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メイドごーれむと異世界転生  作者: じゃこさぶろう
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動き出す世界と鍛錬

この世界は5つの大陸つまり

魔王国を中央に配し


北に聖騎士が国を守る聖王国


東に力こそ全てと公言する武王国


南には歌と花の楽園、自由連合国


さらに西には龍を神と崇める、龍王国


その5つの大きな大陸の周りにはたくさんの

小さな島々があり様々な特色を醸し出している


獣人が支配する国、魔法こそが全ての国

絡繰を創造しゴーレムが街中を闊歩する国

国中砂漠に覆われて生命の全てを拒む国


ドワーフやらエルフやら様々な種族や

職業が様々な国で繁栄衰退を繰り返している


魔王国も魔物だけが支配するわけではなく

人間達の侵攻を許している

そんな時、全ての国々を揺るがす


新しい魔王の誕生である


物音ひとつしない

生命の活動を感じさせない

そんな仄暗い部屋に


一人の男が豪華な椅子にもたれて

深いため息を吐く


部屋は華美ではなくどこか落ち着いていて

細密な彫刻を施された机や壁際の棚

一目見ただけで相当高価な物だとわかる


部屋を照らす机の上の蝋燭

どこか疲れた男の顔を浮かび上がらせる


魔王軍幹部の男は

もう魔王は復活しない方がいいんじゃね?

そんな事を考えている。


魔王が封印されて50年が過ぎた頃から

日々そんな思いが強くなっていた


大体自分が負けたくせにさぁ〜

俺たちに復活させろって

あんたの方が強いのに無理に決まってんじゃん


人間もさぁ〜封印じゃなくって

消滅させてくれてたら良いのに

詰めが甘いんだよぉ!


しかも、頭を置いて行くって

どう言うつもりか知らないけど

死んでないから!魔王死んでないから!!


動けない癖に

あれしろこれしろ

あれが見たいこれが食べたい

我儘放題、魔王軍4天王なんて

皆んな呆れて残ったの俺ぐらいだよ...


他の二人は人間に対抗する為に!

とか、言って一人は聖王国に行っちゃたし

もう一人は魔王と同じくらい我儘だから

どこに行ったかわからないし

一人は人間に討伐されるし...

あれはわざとでしょ?


あんな、魔法馬鹿が人間に負けるわけない

絶対に嫌気がさしたんだよ

くそ!上手いことやりやがった


「コンコン」


妄想から戻される


「どうした?」


黒い執事服を着た老人が扉を開けて


「失礼致します。魔王様がお呼びで御座います。」


「お腹痛いから無理だと伝えてくれ」


「バ、バディ様お戯れを

何やら緊急事態との事ですのでお急ぎ頂けますか?」


はぁ〜、またどうせ人間の街に行って

「ドーナツ」でも買ってこいでしょ??


バディは四天王の筆頭であり

人間に擬態して冒険者としても活動して

人間の街にも詳しい


人間の世界では数の少ないS ランクの冒険者

英雄である、様々な難題を魔王軍4天王が

解決して英雄と呼ばれているとは

人間も思いもしないだろう


心底嫌そうに魔王の部屋の前に

ノックをすると中から入れと声が聞こえる


気分を変えて、神妙な顔つきで中に入る


「お呼びでしょうか?」


うむ、凄く偉そうに髭もじゃのおじさん

の顔だけが、美人メイドに運ばれてくる


「大変な事が起こったのだ!」


首だけにされたあんたの姿より大変な事なんて

無いだろ!と、ツッコミたい気持ちを抑え


「ん?何か不遜な気配がするが?何か言いたい事があるのか?!」


「いえいえ」、と一応答える

前回の大変な事は王国の首都にある

スイーツ店で新しいフェアが始まるので

全種類買って来いだった事など

微塵も考えていない


「うぉほん!まぁいい

封印されている我が身体の一部を

吸収した馬鹿者が現れたようだ!!」


「へ〜じゃぁ復活はもう無理ですね」

満面の笑みで答える


「いや!いやいやいや!、ちょっとまって!

何それ?!まるで復活させたく無いみたいだよ!!?」


「そ、そんなわけ無いじゃ無いですか魔王様」


「じゃぁ!取り返そうよ!みんなで!

魔王の身体だよ!聖遺骸の一部だよ!

大切なものでしょう?!!」


「それは、それとして魔王様の一部を吸収したらどうなるのでしょうか?」


「それはそれ?まぁいいわ、普通は吸収なんて出来ないね、まず即死する、何億分の一で適応した亜種だね」


「で、吸収する部位の力が付与されるはず今回は左腕だから、暗黒魔法が使えるはず」


「ぶっ!暗黒魔法ってあんたの代名詞じゃん!なに取られてんのよ!!馬鹿じゃ無いの!!」


「ちょ!魔王に向かって馬鹿はないでしょ!

