件になる前にここから立ち去るべきとの意見が一致し俺達は一路街へと向かう


何も無かった、あの洞窟にはそう、何も無かった




その後糞尿のせいで閉じ込められたクラーケン一族は新たに住み着いた蝿の女王率いる一族との縄張り争いに巻き込まれて人間への復讐を果たす事が出来なくなる



明けましておめでとうごさいます


これからも宜しくお願い致します

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