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メイドごーれむと異世界転生  作者: じゃこさぶろう
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マーメイドレストラン

エデンの愛人に、集めてもらった人魚の数は40人。浜辺で働いていた全ての人魚に集まってもらった


新しい事業の給与体制と労働環境などの説明が行われ、従業員の募集が行われる


集まった人魚への説得にグランサーラも一役買い

ほぼ全ての人魚を雇うことが出来た。


同業社の出現を防ぐ為の準備をしておく必要があるので過剰な人員は仕方ない


やはり冒険者よりも商売の方が合っているのだろうか?

早朝に話が決まり昼前には、立地場所や働く人魚など足早に計画は進んで行く


流石に大きな商会の跡取りが興す初の事業だけあって動き出したらあっという間に形になっていく


俺が作った大まかな設計図を職人が書き替えて作られた設計図が届けられる


建物は三階建。一階は一般席が水路に合わせて配置される。二階以上は個室、三階は個室が一つのみ。中央は吹き抜けになっており、人魚は一階のみを給仕するその様子や真ん中の舞台で行われるショーを見ながら食事を楽しんでもらう予定だ


ショーなどの案はエデンの立案で考えがあるらしい、俺からは人魚全員に水着着用を提案する


「水着?いや、なぜ隠すんだ!男なら見えた方がいいに決まってるだろ?それがこの店の特徴にもなるんだから」エデンは分かっていないようだ


「そうだな、アン少しいいか?」

「何でしょう?坊っちゃま?」


俺はアンに細かな指示を出して水着を作って貰う

水着と言っても胸の先端を隠す為の白い布をフェイスタオルほどの大きさに縫い合わせて胸に巻くだけだ


海岸線の岩場に行き、従業員として雇っている人魚の一人を手招きで呼び水着で胸を隠してもらう


人魚は何故か恥ずかしそうにこちらを伺っている

「水着をつけた感じはどうだい?」

「生まれて初めてだから何だか恥ずかしいです」


頬を染めた人魚が恥ずかしそうに上目遣いでこちらを見る、何故かエデンがうーむなどど唸りながら頬を染めていた


「どうだいエデン?」

「いや、アレックスの言う通り中々新鮮かも知れないな」悪くない、などと従業員に見惚れている


本当の驚きはこれからなのだ

「君悪いがそのまま海に潜ってくれないか?」

「わかりました」人魚は座っていた岩場から透き通る海の底へと潜っていく


何をするのか、わからない様子のエデン達を眺めて人魚が戻って来るのを待つ


人魚は海底から大きな貝を一つ手に取り戻ってくる、アンは水着の試着テストだと思っているようだ


人魚が海面から座っていた岩場へと戻ってくる。手に持つ貝を俺に差し出す。


「その貝をエデンに渡してくれ」人魚に告げると

「わかりました」と、はてな顔でエデンに貝を渡そうと腕を伸ばす。


すると貝を差し出されたエデンがある一点に釘付けになっている「あ!...そ..そんな、ばかな!」


そう、この俺が細部にまで指示を加えた水着は水に濡れると透ける!しかもがっつりではなく薄っすらと!


白い水着にピンクの花が咲くのだ!しかもほんの一瞬のみ。水はけの良い生地なので水から上がった時のみ透けるこれこそがチラリズム


「どうだい?この水着の良さに気づいてくれたかい?」

「アレックス!す、素晴らしいぞ!隠してあるのに少し見えてしまうこれこそ!エロなんだな!しかも恥ずかしそうなこの顔!嗜虐心を擽るまさにアレックスは欲望のファンタジスタだ!」

失礼極まりない


エデンの琴線に触れた水着をアンに人数分作って貰うのだが何故かアンから冷たい目を向けられる


「坊っちゃま人魚はダメですよ!旅に連れて行けませんからね!」そんな事は考えていない


「アンとミストがこの水着をつけてくれたら問題無いよ」「もう♩坊っちゃま」「ダメだよアレックスったら」二人とも顔を染めて恥ずかしがっている


部屋ではいつも襲って来るのに?


