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メイドごーれむと異世界転生  作者: じゃこさぶろう
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魚人島へ

娘?を送り出した妻は満足ながら何か納得していない顔で首を捻っていた


「う〜ん?」

「どうしたトゥルー?」


「何か忘れてるような気が??う〜ん魔石にルーン文字は刻んだしなぁ?命令もしたし?なんだろ??」

「ん??」


「ごーれむ作製手順で何か......?まぁ忘れるくらいだから大した事無いわね」

「大丈夫なのか?」


「大丈夫大丈夫!」

嫌な予感しかしないが........後は任せた息子よ



お店のお披露目と披露宴から宿へと戻った俺はいつもの様に解呪を行う


お母さんの匂いがいくつになっても恋しくなる

呪いを解く.....なんだこれ


いつもの様にイチャイチャした後アンとポチの襲撃を受け眠りにつく


翌朝、「そろそろ他の場所に行こうと思うんだ」

「かしこまりました準備致します」アンは頼もしく応える


「わかった〜アン果物いっぱい買って!」

ミストは果物を気に入ったようだ


「ドロサンポサンポ!」ポチは朝の散歩がお気に入り、今日は朝食を食べてから皆んなで散歩に出かける


朝の浜辺は昼間の喧騒が嘘のように穏やかで心が安らぐ、波の音だけが聞こえている


左手にアン、右手にミストの腰に手を回し肩に頭を乗せゆっくりと浜辺を散歩する


ポチは浜辺に佇んでいる人魚を追いかけて遊んでいる。人魚に遊ばれているようだ


岩場で人魚を口説いているエデンによく似た男が頬を叩かれこちらに気付き声を掛けてくる


「おはよう!アレックス!」

「あ、ああおはよ」


もう次の女か?昨日六人も連れていたのに元気だな


「散歩かい?」

「ああ、そうだそっちは口説いてるのか?」


「いやいや違うさははは」

顔についた掌の痕は隠せないぞ


「今日あたりこの街を出ようと思うんだ」

「どこに行くんだ?」


「いや、まだ行く当ても無いけどそろそろね」

「そうか、当ても無いんだったら俺について来ないか?」


「エデンはどこかに行くのかい?」

「南にある魚人の島に結婚指輪を買いにね」


「魚人の島かぁ」

「ああ!魚人が海底から採ってくる宝石珊瑚の指輪は結婚指輪として大人気なんだ。アレックスも二人に買ってやりなよ」


二人をみると期待に満ち溢れた目でこちらを見つめている


「じゃあ一緒に連れてってくれ」

ここで断る事は出来ないな


「よし!じゃあ昼過ぎに港へ来てくれ。船の用意をしとくよ」

「ああ、分かったじゃあ昼過ぎに」


宿を引き払い旅の準備に取り掛かる

街の雑貨店に行き旅の消耗品や青果店で野菜や果物、鮮魚店で魚貝、お肉屋さんで山のようなお肉を買い出し調味料や香辛料などの補充を済ませ軽トラ一杯くらいの荷物をアンはポーチへと入れて行く。便利なポーチだな


