幼児期を目一杯楽しむと決めた
転生して何ヶ月が過ぎたのか?
もう、数えるのをやめた
今回の人生を思いっきり楽しんで
行こうと前向きに考えた結果だ
最近よく、母ちゃんにおんぶされて
買い物に行く、背中がとても暖かく一定のリズムを刻む歩み、直ぐ睡魔に負けるので家からの距離はわからない
で、いくつか気がついたのだが
まず、母ちゃんはとても小さい
下手すりゃ小学生レベル
この世界の平均身長は分からないが140ないのでは?
父ちゃんが馬鹿デカイのでは無く
他の人と比べても明らかに小さい
あと、おんぶされてて、気がついたが
耳の先が尖ってる?
もしかして、人間じゃないかも
まぁ、いまさら気にもしないが
今日も母ちゃんのどこか暢気な鼻唄
を子守唄に背中の暖かさにうとうとしている
実際は衣服の匂いだろうか?
母ちゃんはミルキ○のような良い匂いがする
母乳は飲んだことないけど
いつも、買い物に来るお店があるのは
村よりも大きいが街という程でもない
町くらいだろうか?基準はわからんが
何となく..
道はでこぼこで無く一応舗装され
中心部は一応の石畳
そんな、通りをテクテク
八百屋で野菜や果物を買い
雑貨屋で生活用品を買い
パンやお酒など籠いっぱいに
詰め込んでテクテクと来た道を
また、鼻唄を唄いながら帰る
母ちゃんってのは凄いんだなぁと
感動しつつ暖かさに包まれて夢の中へ
気がつくといつもの場所に台所では
母ちゃんが夕飯を作っている
母ちゃんは、こんなに頑張ってるんだから
おでんが食べたいなとど文句は言うまいと
ミルクを頂く
ハイハイからのつかまり立ちが
出来るようになり行動範囲がかなり広がる
何の魔法かはわからないが?
母ちゃんから二メートルくらい離れると
自動的に透明な腕に捕まり側に戻される
このくらいの時から家の中がより詳しく
わかるようになった、うちは木造の2LDK
壁には様々な弓や槍、斧のような物がかけられ
大きな暖炉がある山小屋?のような雰囲気
父ちゃんは、朝早くから日が暮れるまで帰って
来ない、猟師かと思ったが獲物を持ち帰って来た
所を見たことがない
しかし、夕食には必ず何かしらのお肉が
並んでいる、買い物時肉屋には寄ってないので
不思議に思っていたが
母ちゃんがほぼ毎日、俺を寝かしつけて
狩に行っているようだ
自分より大きな猪を担いで帰ってきた
壁に掛かっている弓を手入れしている姿をたまに見る
本当にスーパーな母ちゃんだ
俺はと言うと立ったまま脱糞する特技を
身に付けて父ちゃんのお気に入りの物の上に
盛大にぶちまけるのを日課にしている
決してこんな嫁が羨ましいなど
思っていないはずだ....
ハイハイ、つかまり立ちから歩き出すまで
早いの何の、あっという間に1歳になり
何事もなく2歳へ、この頃から父ちゃんの仕事に
付いて行くようになる。
もちろん、父ちゃんに肩車されながらだが
父ちゃんの職業は木樵だった
ヘイヘイホーだ
身長程ある鉄棒の先に鉄の塊がついた
斧というよりハンマーみたいな物を
肩に担ぎ大きな木が鬱蒼と茂る森へ
危ないから離れてろ、父ちゃんがとても良い笑顔で促す言葉に返事して、遠くから見てたら気合いの一撃で巨木をへし折りなぎ倒す
あれ?木樵ってこんなのだっけ??
あの巨木を一撃?
異世界の木樵は強いなぁと感心してたら
他の木樵のおじさん達は普通の斧で
コンコン叩いていたので父ちゃんが
おかしいみたいだ
シオマネキのような腕は見掛け倒しではなかった
危ない!との理由で母ちゃんは狩に
連れて行ってはくれない
毎回自分よりも大きな獲物を
魔法で持ち上げながら、鼻歌を歌い帰って来る
そんな、母ちゃんは自慢だった
3歳になろうかとする頃
そんな平和な日々を
闘いの日々へと変えて行く出来事が
近づいているとも知らずに