ポチは我関せずで自分の尻尾をクルクルと追いかけている


その後三日、色々なアドバイスや料理のメニューなどを考えて店の完成を待つ。労働法が無いからなのか魔法のおかげかたった三日でレストランは完成する


浜辺で屋台を出していた料理人が魚貝の供給が無くなり仕事がなくなったので全て雇いいれアンのメニューを細かくレシピとして作り料理人に教えていく


五日後にはオープンを迎える準備がととのった


因みにその間の解呪は

週一で夢に母親がでる

母親の作る料理は全てが最高に美味しい

母親が若く見える

母親のシワが見えなくなる

などといった本当にどうでも良い呪いだった

母ちゃんの叫び声にも慣れてきた


オープンに先駆けて店の名前も決定する

「ユーリ&グランサーラ」

妻の名前をつけた。エデンは最近二人とも妻だと紹介している。どうやら正式に父親に認めてもらったらしい


お店のお披露目と披露宴を一緒に行う事になり俺達も会場に呼ばれる。会いたく無いが仕方ない


エデンの父親は俺たちの顔を見て驚き「あれ以降手は出していないじゃないか!」などと喚いている。


そうだそうだ母ちゃんと父ちゃんを刺客に差し向けたのを忘れる所だった。するとエデンが


「父さん?アレックスと知り合いなんですか?僕が今こうしてるのは全てアレックスのおかげなんで父さんからもお礼を言って下さい」


父親は非常に嫌そうな顔で渋々「こ、この度は息子がお世話になりました」呟く様にお礼をくちにして

「そうか、息子が何人も女を連れて来るのは!」

俺の方を驚き納得した顔で見つめるが。それは単なる誤解だ


やがて、新しい店は招待客で溢れかえる。


アンの作ったメニューは中々好評な様であちこちで感嘆の声が上がる。


「この、パスタはなんと言う調味料を使っているのかしら?」「この魚介のグリルの盛り合わせはうちの店でも出せるんじゃないのか?」「この香辛料の使い方が絶妙ですな」などなど


まるで、アンが褒められている様で俺も気分が良い笑顔でいると「坊っちゃま嬉しそうですわ」

アンが微笑みながら呟く


「ああ、俺の可愛い妻を皆んなが褒めてくれてる様で良い気分だよ」アンの頬に手を添え笑顔で見つめてキスをする。「もう、坊っちゃまったら皆様が見てらっしゃいますわ」頬を染め恥ずかしそうに囁く『けっ!やってらんねーや』母ちゃんの声が聞こえるが放置


ミストが羨ましそうに口を尖らせこちらを見ている、腕を広げミストを抱きしめ同じようにキスをする。これ以上妻が増えたら無理じゃない?


肩車のような格好でポチが俺に飛び乗り雰囲気を台無しにする。その時、舞台にエデンと妻二人がドレスを身に纏い現れる。


店中から割れんばかりの拍手が起こり物凄く照れたようにエデンが頭を下げている


エデンの両親とユーリの両親グランサーラの両親が並び皆から祝福を受けてとても喜んでいた

男の人魚は初めて見たのだが全く嬉しくない


おっさんの下半身が鱗塗れ尾鰭はなく脚、うーむ


披露宴は滞りなく進むのかと思いきや、店の給仕をしていた女性が一人と人魚が二人涙を流しながら舞台へ自分達もエデンと関係を持ったと。その一人は水着の試着をしてもらった人魚だ

凍りつく店内、エデンの父親は真っ青な顔で俺たちを睨んでいた。


そんな重い雰囲気をエデンが笑いながら

「よーし!まとめて5人面倒見てやる!さあ!こい!」狂った事を口にする


エデンの両親は頭を抱えその他の両親は自分達の娘を心配そうに見ていた


「仕方ないわね!グランサーラ!第一夫人の私と第二夫人の貴女で協力して夫の欲望を満足させましょう!」「ええ!.....え?」


「はっはっは!今晩は六人相手だ!」

席に飲み物を運んでいた女性の腕を掴み強引にキスしていた「「「「「あなた!」」」」」


呆気に取られた会場をよそに楽しそうにエデンは笑っている。漢だな


ひと段落したエデンが俺たちのテーブルに来て

金貨が入った袋をお礼だと手渡してくる


断るが、どうしても貰ってくれと強引に置いてエデンは「アレックス、師匠世話になったな!」とても良い笑顔で花嫁の待つ席へと帰って行く


ミストとポチも腹一杯料理を平らげ呻きながら宿へと帰る。さてと、人魚も堪能したし次の旅へと出掛けようか?


袋には百五十枚の金貨が入っていた。


いかがでしょうか

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