船に乗るため簡単な昼ごはんで済ませる酔うと大変だからなミストは文句をぶちぶち言っていたが諦めたようだ


昼過ぎに指定の港に行くと大きな全長五十メートルくらいの帆船が泊まっていた


せわしなく船に荷物を積んでいる人達に声を掛けてエデンを探す。どうやらアーザル商会の船らしい


「おーいアレックス!」

甲板からこちらに手を振りエデンが上がって来いと促す


「すまないな、大きな船は親父が使っていて小さな船しか無いんだ」

「いや大きな船じゃないか」

大きな三本の帆が見事な船に乗り込む


「部屋はこっちだついて来いよ」

エデンの案内で船の中に入り個室に案内される


「三人だと少し狭いかも、だからふた部屋に分けるか?」

「いいえ!」「三人でいいよ!」

アンとミストが即答する


少し狭い部屋にベッドを二つ並べてそこに皆んなで泊まることに


「じゃあ直ぐに出航だけど忘れ物とか無いよな?」

「うん、大丈夫だよ。ありがとう」

俺達は甲板に戻り離れて行く港を眺めている


甲板では乗組員がせわしなく動き帆に風を受けて船を走らせている


かなり早い速度に驚いていると

「この船は魔道具で動かしているから普通の船より速度が出るんだ」笑顔でエデンが説明する


船と並走するように飛ぶ海鳥達の声を聴きながら心地よい海風に魚人島へと思いを馳せる


快晴の中船旅は順調に進み六日目の朝ようやく魚人島が見えてくる。周りが海だけの景色に飽きてきたところだったのでちょうど良かった

船の中での解呪は恥ずかしいとの理由でやっていない。


魚人島は周りを小さな島に囲まれた緑豊かな島

歩いて一周するのに十日ほどかかるらしい


魚人と人魚の違いは文字通り上半身が魚の魚人と下半身が魚の人魚


上半身が魚といってもがっつり魚ではなく見た目は人間と変わらずエラがあり海でも生活でき陸に上がる事も出来る。水陸両用の獣人のようなものだとエデンに教えてもらう


港に近づくと人魚が隊列を組んでこちらを誘導して船着場まで案内してくれる


船着場に到着して六日ぶりの陸に上がる

やっぱり大地が落ち着くと久し振りに土の感触を確かめていると


「アレックスこっちだ」笑顔でエデンがオレ達を案内する。ん?何処にいくんだ?


「此処がこの島一番の指輪職人の店だ」

あ、指輪の事をすっかりと忘れていた。しかし空気の読めるオレは


「此処がエデンが言ってた指輪職人の店か!」

当然此処に来たかったんですよという顔をしながら声に出す


「坊っちゃま?まさか....」「アレックス?まさか忘れてたんじゃ?」女の勘は怖い


慌てて店に入り店主に結婚指輪を作って欲しいと依頼を出す。二人の左手薬指のサイズを測りデザインを決めて宝石を選ぶ


「あれ?宝石珊瑚が有名じゃ無かったっけ?」

並ぶ宝石を見比べながらオレが口にするとエデンが


「あれ?店主、宝石珊瑚はどうした?」訝しげな顔で尋ねる


「すいやせん、アーザル商会の坊ちゃん。宝石珊瑚が訳あって今は採れないんでさぁ」

「どうしたんだ?宝石珊瑚を求めてここまで友人を連れて来たのに」


「へい、二週間ほど前から珊瑚が採れる海域に化け物みたいな鮫が住み着きやして海底を離れようとしないんでさぁ」店主はほとほと困った様子でエデンに事情を説明する


「鮫?魚人で討伐すれば良いじゃないか?」

「いやいや、普通の鮫ならいざ知らず化け物みたいな鮫で、体長が四十メートルほどあって驚くほど俊敏に泳ぎ魚人に多数の被害者がでたんで手が出せないんでさぁ」


「何とかならないのか?」

「鮫がどこかに行くまでは辛抱するしかなさそうでさぁ」申し訳なさそうに店主が告げる


陸の魔物ならアンに頼むが海の中は流石に無理かも


「アン何とかなるか?」

「申し訳ございませんわたくしカナヅチでして」

アンは困った顔でこちらを向く


「ミストは?」

「犬かきが得意!」無理なようだ


「オレハモグッテイシヲヒロエルゾ!!」

「凄いなポチ」当てにはしていないから大丈夫だ


仕方ない取り敢えず土台の指輪の作製をお願いして宝石は少し考える


二人の少し落ち込んだ姿を見ると何とかしてやりたいが海の中じゃ何ともできない。まぁ陸地でも四十メートルの魔物なんて手出しできないけどね!


街中を歩くと当然ながら沢山の魚人に出会う。魚人の女性は元いた世界で言うと東南アジア系のエキゾチックな美人、どこか謎めいた雰囲気がとても良い。見惚れていると


「坊っちゃま?左右にも美人がいますわよ?」

「アレックスは本当に女好きなんだから!」

「ワン!」なぜかポチにまでダメ出しされた


その後エデンの依頼で多数の魚人が鮫の討伐に向かうが負傷者を増やすだけの結果となり魚人島の島長が鮫には手出し無用のお触れを島中に出す



そんなおり事件が起こる


何度も襲撃を受けた鮫は気が立っているのか海の上を走る船への攻撃も開始する。

大きな商船が二隻沈められこの島から出る事も出来なくなった


事態が収まるまではこの島で過ごすしかなさそうだ



いかがでしょうか


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