[閑話]父親のターン
家を出てまだ数ヶ月で
こんな美人を二人も....
なんてうら..けしからん!
しかも巨乳に貧乳なんて!
うらやまし...絶対にゆるせん
ここは、父親として注意だ!
自分にも呪いが掛かっている事実に呆然としながら気がついたら息子と別れていました
父親の威厳ってどこに売っているんでしょうか?
少しの間に頼もしくなった
息子と別れトゥルーと共にギルドへとやってくる
今回の依頼について話を聞きに来たのだ
「すまない、ギルドマスターと話がしたい」
「失礼ですがお約束のないお客様は少しお待ち頂きますがよろしいでしょうか?」
構わないと頷き椅子に腰を下ろす
隣でトゥルーは少し不機嫌そうな顔で
一点を見つめていた大方息子の会話を聞いているのだろう
「不意じゃなくても負けないよーだ」
突然喋り出すトゥルー
周りの人間がおかしな目でこちらを見てくる
「おい、トゥルーもう少し声を落とせ」
変な夫婦だと思われるだろう
「ひ!ぱぱ!!アー君が悪い事言ってるからちょっと行ってくる!」
不意にトゥルーが立ち上がり駆け出そうとする
「ちょっと、まてまて!駄目だ、今はコッチが優先だろうが」アレックス、母ちゃんを挑発するな
少しの間そんなやりとりをしながら
ギルドマスターへの面会を待つ、やがて
「大変お待たせ致しましたギルドマスターがお会いするそうです」受付に声をかけられ俺達は部屋へと案内される
トゥルーは一点を見つめたまま動かない
「トゥルー、いくぞ!」「はーい」
ギルドマスターの部屋は二階の一番奥、扉の前には秘書のような人間が一人扉を開けると、窓際に大きな机があり書類の山に埋もれるように精悍な男が一人座っていた
左右の壁には沢山の本が並び大きな紫檀の机の大量の書類の隙間からこちらを伺う
「すまない、忙しい時期なんで仕事の合間に話を聞こう」
「いや、構わない無理を言ってすまないな」
「で、用件とはなんだ?」
「今回、俺達が受けた依頼について聞きたい」
「すまない、依頼の全てを把握はしていないがどう言ったものだ?」
「アーザル商会の主人の娘が若い男に騙されて家出したから連れ戻してくれという依頼の件だ」
「ん?アーザル商会に娘はいないぞ?息子が一人だけのはずだが??」
「ギルドの紹介で俺たちの所にアーザルの使用人が訪ねて来たんだ」
「少し待ってくれ」
ギルドマスターはそう言って手元の鈴を鳴らす
扉が開き秘書が中に入ってくる
「すまないが最近アーザル商会から依頼が届いているはずだこちらに持ってきてくれ」
「畏まりました」
秘書は足早に立ち去り
部屋に沈黙が広がる
「少し待っていてくれ」
「ああ、大丈夫だ」
静かな部屋にカリカリと何かにサインする音だけが響く
「自分達だけ楽しそうにして!」
突然トゥルーの叫びが響く
「え?なんだって?」集中していたのかギルドマスターが聞き返す
「いや、すまないこちらの話だ」
トゥルーの頬っぺたを抓り小声で叱る
しばらくすると秘書が戻りギルドマスターと何かを小声で話している
「待たせてすまない、アーザル商会からは何の依頼も届いていないそうだ」予想通りの答え
「そうか、世話を掛けた」
そう短く答え部屋を後にする
トゥルーの腕を取りギルドからアーザル商会の依頼を受けた屋敷へと向かう
屋敷に着き使用人へ依頼達成の話をしたいと伝えて貰い屋敷の中に入る
通された部屋に依頼主と案内の現地にいた若者が待っていた
「でだ!首尾は上手くいったのか??」
醜く太った依頼主は息を荒げ尋ねる
「ああ、全て上手くいった」
「む、娘はどこだ?」
あたりを見回すように首を振る
「貴様に娘は居ないはずだ」
「なに!」
「しかもだ!!貴様が狙っている子供は俺の子だ!!」
「な!なんだと?!」
「俺達を騙して息子に危害を加えようなんて絶対に許せない!」
「ふ、ふざけるな!お前たちの息子がこのアーザル様にどんな事をしたのか分かっているのか!ワシの全財産を使ってでもこの屈辱は絶対に晴らさせて貰うからな!!」
「ワシは貴族にも顔が広いんじゃ!貴族を使って絶対に牢屋にぶち込んでくれるわ!」
「ぱぱ?殺しちゃえば?」
トゥルーが冷めた態度で呟く
それが一番簡単なんだけどな
「いや、こんな豚を殺して罪を受けるのは割に合わない」
「き、貴様ら!」
依頼主は顔を真っ赤にしながら激昂している
「一つだけ言っておこう俺の名はケビン・ランフォード。ランフォード家の長男だ、つまりは貴族だ」
「ラ、ランフォード??まさか?武王国の?」
「ああ、そうだ、そして息子も当然貴族だお前の力で何とかなるならやって見るが良いその報いを必ず受けるだろう」
俺は胸元から紋章の刻まれた首飾りを取り出して告げるアーザルは魂の抜けたような顔で口をパクパクさせていた
用事はこれでお終い
さて、宿に戻ってトゥルーと久しぶりの二人っきりでも楽しむかな?
もう一人ぐらい子供を作るのもいいかも知れないな
少し短いですが如何でしょうか
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