だ〜か〜ら〜困ってるんだよ!」


「暗黒魔法使う魔物ってそれだけで魔王じゃん!新しい魔王の誕生じゃん!マジでいらね〜わ、もう一人魔王とか何の悪夢だよ!!」


「ちょっと、バディ君心の声がだだ漏れだよいい大人が魔王の前で寝転がって駄々こねないの!」


「ふ〜ざ〜け〜ん〜な〜よ〜もうやだよ〜、あ!!」立ち上がり姿勢を正して


「うん?!どうした、突然?」


「魔王様!、緊急の事態なので!私自ら調査に赴きたいと思います。大丈夫、私一人で行けます!いや行きます!! 」



「うん...落ち着いて、逃げる気だよね??」


「え?逃げない?目を見て言って!ちょ!マジで!ダメだって四天王の最後の一人なんだから!おいっ!」


[ダッ!!]


「皆の者ー!バディが乱心だ!!取り押さえろ!」


「遠慮はいらん!なぐれなぐれ!取り押さえろ!」


「あ!逃げた!!逃すなーーー!」


ふふふ!腐っても四天王の一人

この俺をを舐めるなよ!


さらばだ!皆の者

魔王様を頼んだぞー!


背中に届く罵声 帰って来てくれと悲鳴半分

連れて行ってくれとの怒声半分


顔で泣いて心で笑って四天王バディは

魔王城より逃亡、人間の世界へと向かう


出来る限り早く残りの遺骸を

処分する事を心に刻み


この後彼は救国の英雄として

様々な物語に語られる。


一方その頃俺はと言うと、


2回目の人生乳幼児期を全力で楽しみ

3歳が過ぎた頃、やっと普通に歩く事が

出来るようになり、周りの言葉も

理解出来るように。


前世も英語とかまるっきりだったが

物覚えが悪過ぎる


今世の名前はアレッサンドロ

母ちゃんはアー、アー君、アレックス

などと呼ぶ

崇からアレッサンドロへ少し気恥ずかしい

感じもするが慣れだね


今ではアー君と呼ばれるのにも慣れて来た


母ちゃんの名前はトリンシァ

父ちゃんはトゥルーと呼んでいる

俺はもちろん母ちゃんと呼ぶ


父ちゃんの名前は確か花瓶?ケビン?

まぁどっちでもいい

俺は父ちゃんと呼んでる


うちは、貴族様じゃないのでもちろん

家名などない、ただのアレックス気軽でいい


一人で歩く事が出来るようになり

今までの鬱憤を晴らすように

精力的に動き回る主に母ちゃんの

半径2〜3メートルを。


家にある小さな鏡で

自分の髪の毛を確認して

安心したパーマはかかっていない

色は何故か水色、あれ?っと思ったが

異世界だからだろうと気にしない


気がつくと、右手薬指に変わった痣が

いくつもの輪っかがまるで指輪のように

昔は無かったような?

まあ、痣や黒子は増えていくものだしな


本を読む為に字を母ちゃんに教えて

もらう、うちには沢山の本がある

母ちゃんの趣味だ


父ちゃんはあまり得意ではない

見た目通りの筋肉馬鹿で

パワーこそ全てを体現する


頼もしさは半端無い


大きくなったらこの新しい世界を

冒険する為には今から鍛錬は

欠かす事が出来ない


魔物が跋扈する世界を旅する為に

何か武術的なものか魔法的なものを

覚えたくて母ちゃんに魔法を教えてくれと

ねだっても、「アー君には魔法は使えないよ」

と、にべもなく断られた


母ちゃんは俺が危ない事をする事を

過剰なほどに嫌がる

庭で一人で遊ぶ事も絶対に許さない


ならばと、父ちゃんに

剣術は無理でも斧の使い方を習いたいと

ねだったら、帰って来た言葉は

「腕に力をいれて思いっきり叩け」

と、ありがたい言葉が....


筋肉馬鹿に聞いた俺が馬鹿だった

ただ、何もしないよりも良いので

父ちゃんについて木樵の手伝いをする


まぁ3〜4歳に出来る事なんて大した事では

無いが、何もしないよりもいい


父ちゃんが用意した斧?的なもので

大木を叩く一日中叩いても少し抉れるだけ


そんな、鍛錬?を何ヶ月も続けて

細い木なら一人で切る事が出来るように

なったある日の事


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